クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

451話 伝えたかった想い

「…………ん………んん………」
 俺は、外から入ってくる日差しによって今が朝と分かりゆっくりと瞼を上げる。
「………ふわぁ〜………」
 起きてみるとそこはよく知らない部屋だった。
 ああ、そうだ。たしか俺、瑠璃さんの寝室で一緒に使わせてもらうことになって………
 ん?なにか当たってる?
 俺は、右肩に違和感があったのでそちらを見てみる。
「……す〜……す〜……」
「……………ん?」
 隣には瑠璃さんが俺にベッタリとくっついて眠っている。
 ああ、甘い香りがする。やっぱり、女性ってみんないい香りがするものなのかな?
 シェレールもクロムもミラもみんな、それぞれ違った匂いだったがいい匂いだった。女性フォルモン的なものなのかな?
「って、俺、何変なこと考えてんだろ。」
 まだ寝ぼけているのだろう。
 一旦体を離そう。
 俺は、そう思ってちょっと移動しようとしたが
「……ん〜……りゅ〜く〜ん……」
 おっと、これはいけません。
 腕をぎゅっと掴まれて動けない。それにさっきよりも密着して寝息が掛かるくらいの距離になってる。
 今日は、フリルさんのお手伝いをするって言ったから早く起きなきゃな。
 仕方ない。起こすか。
「瑠璃さん、起きて。」
 俺は、そう言いながら体を揺する。
「んん………」
「もう朝だよ〜……って、うわっ!?」
 俺が起こしていると瑠璃さんが寝ぼけて俺の首周りに手を回し押し倒してきた。
 俺は、瑠璃さんにあまり衝撃が加わらないようにと咄嗟に手を瑠璃さんの背中に回した。
「っつ!」
「………ん………」
 衝撃は抑えたといってもこれだけ動けば瑠璃さんも目が覚めてしまう。
 瑠璃さんは、ゆっくりと瞼を上げると俺とバッチリ目が合った。
「…………おはよう。」
 俺は、なるべく笑顔で挨拶をした。
「……おはよう………ん?」
 瑠璃さんは、まだ寝ぼけているのか自分の状況を確認している。
「……りゅーくん?」
「ああ、そうだよ。」
「……抱きつかれてる?」
「う〜ん、抱きつかれているというより抱き合っていると言った方がいいだろう。」
「……ちゅーする?」
 どこからそんな言葉が出てきたのか。完全に寝ぼけてる。
 俺は、そんな瑠璃さんにちょっとイタズラをしてみたくなった。
「ああ、するか。」
「うん。」
 俺がそう返答すると瑠璃さんがすぐに頷いて目を閉じて唇を突き出し顔を近づけてきた。
「え?ガチで?いや!ちょっと待て!」
 俺は今、寝ぼけている瑠璃さんにイタズラをするんじゃなかったと後悔した。
 俺は、すぐに瑠璃さんの肩を掴みあと数センチでキスをしてしまうというところで何とか止めることが出来た。
「むぅ〜、キスするんじゃないの?」
「ご、ごめん!冗談だよ!ってか、瑠璃さん、そう簡単にキスなんかしちゃダメだよ!」
「そう簡単にじゃないもん。ずっとしたかったんだもん。」
「は?」
「りゅーくんが私の家から出て行っちゃったあと、ずっとずっと寂しくて……りゅーくんといた時が1番私の中で幸せだったの!だから、昨日会えた時はすっごい嬉しくて……本当に嬉しくて………う……うぅ……」
 瑠璃さんは、話しているうちに涙がポロポロと零れ出した。
「いっぱい話したいことあるの……いっぱい伝えたい想いがあるの……ずっとずっとりゅーくんのそばにいたいの。」
 俺は、この時ようやく理解した。
 瑠璃さんの苦しみや辛さ。
 俺が出て行ったあと、瑠璃さんは寂しい思いをしていたんだ。それは昨日の夢で分かった。この寂しさは、ずっとなくなることは無く残ってしまっていた。
 そして、そんな寂しさを抱えたまま、この世界にやってきたのだ。たった1人で。
 フリルさんと会うまで瑠璃さんは、誰も頼れる人はいなかったのだろう。
「………瑠璃さん……いや、瑠璃ちゃん。寂しかったよね?」
「……うん………」
 瑠璃ちゃんは、ぎゅっと俺の服を掴みそう頷いた。
「ごめんね、すぐに気づけなくて。」
「ううん、ちゃんと分かってくれたならいい。」
「ずっと一緒にいてあげられなくてごめんね。」
「……これからはずっと一緒にいようね。」
「………ああ、そうだな。」
 俺のその返事で安心したのか瑠璃ちゃんは俺の胸に頭を乗せてスリスリと頭を擦りつけてきた。
「………ずっと……一緒……」
 瑠璃ちゃんは、嬉しそうな笑顔でそう言った。
 そのあと俺たちはゆっくりと………
「って、そろそろ起きなきゃフリルさんが待ってるよ!?」
 俺たちは、その後、急いで準備をしてフリルさんの部屋へ向かった。

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