覚えた魔法は異世界召喚魔法!?

もぐら

83話 帰ってきた者

83話

「頼れる奴ら?」

「あぁ、待っててくれ沙知」

 俺は、展開した魔法陣の中に入った。
 沙知にはかっこよく言ったもののみんなは協力してくれるだろうか?
 確かに言葉では協力すると言っていたものの相手が相手だ。ベリアルと同じ強さなんだ、命をかけてまで助けてくれるのだろうか?
 魔法陣から教室に出るとみんなは昼食をとっていた。

「みんな!」

 全員の視線がこちらを向く。前の俺ではこの視線は耐えられなかっただろう。

「いきなりなんだが力を貸してくれないか?」

「......」

「無理にとは言わない。相手はベリアルと同じ強さの敵だ。誰か1人でも来てくれると嬉しい」

 俺は初めてクラスメイト達に頭を下げた。期待はしていないけど1人でも来てくれれば幾分マシになる。

「なんだ、鏡もそんなことできるんだな」

 口を開いたのは五十嵐だった。

「仕方ねーな、ひと暴れしてやるか」

 すると、クラスメイト達は一斉に俺の前に来た。
 俺は困惑した。

「なんだ、行かねーのか鏡?」

「早く行こ!向こうが大変だから私たちを呼びに来たんでしょ」

 俺はみんなのことをみくびり過ぎていた。俺が感動していると教室の扉が開かれた。

「お前達は行く必要ないぞ」

 教室の扉を開いたのは内田だった。

「やっと見つけたぜ鏡」

「私の能力が使えないからだいぶ時間が掛かっちゃいました」

 教室に入ってきたのはあの3人組だ。



 その頃、タリア達は追い込まれつつあった。

「少しは力をつけたようだな浮遊剣士」

「くっ」

 戸村さんは攻撃を防ぐのにいっぱいいっぱいだった。ナノちゃんのテス君でサポートがあるもののダンジョンの狭さだ、100%の力を出すことができない。

「テス君、頑張ってなの!」

 タリアちゃんは少しずつバエルを追い込んでいる。夢ちゃんの戦闘復帰もあって2人いれば負けることはないだろう。

「姉弟子!あと少しです」

「はい、この調子で最後までいきます。あと、私はタリアです。姉ではありません」

「いえ、師匠の娘で同じ剣士ならもう姉弟子です!」

「えっ、お父さんと師弟関係なんですか?」

 みんなが戦っている後ろで私はみんなに魔法を付与している。

「テス君!」

 ルシファーと戦ってナノちゃんが叫んだ。狭いダンジョンで身動きが取りにくいため敵の的になっていた。

「よくやったなのテス君。時間は稼げたなの」

 私の隣の魔法陣から一夜くんが出てきた。一夜くんだけじゃない内田くん?他にも知らない人が2人出てきた。

「健二、久しぶりではないか!」

「アっアルベイト!」

続く

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