クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

464話 そろそろ帰宅

 竜との戦いからだいぶ時間が経ち、ようやく俺は普通に動き回るようになった。
 ここまでちゃんと動けるようになったのは瑠璃さんのおかげでもある。毎日、俺の回復具合を観察してリハビリのメニューを考えてくれたのだ。
 フリルさんにも色々と助けてもらった。俺のリハビリが出来るように場所を取ってくれたり瑠璃さんにバレないところで筋トレの相手もしてくれた。
 ほかにもこの王城で働いている執事やメイドの人たちからも支えてもらいもう、すっかり仲良くなった。
 この王城の人たちには感謝してもしきれない。
 …………でも、そろそろこの星を出ないとな。
「ミラたちの星に話し合いができないかフリルさんに確認しなくちゃな。」
 もし、まだ無理だと言われるのであれば一旦、俺をミラのいる星まで帰してもらおう。
 俺は、そう思いフリルさんの部屋まで向かった。
 フリルさんの部屋にノックすると入っていいと返事がありそれを聞いたことをしっかりと確認して部屋の中に入った。
「失礼します。」
「竜斗くんか。どうしたんだい?」
 フリルさんは、真面目に机に向かって何かを書いていたのを止めて俺の方に視線を向けてくれた。
「すいません。忙しかったですか?」
「全然大丈夫だよ。私もそろそろ休憩しようと思っていたところだから。それでどうしたんだい?」
「えっと………俺がここに来た目的、覚えていますか?」
「目的……今、戦争中の国と和解をして欲しいってことだったよね?」
「はい、その通りです。もし、それが叶うならそろそろ行って欲しいんですが……」
「ふむ……竜斗くんには悪いけどまだこっちの意見は固まってないんだ。竜斗くんが私たちの信用にたる人間であることはもうこの王城にいる誰もが認めている。でもね、前にも話した通り、私たちは何度も相手の国の人たちを殺してきた。それがある限り和解することが可能なのかどうなのか分からなくてね。」
「………そうですか。ですが、これは言っておきます。俺は、どちらの味方になるつもりも敵になるつもりもありません。俺か今、望んでいるのはみんなが笑って暮らせるような世界です。」
「そうだったね。……みんなが笑って暮らせるような世界………竜斗くんはどう思うかな?私たちの国は、敵に責められてない。だから、しっかりと笑えているかな?」
「………俺は、そうだとは思えません。最初に来た時のあの張り詰めた空気はずっと気を張っている証拠です。」
「確かにそうだね。私も戦争が始まってからゆっくりと眠れた日はないね。」
「………和解の件、まだ決められていないのならいいです。」
「そうなの?私的にはすぐに決めてくれって言われると思ったんだけど?」
「まだ決められていないということはしっかりと考えてくれている証拠でもあります。ちゃんと考えてくれて俺としては嬉しいです。」
「ふふっ、確かにそういうふうな解釈もできるね。」
「それで話は変わるんですが……俺を一旦あっちの星に帰してもらってもいいですか?」
「ん?どうして?」
「一応、あの国にも俺の知人はいましてもう、1ヶ月以上も音沙汰がないとなると心配するでしょうから。」
「あ〜、確かにそうだね。………分かった。」
「ありがとうございます。」
「だけど、その代わり、ルリを一緒に連れて行ってあげて。」
「瑠璃さんを?」
「ええ、私の代わりに向こうの星の人たちと触れたり話してもらったりするの。」
「ああ、そういう事でしたか。分かりました。瑠璃さんも一緒に連れていきます。……って、瑠璃さんがいないのにこんな話してもダメですね。ちゃんと瑠璃さんに話をしてからOKを貰ったら一緒に行きます。」
「その点は、私はなんにも心配してないんだけどね。まぁ、でも、そうね。ちゃんと話しておかなきゃね。じゃあ、出発は明後日でいいかしら?明日は私ちょっと忙しいのよね〜。」
「大丈夫です。それじゃ、俺は今から瑠璃さんに話をしてきます。」
「ええ、お願いね〜。」
「はい。失礼しました。」
 俺は、礼をしてフリルさんの部屋から立ち去った。

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