クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

426話 回復

 ミラたちに休息を取らせた次の日。
「さて、昨日はゆっくりと休めたので今日はバリバリ働きますよ!」
 ミラは、いつにもまして気合十分だ。
 サラサたちもミラが元気になってくれたようでホッと安心していた。
「今日は、皆さんはいつも通りに散策範囲を広げて街の状況とこの星の住人がいたら連れてくることに専念してください。私と竜斗は、王城へ行き、今、王城では何をされているのかを見てきます。」
 これは、ミラの提案である。俺がミラのお父さんとお母さんが元気に働いていることを伝えたからそれを見に行って安心したいようだ。
 前は、こんな自分の願望を口にするだけですごい躊躇っていたのに今となってはこれも必要なことだからと言って俺にその意見を押し切るようになった。まぁ、別に俺は全く反対なんてしてないんだがな。
 ミラの変化は、いい方向に動いているようだ。それにつられて他のみんなもいい雰囲気だ。
「それでは皆さん、行動に移してください!」
 ミラは、一通り指示を出し終え行動に移すように促した。
 するとみんな、一斉に立ち上がり部屋を出ていき行動を始めた。
 ちなみにみんな、透明化の掛かった状態だ。俺は、初日にここに来て掛けた時から1度も解いてない。解く意味がなかったからな。まぁ、俺は、あの男と会うから毎日解いたり掛けたりしているが。
「竜斗、行きますよ。」
「あ、ああ、悪い。」
 ミラも出掛ける準備を済ませて俺を呼ぶ。俺は、出掛ける準備など特に必要ないので何も持たずに出られる。こういう時、本当にアイテムボックスがあるから便利だよな。
 俺がミラのそばに行くと俺は、ミラに向けて手を差し出す。
「え?あ、あの、これは?」
「転移するから手を繋いで欲しいんだ。」
「そ、そうでしたね。………手を繋ぐくらいもう平気だと思ったんですが………やはり慣れませんね。」
「まぁ、別に繋がくてもいいぞ。俺の肩に掴まるとか、要は、俺に触れておけば大丈夫だ。」
 俺は、そう言って差し出した手を下げた。
「ぁ…………」
「ん?」
「……じ、時間をあまり無駄にしてはいけませんね。すぐに行くとしましょうか。」
 ミラは、そう言って俺の肩につかまった。だが、その表情は少し寂しそうだった。
 俺は、少し引っ掛ったがあまり気にしない方が良さそうだったので俺は、気にせず王城へと転移した。
「さて、まずは探すとするか。」
「そうですね、ですがこの時間だと恐らく朝食の時間だと思うので食堂にいると思いますよ。」
「そうか。なら、食堂まで案内してくれるか?」
「はい、こちらです。」
 俺は、ミラの案内通り王城の中を進んでいく。
「ここが食堂です。」
 ミラは、ミラのお父さんとお母さんが眠っていた寝室と同じくらいの大きさの扉の前でそう言った。
 ミラは、そのあとゆっくりと扉を開けていき中の様子を見る。
「あっ、いました!」
 ミラは、コソコソとしていたからか声がだいぶ小さい。透明化をしているのでコソコソする必要も無いし声を小さくする必要も無いのに。
 ミラの声は小さいが少し嬉しそうに興奮していたのも伺える。
 俺は、そんな様子のミラに苦笑しながらミラの後ろから中の様子を見た。
 食堂の中は、多数の人が普通に朝食を食べていた。
「お父様とお母様がちゃんと食事をしています。」
 だが、そんな普通がミラにとって普通ではなかったようだ。
 俺がミラのお父さんとお母さんを治したと口で言っても実際、今のように動いているところを見ないと不安が拭えない。それを消し去るためにも今日、ここに来た成果はあるな。
「どうする、ミナ?もう少し見ておくか?」
「……………」
「ん?ミナ?」
「竜斗っ!」
 ミラは、俺の名を急に呼んで振り向いて抱きついてきた。
「ちょっ!?ミラ!?」
「嬉しいです!お父様とお母様が治って……本当に嬉しいです。」
「…………そっか。」
 ミラは、涙を流しながら喜んでいる。
 その後、ミラは、なかなか俺を離してくれずずっと抱きつかれたままだった。

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