クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

437話 試験

 俺は、男から貰ったボタンを押す。
 あ、そういえばミラを連れていくって約束したんだった………
 そう思った時にはもう俺と男の体は光に包まれていた。
 そして、目を開けた瞬間、目の前には大きな城があり、周りは豊かな緑に包まれていた。どうやら今、ここでは昼のようだ。
「………な、なぁ、一度帰ることは出来ないか?」
「はぁ?無理に決まってるだろ。ほら、行くぞ。」
 男の返答に俺は、帰った時のミラの様子を思い浮かべて冷や汗をかいてしまった。
「何をしているんだ、早く行くぞ。」
「あ、ああ……」
 仕方ない。ミラには土下座でもなんでもして許してもらおう。
 今は、ここで話をしてどうにか和解してもらわなくてはいけない。そのためにこの後のことなんて頭に入れないようにしないとな。
 俺は、切り替えて先を歩く男について行った。
 城の中に入るとそこには30人くらいのメイドと執事がいた。
「…………」
「…………」
 そのメイドと執事は、俺のことを見つつ何か色々と話していた。
 俺がどんな人物なのか見極めているのか?
(マスター、注意してください。)
 ああ、分かってる。狙われてるな。
 周りから殺気が伝わってくる。それはあのメイドと執事だけでは無い。ここから死角のところからも。要するにいつでも攻撃されると思っていた方がいいってことだな。
「っ!」
 後ろから何かが飛んでくる気配がして首を少し捻る。
 だが、目では何を見えることはなかった。
 でも、何かが飛んできたのは間違いがない。見えない攻撃ができる能力を持っているのか、それとも武器を見えなくする能力を持っているのか。どちらにしても厄介だな。
「……………」
「……………」
 俺が何かを躱したのを知ってか周りにいたメイドと執事がまたもやボソボソと呟き出した。
 そんな攻撃をされるも男は進んでいく。
 これは俺を試す試験ってところかな。仕方ない。付き合ってやるか。
 この後もどんどん進んでいくが殺気が止むことがなかった。もちろん攻撃も続いていった。
「まだ歩くのか?」
「まだ掛かるぞ。どうした、もうへばったのか?」
 男の顔は、そう言うとニヤッと笑った。
「いや、ただ聞いただけだ。」
「そうか、なら行くぞ。」
 男は、止めた足を再び前へと向いて動かし始めた。
 ………ん?
 これは………毒ガスだな。
 本格的に俺を殺しに来たか。
 まぁ、でもこれくらいなら体の周りに結界を張っておけばなんとかなる。
 俺は、大丈夫なのだがこの男は大丈夫なのだろうか。
「………………」
 でも、普通に歩いているな。
 自分たちの仲間には効かない毒ガスを作ることが出来るのか。それは結構役立ちそうだな。
 そのあとは、ずっと毒ガスが続いていき、もちろん俺に対しての攻撃も増えていった。
 ………………仕方ない。
 こちらからは何もしない気ではいたがなんだかこれをずっと相手にするのは面倒だな。俺の力を見たいのなら見せてやる。
 俺は、殺気を7割程度に出す。
「っ!」
 すると俺の前で歩いていた男も俺が殺気を出したことに気づきビクッと体を震わせていた。
 そして、俺の周りにあった毒ガスもみるみるとなくなっていった。
 まぁ、油断するつもりないから結界は解かないけど。
「どうした、案内を続けてくれ。」
 俺は、そう言って男を促す。
「………あ、ああ……」
 男は、絞り出した声のように頷いた。
 それから約20分くらい歩かされ続けた。その間、攻撃は全く来なかった。どうやら殺気が効いたようだな。
「ここだ。」
 男は、大きな扉の前で止まりそう言った。
 俺も男に続いて止まりドアを見上げる。
「さぁ、入るぞ。」
 男はそう言ってノックをして返事がしてから扉を開けた。

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