クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

482話 したいこと

 俺は、避難者の見落としがないか確かめるため、転移を使わずに王城へと帰っていった。
 だが、行きと同じように避難者はどこにもいなかった。
 俺は、一先ず安心して王城へと帰る。
 王城に着いた時にはもう既に日が落ちていてあたりは真っ暗だった。
 時間が経つのは早いなぁ〜、とか思いながら王城へと入っていくとミラと瑠璃さんが2人してキョロキョロと何かを探しているような動作をしていた。
「2人とも、どうかしたのか?」
 俺は、なにか探し物なら手伝おうと思い声を掛ける。
 すると2人とも、俺の姿を確認するとどこか安心したような安堵の息を吐いた。
「もう、竜斗、どこに行ってたんですか?こんな時間まで。」
「こんな時間になっても帰ってこないから心配したよ。もうっ!」
 どうやら探していたのは俺だったらしい。
「ああ、悪い。少し遠くまで避難者がいないか見てきたんだ。帰ってくる時も確認のために転移を使わずに戻ってきたんだ。」
「そういうことですか。なら、良かったです。わざわざ調べてきてくださってありがとうございました。それで成果の方はありましたか?」
「いいや、避難者の方は誰もいなかった。まぁ、もっと遠くへ行けば分からないけど。」
「ん?避難者の方ということはそれ以外に何か成果があったのですか?」
「ああ。明日、直接見せるから楽しみにしててくれ。」
「今教えてくださらないのですか?」
 ミラは、頬をプクッーと可愛らしく膨らませてから怒ったような態度を見せる。
「こういうのは直接見てもらったほうが説明が楽なんだよ。だから、明日を楽しみにしててくれ。」
「………分かりました。それでは、竜斗は先にお風呂を済ませてください。私たちは食堂でご飯を食べていますので上がったら来てくださいね。」
「ああ、分かった。」
 俺は、そう返事をして2人と別れて風呂へと向かった。
 15分くらいでお風呂から上がる。2人を待たせているのでなるべく早く上がったがちゃんと温まったので文句は言われないだろう。
 俺は、着替えた後、ミラに言われたように食堂へと向かった。
「ごめんね、待たせちゃって……って、ご飯食べてないの?」
 俺は、2人が座っている席に行くとテーブルには何も無かった。
「りゅーくんなら、どうせ私たちを待たせちゃってるって思って早く上がってくると思ったからね。」
「それなら3人で一緒に食べた方がいいと思い待ってました。」
「そんな……わざわざ待たなくても……」
「私たちが待ちたいって思ったから待ったんだよ。料理は冷めないようにアイテムボックス中に入ってるから安心してね。」
「…………ありがとう、2人とも。それじゃ、食べよっか。」
 俺は、2人にお礼を言って瑠璃さんのアイテムボックスから出される料理を並べていく。
「なんか、今日はやけに料理が多いな。」
「「っ!」」
 俺がそんな発言をすると2人は、ビクッと体を震わせた。
「ん?」
「き、気のせいじゃないでしょうか。」
「う、うん、気のせいだよ、気のせい。」
「う〜ん……まっ、そうだよな。」
「もしかして、食べきれませんか?」
「いや、お腹すいていたからたぶん食べられると思うよ。何より捨てるのはもったいないしね。」
「そ、そうですか。なら、良かったです。」
 俺たちは、それから取り皿と箸を用意して席に座り合掌をしてから食事を始めていった。
「りゅーくん、このきんぴらごぼう、美味しそうじゃない?りゅーくん、昔はきんぴらごぼうが好きだったよね?」
「あ〜、そのことはよく覚えてないけど、本当に美味しそうだね。それじゃ、これを食べてみよっかな。」
 俺は、そう言ってきんぴらごぼうに箸を伸ばす。
 だが、その途中にミラが慌てたような口調でこう言った。
「りゅ、竜斗!このほうれん草を使った和え物も美味しそうじゃないですか?」
「あ、ああ、確かにそうだな。」
「ですよね!なら、これを1番に食べた方がいいですよ。」
「み、ミラさん!横入りはずるいです!」
「ずるくなどないですよ〜。」
「……………2人とも、料理に何かしたのか?」
 俺は、目を細めてそう尋ねてみた。
「……………うぅ」
「実は………」
 その後、2人から色々と事情を聞いてみた。
 どうやら、今夜の夕食はミラと瑠璃さんが作ったらしく俺がどれを1番に食べてくれるのか競っていたらしい。
「全く………どうして急にご飯なんか作ろうとしたんだ?」
「ど、どうしてって……この頃、りゅーくんはずっと働き詰めだったから少しはお礼をしたいなって思ってて……」
「お礼?なんで?俺は、2人のためにやってるわけじゃないぞ。それにこれは俺のしたいことなんだからあんまり気にしないでくれ。」
「竜斗にお礼をすることは私たちのしたいことです。だから、あまり大したことは出来ませんが少しだけでもお礼はしたいです。と言うよりもさせてもらいます。」
「…………分かった。それじゃ、お言葉に甘えて少しはこの料理を堪能しよっかな。ありがとう、2人とも。」
 俺が2人にそう言うと2人は、照れたようにでも、嬉しそうに笑っていた。

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