クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

466話 愛情?

 今日はミラの星に行く日の夕暮れ時。
「はぁ〜、なんだかドキドキしてきた。」
 瑠璃さんは、朝から少しソワソワとしていて落ち着いていなかった。
 まぁ、知らない星に行くからそりゃ当然か。
「大丈夫だよ。あっちには悪い人はいないから。」
「その言い方だと私たちの星の人たちに悪い人がいるみたいな言い方だね。」
「そ、そういう意味で言ったわけじゃ……」
「ふふっ、分かってるよ。ルリ、視察は頼んだよ。」
「は、はい!頑張ります!」
「………それじゃ、一旦サヨナラだね。この前も言った通り、あんたたち2人は、もう私にとって家族同然だからね。ちゃんと帰ってくるのよ。」
 フリルさんは、そう言うと俺と瑠璃さんの首に片方の手を回して2人同時に抱きしめた。
「……………」
 この感覚………これが愛情?
 抱きしめられた時、何か温かいものを感じた。
 本当に暖かくて……暖かくて……心が安らぐようなそんな気持ちだ。
 シェレールから抱きしめられた時にも暖かさを感じた。クロムの時も。
 でも、今のフリルさんのはそれとは異なった暖かさだった。
 どちらかがいいとかそんなのは分からない。とにかく心の底がホッとするような暖かさだったのは間違いない。
 だけど、俺はこの暖かさの正体を知らない。分からない………ような気がする。
 もし、これが家族からの愛情なら俺が知っているわけが無いのだから。
「…………よしっ、それじゃそろそろ行ってもらおうかしら。」
 フリルさんがそう言うと後ろに控えていたメイドさんが1つの箱を持ってきた。
「本当は宇宙船で行ってもらうんだけど今回はこの2人だけだし宇宙船を操縦できる人がいないからね。特別にこれを貸してあげる。」
 フリルさんは、そう言って箱の中を開けた。
 箱の中に入っていたのは俺がここに来た時にあの男が使っていたボタンともう1つ、違うボタンが入っていた。
 フリルさんは、その俺の知らないボタンを持ち上げた。
「これは私たちが戦争をしている星に行くことが出来るボタン。」
「そんなものがあるんですか?」
「前にも言った通り、あっちの星には私たちも何回も行ったことがあったのよ。その時に使っていたのがこれ。これを使うにはその人が信用に足る人だけということになってるのよ。そして、2人は、その信用はちゃんと私たちから得ている。だから、使っていいの。はい、竜斗くん。」
 フリルさんはそう言うと俺にそのボタンを渡してきた。
「ありがとうございます。」
 そして、もう1つの方のボタンを持った。
「そして、こっちが私たちの星に帰還する時に使うボタン。」
「それは俺も知ってます。ここに来る時に見ました。」
「そうでしょうね。それじゃ、これも渡しておくわね。」
 フリルさんは、もう1つの方のボタンも渡してくれた。
 そのボタンは、俺のアイテムボックスの中でしまっておく。
「うんっ、これで渡すものは全て渡したわ。あとは、帰ってくるのを待つだけ。」
「絶対に帰ってきます。」
「待っててください。」
「ええ、いくらでも待ってるわよ。」
「それじゃ、行ってきます。」
「行ってきます、フリルさん、それにほかの皆さん。」
 俺と瑠璃さんは、みんなに頭を下げたあと、手を繋いだ。
 瑠璃さんの手には緊張の表れか、汗をかいていた。それに力もだいぶ伝わってくる。
「…………ちゃんと守るから。安心してね。」
 俺は、瑠璃さんにだけ聞こえる小さな声でそう言った。
「っ!は、はい。」
 俺は、その瑠璃さんの返事を聞いてからミラの星へ行くためのボタンを押したのだった。

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