クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

438話 相手の親玉

 男は、1度扉をノックして返事の後、扉を開ける。
「失礼します。例の男を連れて来ました。」
「うん、ありがとう。そこに座らせて。」
 中にいたのは高級そうな椅子に座っていた俺より少し年上くらいの綺麗な金髪をした女性だった。結構温和そうな女性だ。
 その女性の周りにはメイドが十人程度立っていた。
「ほら、突っ立ってないでそこに座れ。」
 男は、小声で俺にそう話し掛けてきた。
「アル、そういう言い方をしちゃダメだよ。その人はお客様なんだから。」
 あんな声でも聞こえたのか。すごい耳の良さだな。
「す、すいません。」
「分かってくれのなら良かった。」
 その女性は、柔和な笑みを浮かべて部下の失敗を許した。
 こんな人が戦争なんか起こそうとするのか?もしかしたら他にも怪しいやつがいるかもな。
 ナビ、俺は話に専念したいからこの人の裏に何かあるのだとしたら教えてくれ。
(分かりました。)
 俺は、ナビにそうお願いしたあと、椅子のある場所まで向かった。
「ここでよろしいでしょうか?」
「はい、大丈夫ですよ。座ってください。」
「失礼します。」
 俺は、一礼してそこの椅子に座った。
「すいません、急だったものでこんな菓子折りしか用意出来ませんでした。」
 俺は、そう言ってアイテムボックスからお手製のお菓子を取り出した。
 お手製といっても料理スキルを取得してからすぐに使ったからあまり上手く作れなかったけど。
「あ、わざわざありがとうございます。」
 女性は、笑顔で俺の差し出したものを受け取った。
「紹介が遅れました。俺の名前は柊竜斗と申します。竜斗と呼んでください。」
「…………え?柊……竜斗?」
「え?はい、柊竜斗ですが………何か?」
「い、いえ……あなたたち、竜斗さん以外全員部屋の外へ出なさい。」
「え?」
 なんだ、この人。急にみんな外に出すなんて。
 だが、そんな疑問を持っているのは俺だけなのか俺の後ろにいた男を始め、女性の後ろに立っていたメイドまでもが部屋の外へ出ていく。
「あの、どうかしたんですか?」
「………あの、ひとつ聞いていいですか?」
「え、あ、はい。構いませんよ。」
 なんだろう、なんかすごい畏まってるな。
「えっと……その……あなたはもしかして………異世界人ですか?」
「…………え?」
「………あの、どうなんでしょうか?」
 俺は、急にそんな事を聞かれて固まってしまった。
「あ、あの………」
「あ、すいません。………答える前にひとついいですか?」
「はい、なんでしょうか?」
「どうしてそのような質問をするのですか?」
「………そうですね、こちらが聞いたのですから答えなくてはいけませんね。」
 女性は、そう言うと一旦目を閉じた。そして、次の瞬間、女性の髪が綺麗な金髪から黒髪へと変わっていった。
「え…………」
 そして、目を開けた女性の瞳も蒼眼から黒い瞳へと変わっていた。
「……………髪と瞳の色が………」
 髪と瞳の色が変わった女性はそれはまるで………
「………日本人?」
「そうです。私は元々日本に暮らしていた大学生の逢坂瑠璃あいさかるりって言うんです。あなたの姿を聞いてもしかしたら日本人?と思い名前を聞いて確信しました。」
「えっと………逢坂さんが日本人………」
「はい、そうです。そして、あなたも日本人ですよね?………りゅーくん。」
「っ!」
 な、なんだ、いきなりすごい頭痛が………
「………やっぱり苦しんでいたんですね。…………ごめんなさい、助けてあげられなくて。」
 逢坂さんは、頭を抱えている俺を見て自分の行動を悔やむように悲しそうな目を俺に向けていた。
 本当になんなんだ……俺と逢坂さんのあいだに何があったんだ………
「でも、これからは守ってあげるからね、りゅーくん。」
 俺は、その言葉を最後に頭痛の痛さに耐えられず気を失ってしまった。

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コメント

  • AJEH

    できればハーレムなら幼馴染ポジがいた方がいいと思う

    0
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