クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!
442話 きっかけ
俺は、そう問われてから背筋を伸ばしまっすぐ女性を見つめてから口を開いた。
「俺からの要求はただ一つです。今、行っている戦争をやめて下さい。相手の国と和解をして欲しいんです。」
「…………やはり、そうか。」
女性は、鋭い視線で俺を見つめる。
「私たちは、戦争で相手の国の人を何人となく殺してきた。すでに私たちは相手の国からだいぶ憎まれているだろう。それなのにどうやって和解をすると言うんだい?君にはその考えがあるのかな?」
女性は、きつい言葉で俺を責めてくる。
確かにそうはっきり言われれば俺の考えは浅はかだ。俺は、攻め始めたこの国の人に和解を求めるようにすればきっとミラたちの国もすぐにそれを呑んでくれるものだと思っていたのだ。
だが、そうでは無いのだ。こっちの人が和解を求めたところで恐らくあっちの国は猛反対するだろう。仲間や家族、恋人を殺された恨みというのはそう簡単になくなるわけがない。根強く残るものだ。
「その様子だと私たちが和解を容認したら向こうの国も快く受け入れてくれると思っていたんだろう。」
「………はい。」
「ルリの友人にこういうきついことを言うのは少し心が引けるがこれも君のためだ。浅はか過ぎる。幸せというものは壊れるのは一瞬だ。だが、作るのには苦労するんだよ。」
「…………分かります。」
あの夢で見た限り、俺の幸せだった時代は一瞬で壊されてしまった。そして、また今の幸せを作るのにどれほど時間が経ったのだろうか。
「………もう1つ、質問してもいいですか?」
「なんだい?」
「なぜ、戦争を始めたんですか?あっちの国の人たちの話ではここの国から攻め始めたと言っていましたが、なぜです?」
「ふむ、それを説明すると少し長くなるのだが一言で例えると意見の相違だね。」
「意見の相違?」
女性の回答に首を傾げてしまう。
「ええ、そうよ。私たちとあっちの国は元々仲が良くて交流も多かったくらいなの。」
「ええっ!?そうなんですか!?」
「あっちの王様と私は昔はよく会って一緒に食事とかをしたものよ。」
「………それでどんな意見の相違があったんですか?」
「あの王様の娘にミラって子がいるの。」
ここでミラのことが出るのか。
「そのミラって子。色々な才能に恵まれているの。教えたりしたことはすぐに吸収しちゃってね。それにものすごく優しいの。だから、国民に愛されているしミラも愛しているの。」
うん、確かにそうだ。ミラの様子をずっと見てきたから少しは分かる。ミラがどれだけ街の人たちのことを想っているのか。
「………それで何があったんですか?」
「そんな優秀なミラだから婚姻関係を結びたい人が多くいるの。あっちの星の人はもちろん、それ以外にも多くの星からやって来るわ。」
「そ、そんなにですか。」
ここら辺は、星同士のやり取りが盛んなんだな。前居た星だったら考えられなかったな。
「それであっちの王様が勝手に1人でミラの婚約相手を決めようとしたの。それを私が注意したら少し喧嘩になっちゃってそれから火種はどんどん増していって今に至るわ。」
「………………………」
えっと、要するにミラの結婚が問題だったってこと?
俺は、その瞬間、頭の何かが切れた音がした。
「………ふ………ふ………ふ………」
「ふ?」
「ふざけるな!」
俺は、そう叫んだと同時に立ち上がる。
「っ!?」
俺が怒鳴った瞬間、女性は、驚いたように目を見開いた。
「なんだよ、その理由!なんでそんなことで喧嘩してんだよ!馬鹿かよ!?その結婚はミラの問題だろ!確かにミラに黙って決めようとしてた王様が悪いよ?でも、そんなことでいちいち喧嘩なんかしてんじゃねぇ!ミラは、もう立派な大人だ!ミラの結婚相手くらいミラ自信で決めれる!なんで関係ないあんたらが出てこんな騒動を起こしてんだよ!ふざけるのもいい加減にしろ!」
俺は、そこで一旦乱れた呼吸を戻すため少し間を置く。
「………なんで………なんでそんなことで喧嘩なんかしてこんな争いを起こして……人まで殺して………」
俺は、今までのミラの苦悩の日々を思うと悲しくなるのと同時に怒りが襲ってきて涙がポロポロと流れ落ちてきた。
「…………すいません、取り乱してしまって。」
俺は、その後、一旦落ち着きを取り戻すためソファへと腰を下ろして深呼吸をしてからもう一度女性の方を向いた。
絶対に終わらせてやる。こんなくだらない戦争を。
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