クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

458話 時間魔法の実践

 瑠璃さんたちが去ってからどれくらい時間が経ったのだろうか。
 10分?30分?1時間?それよりももっと?それともまだ数分?
 俺は、戦いに集中して時間の感覚など既に無くなっている。
 分かるのは今、俺と竜の体には傷がたくさんあるということとどちらとも息が上がっているということだけだ。
 ちゃんと戦えてる。俺もだいぶ怪我を負っているが一方的にやられているということではない。
 だが、お互い勝負を決める有効打が当たらない。
 これ以上長引かせたらどちらかの体力が切れてそいつが負ける。
 …………勝負に出るしかないか。
(ダメです、マスター。今、希望を持つ者を使っても勝てる可能性は低いです。戦っているマスターが1番わかっているはずです。)
 だが………今の状態だとどちらかが負けてもおかしくないんだ。
(ということはその力を使って自分が先に体力を尽きたほうがいいとでも言うのですか?それで負けても仕方なかったからですか?)
 うぐっ………
(マスターは、強い人です。諦めないでください。確かにマスター1人にこんな重圧を掛けるのは間違いなのかもしれませんが……マスターが負ければこの竜は、お腹を空かせて街へと出るかもしれません。そうなればどれくらいの人が死ぬのか分かりません。)
 …………本当に重圧を掛けてくるな。俺、そんなにプレッシャーに強いほうじゃないんだけど。
(マスターを信じていますからね。)
 さらにプレッシャーを掛けてきた。
 でも、確かにそうだ。今から希望を持つ者で力を上げても勝てる可能性なんてない。これは、本当に勝てそうだって時に使わないと。
 だからといってこれ以上ぶつかり合うのも好手とは言えない。
(マスターは、前の竜王戦のとき違うと思いますよ。)
 ん?違うって何が?ステータスとかそんなに変わってないんだけど?
(ステータスが変わってなくても魔法の上手さが変わっているはずです。時間魔法、それを使えばどうにかなるんじゃないんですか?)
 …………でも、まだ実践での経験が浅いしそれほど上手く使える訳でもない。
(そうですか?私目線から言わせてもらうともう十分に使えると思うんですが。マスターは、このごろ実践をする機会がなくて時間魔法を練習でしか使っていなかったからそう思うだけですよ。)
 う〜ん、そうかなぁ。
(物は試しです。このまま体力を削られるよりかは遥かにマシです。)
 ………そうだな。
 俺は、そう思い、少し意識を集中させる。
 時間魔法は、一定の場所を自分以外止めることが出来る。
 前までは止められても1秒や2秒くらいで竜王クラスにでもなるとそんな一瞬じゃ何も変わらない。それに時間魔法は1度使うと次使うのにだいぶ時間がかかるのだ。だから、戦闘ではあまり意味をなさなかった。
 だが、ナビの言う通りなら………
「………ふっ!」
 俺は、時間魔法を使う区域をある程度決めて魔法を放つ。
 この区域を決めるのにもだいぶ苦戦するのだ。平面だけではなく空間を抜き出さないといけないので平面に高さが加わると難しさは何十倍にも跳ね上がる。
 だけど………
(上手くいきましたね。)
 あ、ああ………
 本当に上手くいったのか竜の動きや周りの植物、今さっきまで吹いていた風も全て止まり俺だけが動ける場所となった。
 上手くはいった。
 だけど、あと何秒持つか分からない。
(マスター、これで決めてください。あれの許可も許します。)
 お、おおっ!本当か!
 俺は、時間がないと思い早速希望を持つ者の力を引き出した。
 すると今さっきまで疲労感で鉛のように重かった体が軽くなった。戦う前よりも元気な状態だ。
 ナビは、持って1分と言っていたな。なら、すぐに決めてやる。
 俺は、そう思い大剣を持ち竜王に振りかぶるのだった。

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