クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

502話 実感

(マスター、そろそろ中断した方がいいですよ。)
 ん?もうか?
(はい、もう修行を始めて2週間は経ちましたからね。)
 うわっ、結構経ってるな。最近ずっと宇宙船の中での修行だったから時間の感覚がズレてたな。
 よしっ、それじゃ、帰るか。
(その前に1度体を綺麗にされた方がいいですよ?髪とかボサボサです。)
 は、はい。分かりました。
 ナビに身だしなみのことを言われてしまう。確かにここ数日ずっと修行で風呂にも入らず睡眠もせずの状態だったからな。
 風呂に入る時間はあるか?
(はい、お風呂に入ることを考えてマスターに声をかけましたから。十分に時間はあります。)
 さすがナビ。頼りになるな。
 ナビのおかげで俺は、修行に没頭出来るのだ。もし、ナビがいなかったらきっと俺、死んでたな。
(ふふっ、そんなに褒めても何も出ませんよ。)
 褒められて嬉しくなったのか、ナビの声がいつもより高く感じる。と言うよりも鼻歌を歌ってる。
 俺は、ナビの鼻歌を聞きながら風呂に入る。
 そういえばナビはいつも俺を見守ってくれてるって言うけどきっとお風呂もそうだよな。なんか恥ずかしい。
(そこはあまり気にしてはいけませんよ。)
 いや、まぁそうなんだけど……あまり見ないでくれよ。
(分かってますよ、さすがにマスターも男の子ですからね。)
 分かってくれてるならいいよ。
 それから約1時間後。
 長めにお風呂に入り身支度も整え終えた。
 ナビ、どうかな?
(バッチリです。)
 ありがとう。
 よし、それじゃ、部屋に戻るか。
 俺は、部屋へ繋がるゲートを出し現実世界へと戻ってきた。
 おお、結構懐かしい。
(実際には2時間ほどしか時間が経っていませんのでご注意を。)
 ああ、そうだな。
 俺は、既に2週間の時間を過ごしているのだがそれは空間世界の中での話だからな。
 現実世界と空間世界の時間の差。
 ちゃんと注意をしていかないとな。
 俺は、そんなことを思いつつ部屋を出る。
 すると少し遠くから多人数の声が聞こえてくる。
 誰の声なのかは判別できないが忙しそうにしているのは分かる。
 俺もなにか手伝えることがあるかな。
 俺は、そう思い声のする方へ向かった。
 するとそこにはメイドさんの人や執事の人が右へ左へ動いていた。料理をどこかへと運んでいる。
 俺は、ちょうど運び終えて戻ってくるメイドさんの1人に声をかけた。
「あの、俺もなにか手伝いましょうか?」
「へ?あっ!りゅ、竜斗様!?い、いえ!大丈夫ですよ。」
「でも、まだ運んでいる人多くいますよ?」
「ですが、これは私たちの仕事ですので。」
「俺がどれくらい役に立てるかは分かりませんがそれでも多少はマシになると思います。」
「で、ですが……」
「遠慮は結構です!俺は、ここに住んではいますがここの主では無いので。」
「………そこまで言われるのなら……お願いします。」
 メイドさんは、渋々といった感じで手伝いを申し出てきた。
 なんか頭を下げられるのは悪いな。俺の方からお願いしたのに。
 俺は、その後メイドさんに料理のある所まで案内された。
「ここからお庭の方へ運びます。」
「分かりました。」
「お願いします、竜斗様。」
 俺は、テーブルの上に置かれてある料理を2つ持ち庭の方へ運んでいく。
 庭の方では料理を運んでいるメイドさんや執事さん以外の人たちが飾りつけなどをしていた。その中にはシェレールたちの姿もある。
「こっちも凄い忙しそうですね。」
「そうですね。竜斗様、こちらを手伝わても構いませんよ。」
「いえ、ちゃんと最後まで料理の方を手伝います。その後に飾りつけの方も手伝いますので。」
 メイドさんとそんな話をしているとユイが少し慌てた様子でこちらへ来ていた。
「なんで竜斗が手伝ってるのよ!?」
「え?なんでって、忙しそうだったから。」
「いや、まぁ、たしかに忙しいけど……」
「大丈夫!料理を全部運び終わったら飾り付けの方も手伝うから!」
「そういうことじゃない!今日は、竜斗が帰ってきたからそのためのパーティなのよ!その主役がパーティの準備をしておかしいでしょ!?」
「ん〜………まぁ、俺が手伝いたいって言ってるし気にしないでよ。」
「はぁ………ホント、竜斗が帰ってきたって感じがするわね。」
 ユイは、深いため息を吐いたあと、優しい笑みを浮かべそう言った。
「全く、しょうがないわね。人数が多いのに越したことはないから手伝ってくれるのら助かるわ。」
「ああ、全力で手伝わせてもらうぜ。」
「ふふっ、頼んだわよ。」

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