クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

435話 守りたい

 俺とグリーズさんが食料保管庫から今さっきいた場所まで戻ったのだがそこにいたのはガルさんだけでまだミラたちは帰ってきてなかった。
「悪いな、1人で待たせてしまって。」
「いや、大丈夫だ。」
 グリーズさんは、一言ガルさんにそう言った。
「ガル、この………えっと、名前はまだ聞いてなかったな。なんて言うんだ?」
 グリーズさんが俺のことに関してなにか言おうとしたようだが名前を聞いていなかったので俺に名前を尋ねてきた。
「そういえば答えていませんでしたね。私の名前は、竜斗。柊竜斗って言います。」
「柊竜斗?少し変わった名前だな。」
「あはは、よく言われます。」
 この世界で日本人の名前なんて普通は聞かないもんな。
「それで竜斗がどうかしたのか?」
 ガルさんが首を傾げてそう尋ねた。
「そうだった。この竜斗は、ミラ様が認めただけのことはある人物だったぞ。」
「ん?ただ、食料を持っていっただけだろ?確かにあの何もないところから物を出すのはすごかったが………それ以外になにかしたのか?」
「まず、食料保管庫を改造してくれた。」
「はぁ?改造?」
「ああ、前よりも随分と広くなった。さらになんとその空間の中では時間が全く進まないというのだ。」
「そ、それって本当なのか?」
 ガルさんは、俺の方を見てそう尋ねてきた。
 今さっきの自己紹介と随分と印象が変わったな。
「ガルは、案外すぐに普通に喋れるようになるから気にしないでくれ。」
 俺の考えがバレたのかグリーズさんがそう言ってくれた。
「そうなんですか。あ、それでガルさんの問の答えは、はい、ですね。確かに俺があの部屋の空間を広げて時間も進まないようにしました。」
 まぁ、空間魔法でただ部屋の入口に繋げただけなんだけどね。
「それはすごいな。」
「しかも、持ってきてくれた食料の量もものすごく多かったぞ。肉や野菜も用意してくれたからこれで少しはご飯の量も増やすことが出来るぞ。」
「そうか。それなら少しは街の人たちも満足してもらえるんじゃないだろうか。」
 グリーズさんとガルさんは、街の人たちのことを最優先に考えているんだな。ミラと一緒だな。
「そういえばミラ………様たちはまだ帰ってこないんですね。」
 危ない。ついミラのことを呼び捨てで呼ぶところだった。
 グリーズさんたちの前ではミラのことをちゃんと様付けしようと思っている。俺みたいなどこから来たかも分からないやつに自分の国の姫様を呼び捨てになんかされたら嫌だろうからな。
 まぁ、サラサたちのときはそんなこと注意してなかったから普通に呼んでいたけど。
「まぁ、久しぶりの再会だからな。ミラ様もすごく街の人たちのことを心配していたからな。」
「………あの、嫌なことを聞くので答えたくなければ答えなくていいのですが……やはり死者は多く出たのでしょうか?」
 俺がそう聞くと2人は、俯いてしまった。
 この2人の表情から俺の質問の答えが分かる。この世界を守る2人にとっては本当に嫌な質問だったのだろう。
 だが、これは聞いておきたかった。どれだけの人が苦しみ亡くなったのか。きっと亡くなったのはクロムやレーネやリルみたいな子どももいるのだろう。
「すいません、変なことを聞いてしまって。」
 俺は、悪いことを聞いてしまったと謝った。
「………いや、構わない。」
「……俺もこの街の人たちを精一杯守っていきます。みんなを笑顔にする。そのために俺はここに来ました。」
 俺は、今の自分の言葉を改めて強く思う。
 みんなを苦しませたくない。助けたい。
「ああ、一緒に頑張っていこう。」
「はいっ!」

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