腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが 特別編 〜美少女転校生と始める学園生活〜
14話 音色
文化祭ライブ。
それは軽音部主催の出し物である。
軽音部は特別人気のある部活ではないがライブと言うだけあって客の出入りはすごい。
今年も文化祭ライブを見るために100人以上の客が集まっていた。
「マジか…あれ全校生徒ほとんどいるんじゃね?」
「そ、そだね…。それに加えて一般客まで…。…うっ…ぅぅぅぅ…緊張するなぁ…由希ちゃんいつもこんなプレッシャーに耐えてるの?」
「…お客さんをかぼちゃだと思えば大丈夫よ。」
「かぼちゃ?カボチャ…カボチャタルト…冬至かぼちゃ…カボチャプリン…」
ぐぅー…
「お、お腹減った〜!」
「…お前馬鹿だろ。」
「な!そ、そんなことないし!由希ちゃんがカボチャとか言うから…お腹減っちゃって…。」
「…私のせいなの?」
「ユウ〜…お腹減ったよぉー…。」
「て言われてもな…あ…」
何か思い出したのか優は自分のバックを探る。
「陸に貰ったドーナツならあるぞ。」
「ドーナツ?!」
「ああ。」
「も、貰って…いいすか?」
「ほれ。やるから静かにしてろ。」
「わあ…ありがとう!ユウ!」
「…ミーシェがその調子なら大丈夫そうね。藤山くんも特に心配要らないんでしょ?」
「緊張してないって言ったら嘘になるな。だがまあ引き受けた以上期待に添えるよう努力するよ。」
「…本当にありがとね…二人とも。」
「ううん!私歌うの大好きだもん!それよりもわがまま聞いてもらってごめんね?」
「…いいのよ。」
実は優とミーシェは参加にあたって1つわがままを聞いてもらっていたのだ。
歌う曲は3つ。
1つは少し前にヒットしたアニメ映画の主題歌になっており、前世だか来世だか言いまくる曲だ。2つ目も最近のヒット曲でレモンだかみかんだかそんな感じの曲だ。
そしてもう1つはユウとミーシェの要望によりあまりライブでは歌わないが誰もが知っているような曲になった。
「松山由希さんのバンドは準備をお願いします。」
文化祭ライブの実行委員が袖から出てきて伝えてきた。
「…あ、はい。」
「いよいよか…。ミーシェいつまで食べてんだ俺らの番だぞ。」
「ふぁい!いふぁいきまふ!(はい!今行きます!)」
「ミーシェ、幕上がるけど大丈夫か?」
「…ど、どどど…どうしよう!?震えが止まらないんだけど!?」
「お、落ち着け…深呼吸だ。」
「う、うん…ヒッヒッフー…ヒッヒッフー…。」
「ソレチガウ。」
「フー…ハー…フー…ハー…」
「俺も最後に楽譜確認しとくか…。」
幕が上がった。
客席を見るとサイリウムの光る棒を持った客が前の方に集まっていた。
(んん?!そんなガチなの?)
ミーシェがやばい!みたいな感じの顔で優の方を見る。
「…落ち着け…かぼちゃだカボチャプリンだ…。」
「だ、だからそれは違うって!」
「ははは…その調子だ。」
「う、うん…。」
「…こんにちは!2年1組です。」
松山が話す。
「…ボーカルの子とピアノの子が休んじゃって…臨時でできたバンドですが精一杯演奏しますので楽しんでいってください!」
歓声が響く。
「ボーカルの方一言お願いします。」
「え?わ、私?!」
「はい、お願いします。」
「え…えっと…2年1組の山田ミーシェです…!私はこの4月にこの学校に転校してきて…不安だったんですけど…ユウのおかげでみんなと仲良くなれて…あ、ユウって言うのは今ピアノやってるんですけど…。」
(馬鹿…なんで俺の事…。)
「と、とにかく!ユウのおかげでここまで来れて…楽しくて…えっととにかく…う、歌います!」
その合図と共にドラムがバチを打つ。
松山がギターで前奏を奏でる。
やっと目を覚ましたかい…♪
ギター、ベースに合わせてミーシェの歌声が響く。
それに見とれてしまった優は少し出だしが遅れてしまったが、何とか取り戻すことが出来た。
(ああ…いつ聴いてもあいつの歌は…いいな…。)
優はミーシェに合わせてピアノを弾く。
(楽しいな…ミーシェの歌に合わせるのは。)
客はその様子に見とれながらもサイリウムを振る。
そのままあっという間に1曲目が終わってしまった。
「あ、ありがとうございました!」
歓声や拍手が体育館に響いた。
「…ミーシェまだ2曲あるのよ?」
「あ、そ、そうだった!えーっとまだありまーす!この曲はよくカラオケで歌うんですけど…みんな知ってて有名な曲で…えっと〜…歌います!」
(そう言えばMCの練習はしてないもんな。おっと…ピアノからだったな…。)
優とミーシェはアイコンタクトしてミーシェが頷き曲が始まった。
ミーシェの十八番である。
夢ならばどれほどよかったでしょう〜♪
陸を含めてカラオケに行く時はいつも歌っている曲だ。
相変わらず上手すぎる。そう言えば前行った時は100点出てたな…ミーシェ。おっとピアノソロの番だ…。
優は指を器用に動かし魂を込め音を奏でる。
その美しい音色は観客が息を呑むほどだった。
すごい…やっぱり凄いな…ユウは。
このピアノとなら…ううん…ユウとなら…私…。
ミーシェは間奏の間ユウのピアノに耳を傾けた。
間奏が開けたとともに再び歌い出す。
(楽しいな…。)
そのまま2曲目も歌い終えた。
「次が最後の曲になります!えっとこの曲はユウ達とキャンプに行った時にも歌って…星が綺麗で…つい歌いたくなっちゃったんですけど…それで…あ!この曲はピアノとボーカルだけなので…由希ちゃん達はお休みで!ユウ!頑張ろうね!」
「え?あ、ああ。…お願いします。」
ユウは座ったまま軽く会釈する。
「ユウもなんか!一言!」
「え?俺は別にいいだろ…。」
「いいじゃん!どうせそれも聞こえてるんだから!」
「ま、まあ…この曲は俺も好きでして…キャンプの時にこの曲歌ってるミーシェを見て凄いなって思って…とにかく…ミーシェとこの場に立てて良かったです。」
「ユウ…え、えっと!お聞きください!」
優の前奏がはじまる。
ミーシェは優の方に向き直り微笑む。
見上げてごらん夜の星を  小さな星の
小さな光が  ささやかな幸せを  うたってる
(あれ?なんか…泣きそうだ。)
キャンプの時はこのワンフレーズだけだったが今回はフルバージョンだ。
陸…ちゃんと撮っといてくれよ?
(やばい…終わりたくない。)
しかし曲はどんどん終わりに向かっていく。
ずっと…聴いていたい。
そのまま曲は終わってしまった。
「あ、ありがとうございました!こ、これで全部終わりです!えっと…ありがとうございま…「ミーシェ。」え?」
話を遮り優が話した。
「ユ、ユウ?」
「楽しかった。ありがとう。また…やろうな。」
「え?あ…うん…!…でも今言うことじゃ…。」
アンコール!
アンコール!
「み、皆…。」
「ミーシェ…やろうぜ?」
「…うん…!」
再び体育館は歓声で包まれるのだった。
フォローorコメントよろしくお願いします!
それは軽音部主催の出し物である。
軽音部は特別人気のある部活ではないがライブと言うだけあって客の出入りはすごい。
今年も文化祭ライブを見るために100人以上の客が集まっていた。
「マジか…あれ全校生徒ほとんどいるんじゃね?」
「そ、そだね…。それに加えて一般客まで…。…うっ…ぅぅぅぅ…緊張するなぁ…由希ちゃんいつもこんなプレッシャーに耐えてるの?」
「…お客さんをかぼちゃだと思えば大丈夫よ。」
「かぼちゃ?カボチャ…カボチャタルト…冬至かぼちゃ…カボチャプリン…」
ぐぅー…
「お、お腹減った〜!」
「…お前馬鹿だろ。」
「な!そ、そんなことないし!由希ちゃんがカボチャとか言うから…お腹減っちゃって…。」
「…私のせいなの?」
「ユウ〜…お腹減ったよぉー…。」
「て言われてもな…あ…」
何か思い出したのか優は自分のバックを探る。
「陸に貰ったドーナツならあるぞ。」
「ドーナツ?!」
「ああ。」
「も、貰って…いいすか?」
「ほれ。やるから静かにしてろ。」
「わあ…ありがとう!ユウ!」
「…ミーシェがその調子なら大丈夫そうね。藤山くんも特に心配要らないんでしょ?」
「緊張してないって言ったら嘘になるな。だがまあ引き受けた以上期待に添えるよう努力するよ。」
「…本当にありがとね…二人とも。」
「ううん!私歌うの大好きだもん!それよりもわがまま聞いてもらってごめんね?」
「…いいのよ。」
実は優とミーシェは参加にあたって1つわがままを聞いてもらっていたのだ。
歌う曲は3つ。
1つは少し前にヒットしたアニメ映画の主題歌になっており、前世だか来世だか言いまくる曲だ。2つ目も最近のヒット曲でレモンだかみかんだかそんな感じの曲だ。
そしてもう1つはユウとミーシェの要望によりあまりライブでは歌わないが誰もが知っているような曲になった。
「松山由希さんのバンドは準備をお願いします。」
文化祭ライブの実行委員が袖から出てきて伝えてきた。
「…あ、はい。」
「いよいよか…。ミーシェいつまで食べてんだ俺らの番だぞ。」
「ふぁい!いふぁいきまふ!(はい!今行きます!)」
「ミーシェ、幕上がるけど大丈夫か?」
「…ど、どどど…どうしよう!?震えが止まらないんだけど!?」
「お、落ち着け…深呼吸だ。」
「う、うん…ヒッヒッフー…ヒッヒッフー…。」
「ソレチガウ。」
「フー…ハー…フー…ハー…」
「俺も最後に楽譜確認しとくか…。」
幕が上がった。
客席を見るとサイリウムの光る棒を持った客が前の方に集まっていた。
(んん?!そんなガチなの?)
ミーシェがやばい!みたいな感じの顔で優の方を見る。
「…落ち着け…かぼちゃだカボチャプリンだ…。」
「だ、だからそれは違うって!」
「ははは…その調子だ。」
「う、うん…。」
「…こんにちは!2年1組です。」
松山が話す。
「…ボーカルの子とピアノの子が休んじゃって…臨時でできたバンドですが精一杯演奏しますので楽しんでいってください!」
歓声が響く。
「ボーカルの方一言お願いします。」
「え?わ、私?!」
「はい、お願いします。」
「え…えっと…2年1組の山田ミーシェです…!私はこの4月にこの学校に転校してきて…不安だったんですけど…ユウのおかげでみんなと仲良くなれて…あ、ユウって言うのは今ピアノやってるんですけど…。」
(馬鹿…なんで俺の事…。)
「と、とにかく!ユウのおかげでここまで来れて…楽しくて…えっととにかく…う、歌います!」
その合図と共にドラムがバチを打つ。
松山がギターで前奏を奏でる。
やっと目を覚ましたかい…♪
ギター、ベースに合わせてミーシェの歌声が響く。
それに見とれてしまった優は少し出だしが遅れてしまったが、何とか取り戻すことが出来た。
(ああ…いつ聴いてもあいつの歌は…いいな…。)
優はミーシェに合わせてピアノを弾く。
(楽しいな…ミーシェの歌に合わせるのは。)
客はその様子に見とれながらもサイリウムを振る。
そのままあっという間に1曲目が終わってしまった。
「あ、ありがとうございました!」
歓声や拍手が体育館に響いた。
「…ミーシェまだ2曲あるのよ?」
「あ、そ、そうだった!えーっとまだありまーす!この曲はよくカラオケで歌うんですけど…みんな知ってて有名な曲で…えっと〜…歌います!」
(そう言えばMCの練習はしてないもんな。おっと…ピアノからだったな…。)
優とミーシェはアイコンタクトしてミーシェが頷き曲が始まった。
ミーシェの十八番である。
夢ならばどれほどよかったでしょう〜♪
陸を含めてカラオケに行く時はいつも歌っている曲だ。
相変わらず上手すぎる。そう言えば前行った時は100点出てたな…ミーシェ。おっとピアノソロの番だ…。
優は指を器用に動かし魂を込め音を奏でる。
その美しい音色は観客が息を呑むほどだった。
すごい…やっぱり凄いな…ユウは。
このピアノとなら…ううん…ユウとなら…私…。
ミーシェは間奏の間ユウのピアノに耳を傾けた。
間奏が開けたとともに再び歌い出す。
(楽しいな…。)
そのまま2曲目も歌い終えた。
「次が最後の曲になります!えっとこの曲はユウ達とキャンプに行った時にも歌って…星が綺麗で…つい歌いたくなっちゃったんですけど…それで…あ!この曲はピアノとボーカルだけなので…由希ちゃん達はお休みで!ユウ!頑張ろうね!」
「え?あ、ああ。…お願いします。」
ユウは座ったまま軽く会釈する。
「ユウもなんか!一言!」
「え?俺は別にいいだろ…。」
「いいじゃん!どうせそれも聞こえてるんだから!」
「ま、まあ…この曲は俺も好きでして…キャンプの時にこの曲歌ってるミーシェを見て凄いなって思って…とにかく…ミーシェとこの場に立てて良かったです。」
「ユウ…え、えっと!お聞きください!」
優の前奏がはじまる。
ミーシェは優の方に向き直り微笑む。
見上げてごらん夜の星を  小さな星の
小さな光が  ささやかな幸せを  うたってる
(あれ?なんか…泣きそうだ。)
キャンプの時はこのワンフレーズだけだったが今回はフルバージョンだ。
陸…ちゃんと撮っといてくれよ?
(やばい…終わりたくない。)
しかし曲はどんどん終わりに向かっていく。
ずっと…聴いていたい。
そのまま曲は終わってしまった。
「あ、ありがとうございました!こ、これで全部終わりです!えっと…ありがとうございま…「ミーシェ。」え?」
話を遮り優が話した。
「ユ、ユウ?」
「楽しかった。ありがとう。また…やろうな。」
「え?あ…うん…!…でも今言うことじゃ…。」
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コメント
かつあん
いい話だーー!
歌った曲は前前前世とlemonと見上げてごらん夜の星をかな?
dool423875
いい話やなって
垂直抗力(元ラノベ大好きサムライ)
こんな高校生活を送りたいなぁ…羨ましい…