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クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

469話 心配

「竜斗っ!」
 部屋の中からミラが現れたと思いきや、俺を見るなりいきなり飛びついてきた。
「み、ミラっ!?」
 俺は、咄嗟に体でミラを支える。
「良かったです。本当に良かったです。」
「ご、ごめんな、心配をかけたみたいで。」
 ミラは、涙を流しながら俺の胸に顔をスリスリと擦りつけてくる。
「本当です。本当に心配して………」
 ミラは、涙声でそう言って俺に抱きつく力を強めた。
「でも、良かったです。無事に帰ってきてくださって………」
「無事………では無いかもしれないけどな。」
 俺は、ミラの言葉に苦笑しながらそう答えた。
「え………っ!?りゅ、りゅ、竜斗っ!?ひ、左腕が………」
「ちょっと色々あって左腕がなくなっちゃってな。それで治療とリハビリをするためにすぐに帰ってこられなかったんだ。」
「色々ってなんですか!?左腕をなくすくらいのことがあったんですか!?曖昧にしないでちゃんと話してください!」
 ミラは、俺の襟を掴みブンブンと振って尋ねてきた。
「ちょ、そんなに揺らさないで!ちゃんと話すから!」
「ホントですか?」
「ああ、ほんと、ほんと。」
 まぁ、ここまで心配させちゃったんだ。話す必要はあるだろう。
 それに向こう側の返事も伝えないといけないしな。
「なら、早速聞かせてください。」
「あ……えっと………」
「ん?ああ、そういうことですか。グルーズさん、竜斗を案内してきてくださりありがとうございました。戻ってください。」
「え……は、はい。」
 グルーズさんは、一瞬、ここで帰らせるの?という顔をしていたがミラの言ったことなのですぐに返事をして踵を返した。
「とりあえず部屋の中に入ってください。お茶を出しますので。」
「あ、それくらい俺が………」
「竜斗は、座っててください。」
「はい。」
 なんかものすごい睨まれたんだが……
 俺は、ミラの部屋に入り大人しく椅子に座った。
 瑠璃さんは、透明化でミラには見えてないのでまずは俺の後ろに立ってもらった。
「紅茶です。」
 ミラは、いい匂いがする紅茶を綺麗な所作で俺の前へと置いてくれた。
「あ、ありがとう。」
「どういたしまして。」
 ミラは、俺にそう返事すると俺の向かい側の椅子に座り自分用にいれていた紅茶を1口飲む。
 俺もミラの所作を真似しながら1口飲む。
 ミラが綺麗な姿勢で美しく飲むから俺は少し緊張して体に力が入ってしまう。
「ふふっ、そんなに緊張なんてしなくていいですよ。楽にしてください。」
「そ、そう言って貰えると助かる。こういう堅苦しいのってあんまり得意じゃないからね。」
「皆さんといた時はそんな作法なんて気にせず、楽しくやっていましたからね。」
「ああ、そうだな。みんな、今頃何してるんだろうな。」
「たぶん、竜斗の帰りを待ってますよ。主にシェレール、クロムさんですね。」
「そうだと嬉しいなぁ。まぁ、みんなが楽しく過ごせてるようならいいんだけど。」
「竜斗は、本当に優しいのですね。………それで話は逸れましたがその左腕はどうしたのですか?」
 ミラの雰囲気が一転して目を鋭くさせて俺を見る。
「こ、これは………」
「今さっきも言った通り、曖昧にせずちゃんと話してくださいね。」
「あ、ああ。」
 俺は、腹を括りこれまでに起きたことをミラに話すのだった。

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