腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが 特別編 〜美少女転校生と始める学園生活〜

けん玉マスター

8話 期末テスト開幕

校外学習を終えた2年1組の生徒は一週間後に控えた期末テストに向けて勉強に励んでいた。
「ここテストに出るからな。覚えとけよ。」
先生が黒板に書いたところを皆写し始める。
優もテスト前ということで寝ることなく黒板を写していた。
「スー…スー…」
「ミーシェさん、ミーシェさん。」
「スー…」
隣ではミーシェが気持ちよさそうな寝息を立てて寝ている。
優はミーシェの成績を考えて必死に起こそうとしているが全然起きない。
キーンコーンカーンコーン…
「お、もう時間か…じゃ、しっかり復習しとけよ。」
そう言って先生は教室から出ていった。
「ミーシェさん、ミーシェさん。」
「…んにゃ?」
「もう昼休みだけど…。」
「あ、ほんと?へへへ…寝ちゃってたみたい。」
「優、一緒に食べよう。」
「陸、ちょっとまってて。」
「あ、私も。」
校外学習以降、特に仲良くなった、ミーシェと陸と一緒に昼休みを過ごすのが日課になっていた。
「ミーシェさん、勉強しなくていいのか?」
「んー…そうだねー。あ、小宮くんのお弁当美味しそうだねぇ…。」
「…」
「ダメだこりゃ…。」
「ん?どうしたの?」
「いや…何も。」
「そう?小宮くーん、卵焼きちょーだい?」
「あ、ああ、いいよ。」
「わーい!ありがとう。いただきます。…うーん…小宮くんちの卵焼きは甘いんだね。」
「ああ、まあ。」
優と小宮は呑気なミーシェに少し不安を覚えたがきっと大丈夫だろうと気にしないことにした…

…のだが…。

「ユウ〜…小宮く〜ん…。勉強教えて〜!」
「ははは…やっぱりか。」
「だから勉強は大丈夫かと聞いただろ?」
「そ、それは…そうだけど…。」
「昨日の小テストの結果…隠してたでしょ?見せて。」
「え?あ、あれね〜…。ちょっと鼻かむのに使っちゃって…。」
「お、これか…。」
「あ、ちょっ!小宮くん?!」


第2回小テスト
2年1組  山田ミーシェ  
数学  1点

国語  3点

英語  2点


「せめて5点は取れよ!綺麗に1、2、3点じゃねぇか!」
「これは…酷いな…。」
「う、うう…。」
「はぁ…仕方ない。徹底的に教えるしかないな。優も手伝ってくれ。このままじゃ3年になれないぞ?」
「うう…。」
「この前の小テストでは100点とったろ?やれば出来るんだからやりなよ。」
「う…ユウまで…。そ、そういうユウは何点だったのさ!」
「俺か?俺は…」

第2回小テスト
2年1組  藤山優
数学  85点

国語  84点

英語  90点


「う、裏切り者ぉ!」
「前より上がってるな。」
「ああ、勉強したからな。陸はどうだった?」
「僕は…」

第2回小テスト
2年1組  小宮陸
数学  100点

国語  100点

英語  100点


「分かってたけど…すげえな。」
「小宮くん…あなたは本当に人間か?」
「ミーシェさん…キャラが…。」
「だってぇ!なんでそんなに取れるの?!おかしいよぉ!」
「逆によくそんな点数が取れるな。」
「り、陸!そんなこと言ったらミーシェさんが…!」
ミーシェは抜け殻のように机に伏している。
「あは…ははは…そうだよねー…。」
「だ、大丈夫だよミーシェさん!一緒に勉強しよう?!」
「ユ、ユウ〜…。」
「それは賛成だが…どこでやる?図書室は混むぞ?」
「そうだよねー…どこか良いところがあればいいんだけど…。」
「そ、それなら…!」


「お邪魔しまーす。」
「お邪魔します。」
小宮とミーシェは優の家に来ていた。
「本当に一人暮らしなんだな。」
「ああ、お茶でいいか?」
「あ、うん…。」
「大丈夫。しっかり勉強すればご褒美のケーキがあるから。」
「!…それは本当かね?!」
「ああ、だから頑張ろう?」
「うん!」
「全部酷いが特に数学だな。」
「す、数字は苦手でして…。」
「ん?掛け算ミスってるな…。まさかとは思うが…九九は出来るよな?」
「…へ?」
「「え?」」
「も、もちろん出来るし!やるし!」
「ほう…やってみろ。」
「え?い、今は気分じゃないって言うか…。」
「やるって言ったろ?」
「ミーシェさん、7×8は?」
「え?えっと〜…」


3分後
「58!!」
「いや、ちげえよ。」
「君…人間か?」
「ちょっ!失礼な!」
「てかよく高校行けたね。」
「ユ、ユウまで…。」
「はぁ…九九からか。間に合うのか?」
「うう…。」
「暗記しかないな。」
「間に合うか?」
「それはミーシェさん次第だ。」
「徹底的にやるしかないな。頑張ろう、ミーシェさん。…ミーシェさん?」
ミーシェはキッチンに立っていた。
「私ご飯作るね!みんな食べてってよ。」
「…」
「…ミーシェさん。現実逃避しないで…。」
「う…ひぐ…だってぇ!無理に決まってんじゃん!私だよ?!そんなの1週間で覚えるとか無理ぃ!!」
「そうか…。そう言えば夏休み補習があるんだったな。」
「え…。」
「ケーキは2人で食べるか?陸。」
「ああ、貰う。」
「う、嘘だよね?私の分もあるんでしょ?それに補習って何?私聞いてないよ?」
「ミーシェさんは聞いてないだろうな。毎年そうだからな。赤点とった生徒は補習がある。この学校では常識みたいなもんだ。」
「そ…そんな…。」
「ミーシェさん…。」
「ユウ…?」
「ケーキ食べちゃうよ?」
「ユ、ユウ?」
「夏休みは楽しいだろうなぁ…学校に行けて。」
「ユウ?!」
「それでもいいって言うなら俺は止めないよ。」
「え?ちょっと、どうしたの?」
「なあ、夏休み遊ぶのと補習で地獄を味わうの…どっちがいい?」
「ひ、ひい!す、直ぐに勉強をやらせて頂きます!!」

ミーシェは数学の問題と格闘を始めた。

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コメント

  • 勝長

    若干ユウが笑顔で怖いこと言ってるのを想像したw

    1
  • ノベルバユーザー206269

    ユウがミーシェに意外と意地悪してるwww

    3
  • たくあん

    あぁ…私も夏休み補修くらったなぁ
    すごく楽しかったよHAHAHA

    3
  • ペンギン

    いいですね!wこれからも、頑張ってください!応援しています!

    1
  • 垂直抗力(元ラノベ大好きサムライ)

    ユウの鬼畜な面が少しでましたね笑あと小宮様もミーシェをからかう感じがとても良い!それにミーシェもめっちゃ可愛い!作者様ありがとーございます!これからも3人を仲良く過ごさせてあげてください!これからも頑張ってください!応援してます!あとお体にはお気をつけて下さいね!

    1
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