腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが 特別編 〜美少女転校生と始める学園生活〜

けん玉マスター

6話 ラッキースケベに合うやつは主人公属性

優とミーシェがトイレに向かったあと、陸と松山は2人が戻ってくるのを待っていた。
「陸くん!まだ?!ねえまだ?!」
「僕に聞くな…。少し待ってろ。」
「ううぅ…ううぅ…」
「…」
「ううぅ〜!」
「…」
「うぅぅ…!」
「…」
「ううぅ〜!」
「…うるさい。少しは静かに待ってろ。」
「だ、だってぇ…!」
「やれやれ、いつもの君とは大違いだな。そんなにダメなのか?」
「お化けはダメなの!…あと蛇…。」
「そ、そうか…。」
「!、今なんか物音しなかった?!」
「そうか?気の所為だろ…。…やれやれ、遅いな…あの二人。」
「ねえ!絶対なんか音したって!」
「おい、引っ張るな…。」
「ひっ!なんか踏んだ!」
そこにはロープが落ちていた。まあ今の松山にはほかのものに見えているであろうが…。
「ロープか…きっと文化祭で使ってたんだろう。心配な…」
「いやぁぁぁああ!!蛇ぃぃ!!」
「お、落ち着け!蛇じゃない!ロープだ!」
「いやぁぁぁ!!」
松山は逃げ出した。
「ちっ…待て!」
陸は松山をに続いて走り出した。


「陸くん達…どこいったのかなぁ?」
「さあ?特に音も聞こえなかったけどな?」
ここで説明。
何故優とミーシェに松山の悲鳴が聞こえなかったのか?
そのカラクリである。

ミーシェの場合。
何故か耳を塞ぎながら用を足すミーシェ。
花子さんの声が聞こえないようにするためだ。

優の場合。
最初は少し耳を開けていた優だが、途中から罪悪感が出てきてガチで塞いでいた。

そのため優とミーシェに悲鳴が聞こえることは無かった。


「まあ陸がいるから心配ないだろ。」
「そ、そう…だね…!」
「きっと先行ってんだろ。行こうぜ?ミーシェ。」
「う、うん…。」
「どうした?」
「そ、その…手…繋いでいい?」
「…は?」


「待て!松山!」
「嫌よぉ!!蛇ぃぃ!!」
松山は物凄いスピードで走り回る。
「馬鹿!そっちは…!」
「え?」
突如地面がなくなる。
階段だ。
(あ…やばい…!)
ふわ…
がしっ!
「おっと…危ない…。全く…危なかったぞ?」
「ひ…」
(ドキン…!)
「…あ…」
陸は松山をギリギリのところで掴む。
しかしギリギリのため、どこを掴むかまでは気が回らなかった。
もにゅ…
「は、離して!!」
「ならこっちに戻ってこい。今離すと落ちるぞ?」
「いいから!」
「良くないだろ?」
「だったら掴むところを考えなさい!!」
「…え?」
もにゅ…もにゅ…
そう言えば先程から手に感じる違和感。
「僕はどこを掴んでるんだ?」
松山をこちらに引き寄せ手を離す。
そして自分の手を確認する。
「あ…。」
「っ〜…!」
松山は顔を真っ赤にしてこちらを見つめていた。
「ま、まさか…」
きっ!
「ひっ!わ、悪かった!そんなつもりはなかったんだ!!」
陸は咄嗟に胸に腕を回し、掴んでいたのだった。
「…」
「わ、悪かった…!ぼ、僕はそんなつもりなくてだな…その…。」
「も、もういいわよ…。助けられたわけだし…。」
「だ、だが…。」
「いいの!…分かった?!」
「は、はい…!」


「すまんがもう一度言ってくれ。」
「だから…手…繋ご?」
「は?」
「もうっ!何度も言わせないで!手…繋いで欲しいの!!」
「…なんで?!」
「こ、怖いから!!我慢してたけど…もう無理!」
「け、けどなぁ…?」
「む〜…いいの!」
「お、おい!」
ミーシェは優の手を強引に引っ張った。
「…これで…大丈夫…!」
ミーシェはガッツポーズを作る。
「っ…!」
「ユウ?」
可愛すぎかよ…!
本気で怖かったのだろう。ミーシェの手は冷や汗で少し濡れていた。
でも…
「温かいな…。」
「え?」
「お前の手。」
「…え?」
「…あ…。」
え?あれ?俺何言ってんだ?
「…」
「あ…その…今のは違うんだ!えっと…その…!」
「…ふふふ…ユウの手も…温かい…!」
ミーシェはさらに強く繋いでくる。
まだ初秋だ。暑い…。
「暑いな…。」
「そうだね…。」
しかし暑いのはそれだけが理由ではなかった。


「たく…君が走り回るから…。暗くてどこか分かりやしない…。」
「…ごめんなさい…。」
「ここは…。」
陸はスマホのライトで照らす。
「理科室…か。」
「り、理科室?!」
「ああ…。何かあるのか?」
「り、理科室って…お化け絶対出るじゃん!!」
「知るか。あ、そう言えば聞いた話だが…この学校の七不思議の一つは理科室にあるらしいな。」
「え?」
「なんでも夜な夜な人体模型が走り回るらしい。」
「そ、そんなの…嘘でしょ?!」
「噂だ。」
「…」
「ほら、とっとと保健室に行くぞ。」
「ま、待って!」
「ん?」
「理科室…覗いてみない?」
「馬鹿か君は。怖いんだろ?なのになんでわざわざ覗くんだ?」
「こ、怖いけど…見てみたいじゃん…!」
「…」
「ほ、ほら!あれよ!ほん怖って怖いけど毎年見るじゃない?あれと同じよ!」
「…はあ…。勝手にしろ…。」

ドクン…ドクン…
松山はゆっくりドアに手をかけた。
「ふぅ…ふぅ…」
「…」
「はあ〜…」
ガタガタ…
9月は風の季節。窓が風で音を立てた。
「いやああああああああああぁぁぁ!!」
「お、おい!…あ…」
ガターン!
松山は陸を巻き込み倒れた。
「痛たた…え?」
「たく…ただの風だ…。眼鏡がないな…。見えないんだ、探してくれるか?」
「…」
「松山?」
巻き込んで倒れたため、陸と松山の顔が近づく。
陸はメガネが外れたためそれに気づいていなかった。
「松山?どうした?怪我したか?」
「はっ!ご、ごめんなさい!大丈夫!」
「?、そうか…メガネを探してくれると助かる。」
「う、うん!あ、あった!はい!」
松山は近くに落ちていたメガネを差し出す。
「すまない、ありがとう。」
「う、うん!」
「よし…見えた。人体模型も定位置にあるようだし噂だな。」
陸は理科室の中からこちらを見る人体模型を見て言った。
「もういいだろ?行こう。」
「う、うん…。」




まさか夜の学校編がこんなに長くなるとは…。
次に続きますw
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コメント

  • かつあん

    だからミーシェの声が聞こえていたのか!
    小宮さん...ラッキーすぎ!(´-ω-`)ウラヤマ~

    1
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