腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが 特別編 〜美少女転校生と始める学園生活〜
12話 ボーカルは?
文化祭2日目。
この日は一般公開のため、皆早めに学校に来て最終準備をしていた。
「…そこの壁壊れてるから修復しておいて。」
「おっけー…。ユウ、そっち押さえてて。」
「ほいよ。」
「…え?!」
「わっ!びっくりした〜…急に叫ばないでよ〜由希ちゃん…。」
「…ご、ごめん…。」
そう言って松山はスマホをしまう。
「何かあったのか?」
「…あ、ううん…。気にしないで?」
「?…そうか?」
「…うん…。」
「…」
そのあと遅れて天城が教室に入ってきた。
「おはよう、みんな。」
…
「…そう言えば花園はどうしたんだ?」
「朝から買い出しだって。」
「そうか、大変だな。」
「どうしたんだ?みんな。挨拶はしっかり返すべきだろう?」
「ああそうだな、おはよ。」
「うん。」
そのまま黙々と作業を続ける。
「俺も手伝おうか?」
そう言って天城は刷毛を取る。
「…いや、いいよ。」
松山は天城から刷毛を取り上げた。
「な!どうしてだ?!俺はみんなのためになろうと…!」
クラス中から天城に集まる冷たい視線。
「…今更しゃしゃり出てくるんじゃねえよ…。」
「何様?」
「っ…お、俺は…」
「皆さん、遅れてすいません…。赤のペンキ中々売ってなくて…ホームセンターハシゴしちゃいました…!」
「あ、美琴ちゃん!お疲れ様〜!」
「ありがとう。」
「サンキュー。助かるわ…。」
「あとついでに皆さんのジュースも買ってきましたよ。種類は適当ですが…お好きなのをどうぞ。」
「ジュース?!」
「ありがとよ…重かったろ?」
「い、いえ…自転車ですので…。」
「ともかくお疲れさん。」
「…少し休憩しましょうか。」
「そうだね…。」
「松山、さっきの電話は大丈夫だったのか?」
「…え?」
「そうだな…何かあったのか?」
「…ちょ、ちょっとね…。」
「由希ちゃん、力になれるかは分からないけど…教えてくれない?」
「…菜々…。」
「そうだよ。もしかしたら力になれるかもしれないしね!」
「…ミーシェ…。分かったわ。実は…軽音部のライブで一緒に出るはずの子が風邪で来れなくなっちゃって…ボーカルなんだけど…。」
「え?!じゃあ由希ちゃん達の演奏見れないって事…? 」
「…それだけじゃないのよね…。」
「え?」
「…ピアノの子にも伝染っちゃったのよ。」
「そんな…。」
「…それで今代わりに出てくれる人を探してるんだけど…心当たり全くなくて…。」
「それは…辛いな…。」
「ボーカルの代わりならいるだろ?」
「…え?」
「優…心当たりがあるのか?」
「あるって言うか…そこでジュース飲んでる奴。」
優が1人の女子を指さす。
「…え?私?」
優が指さすのはミーシェだった。
「お前歌上手いじゃん。」
「…え?…え?」
「確かにそうだな…。カラオケでもいつも90点以上だったろ?」
「そ、そうだけど…流石に…。」
「…ミーシェ…お願い!ボーカルとして出てくれない?」
「え…えと…私?私より上手い人なんて他にも…それに緊張するし…」
「私…ミーシェさんの歌聴いてみたいです。」
「み、美琴ちゃん…。」
「でも…迷惑じゃないかな?」
「…そんなことないわ。お願いできない?」
「わ、私で…良ければ…。」
「…ほんとに?!ありがとう!ミーシェ…!」
「こ、こちらこそ…。よろしくね!」
「…うん。後はピアノね…。誰かできる人がいればいいんだけど…。」
すると優が手を上げる。
「…藤山くん?誰か心当たりあるの?」
「心当たりって言うか…少しなら弾けるぞ?俺。」
「…え?」
「え?」
「ユウ…ピアノ弾けるの?!」
「まあ…施設にいた時合唱会があってな…。伴奏はいつも俺がやってた。」
「…この楽譜なんだけど…弾ける?」
「余裕だな。」
「…お願い…していい?」
「ああ…。俺でよければ。まあ男が混ざっていいか分からんが。」
「…そんなこと気にしないわ。よろしくね?藤山くん。」
「ああ。」
「ユ、ユウがいてくれるなら…安心だな…。」
「そ、そうか…お、俺もミーシェが歌ってくれるなら安心だ。」
「…はいはい、イチャイチャしないで。」
「し、してねえよ!」「し、してないよ!」
見事にハモる優とミーシェだった。
こうして2日目が幕を開けた。
「うぅ…お客さん多いよぉ…。」
お化け屋敷の受付で項垂れるミーシェ。
「言ってる間にお客さんどんどん来てるんだ…。とっとと接客してくれ…。優、君もだ。」
「ああ〜…疲れた〜…。」
「そう言えば君たち、歌の練習はしなくていいのか?」
「うん!私の十八番だったから…完璧だよ!」
「ミーシェの十八番…あの曲か…。」
「うん…!大好きなんだぁ…。」
「俺も…好きだよ。」
「でも少しは声出しといた方がいいんじゃないか?」
「それもそうだね…。」
「そろそろ交代のじかんだ。後はやっておくから2人は練習してくればいい。」
「いいの?ありがとね?陸くん。」
「悪いな、陸。」
「ふん…。頑張れよ。」
「ふふ…見に来てね?」
「…動画…撮っておく。」
「お、後で送ってくれ。」
「ああ。」
急遽文化祭ライブに出ることになった2人だった。
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この日は一般公開のため、皆早めに学校に来て最終準備をしていた。
「…そこの壁壊れてるから修復しておいて。」
「おっけー…。ユウ、そっち押さえてて。」
「ほいよ。」
「…え?!」
「わっ!びっくりした〜…急に叫ばないでよ〜由希ちゃん…。」
「…ご、ごめん…。」
そう言って松山はスマホをしまう。
「何かあったのか?」
「…あ、ううん…。気にしないで?」
「?…そうか?」
「…うん…。」
「…」
そのあと遅れて天城が教室に入ってきた。
「おはよう、みんな。」
…
「…そう言えば花園はどうしたんだ?」
「朝から買い出しだって。」
「そうか、大変だな。」
「どうしたんだ?みんな。挨拶はしっかり返すべきだろう?」
「ああそうだな、おはよ。」
「うん。」
そのまま黙々と作業を続ける。
「俺も手伝おうか?」
そう言って天城は刷毛を取る。
「…いや、いいよ。」
松山は天城から刷毛を取り上げた。
「な!どうしてだ?!俺はみんなのためになろうと…!」
クラス中から天城に集まる冷たい視線。
「…今更しゃしゃり出てくるんじゃねえよ…。」
「何様?」
「っ…お、俺は…」
「皆さん、遅れてすいません…。赤のペンキ中々売ってなくて…ホームセンターハシゴしちゃいました…!」
「あ、美琴ちゃん!お疲れ様〜!」
「ありがとう。」
「サンキュー。助かるわ…。」
「あとついでに皆さんのジュースも買ってきましたよ。種類は適当ですが…お好きなのをどうぞ。」
「ジュース?!」
「ありがとよ…重かったろ?」
「い、いえ…自転車ですので…。」
「ともかくお疲れさん。」
「…少し休憩しましょうか。」
「そうだね…。」
「松山、さっきの電話は大丈夫だったのか?」
「…え?」
「そうだな…何かあったのか?」
「…ちょ、ちょっとね…。」
「由希ちゃん、力になれるかは分からないけど…教えてくれない?」
「…菜々…。」
「そうだよ。もしかしたら力になれるかもしれないしね!」
「…ミーシェ…。分かったわ。実は…軽音部のライブで一緒に出るはずの子が風邪で来れなくなっちゃって…ボーカルなんだけど…。」
「え?!じゃあ由希ちゃん達の演奏見れないって事…? 」
「…それだけじゃないのよね…。」
「え?」
「…ピアノの子にも伝染っちゃったのよ。」
「そんな…。」
「…それで今代わりに出てくれる人を探してるんだけど…心当たり全くなくて…。」
「それは…辛いな…。」
「ボーカルの代わりならいるだろ?」
「…え?」
「優…心当たりがあるのか?」
「あるって言うか…そこでジュース飲んでる奴。」
優が1人の女子を指さす。
「…え?私?」
優が指さすのはミーシェだった。
「お前歌上手いじゃん。」
「…え?…え?」
「確かにそうだな…。カラオケでもいつも90点以上だったろ?」
「そ、そうだけど…流石に…。」
「…ミーシェ…お願い!ボーカルとして出てくれない?」
「え…えと…私?私より上手い人なんて他にも…それに緊張するし…」
「私…ミーシェさんの歌聴いてみたいです。」
「み、美琴ちゃん…。」
「でも…迷惑じゃないかな?」
「…そんなことないわ。お願いできない?」
「わ、私で…良ければ…。」
「…ほんとに?!ありがとう!ミーシェ…!」
「こ、こちらこそ…。よろしくね!」
「…うん。後はピアノね…。誰かできる人がいればいいんだけど…。」
すると優が手を上げる。
「…藤山くん?誰か心当たりあるの?」
「心当たりって言うか…少しなら弾けるぞ?俺。」
「…え?」
「え?」
「ユウ…ピアノ弾けるの?!」
「まあ…施設にいた時合唱会があってな…。伴奏はいつも俺がやってた。」
「…この楽譜なんだけど…弾ける?」
「余裕だな。」
「…お願い…していい?」
「ああ…。俺でよければ。まあ男が混ざっていいか分からんが。」
「…そんなこと気にしないわ。よろしくね?藤山くん。」
「ああ。」
「ユ、ユウがいてくれるなら…安心だな…。」
「そ、そうか…お、俺もミーシェが歌ってくれるなら安心だ。」
「…はいはい、イチャイチャしないで。」
「し、してねえよ!」「し、してないよ!」
見事にハモる優とミーシェだった。
こうして2日目が幕を開けた。
「うぅ…お客さん多いよぉ…。」
お化け屋敷の受付で項垂れるミーシェ。
「言ってる間にお客さんどんどん来てるんだ…。とっとと接客してくれ…。優、君もだ。」
「ああ〜…疲れた〜…。」
「そう言えば君たち、歌の練習はしなくていいのか?」
「うん!私の十八番だったから…完璧だよ!」
「ミーシェの十八番…あの曲か…。」
「うん…!大好きなんだぁ…。」
「俺も…好きだよ。」
「でも少しは声出しといた方がいいんじゃないか?」
「それもそうだね…。」
「そろそろ交代のじかんだ。後はやっておくから2人は練習してくればいい。」
「いいの?ありがとね?陸くん。」
「悪いな、陸。」
「ふん…。頑張れよ。」
「ふふ…見に来てね?」
「…動画…撮っておく。」
「お、後で送ってくれ。」
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