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クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

425話 ミラの出来ること

 ミラに休暇を取るために説得した後、俺は、これからどうしようか考えていた。
 この頃、だいぶ質素なご飯だったから少し豪華にするか。やっぱり、腹が減っては戦ができぬって言うしな。
 正直、食材はだいぶ残っているからな。少し豪華にするくらい大丈夫だろう。
 さて、なんの料理をしようかな。
 と、今日の献立を考えているとミラからお風呂から上がった合図が来た。
 俺がゲートを開くと少し火照ったミラがやって来た。
「ゆっくり出来たか?」
「はい、私、だいぶ焦っていたみたいですね。竜斗のおかげで少し冷静になれました。」
「そっか。なら、良かった。今日はもう寝て体を休めろよ。」
「はい、竜斗はどうするのですか?」
 ここで、俺が料理をすることを言うとなんで俺が休まないのかって言われそうだな。
「俺も今日は休息をとるために寝ようと思ってる。」
「あ、あの………それでは少しわがままを言っていいですか?」
「ん?なんだ?ある程度のことだったら聞いてあげるよ。」
 ミラからわがままを言うとか珍しいな。
「あ、あの………わ、私が寝るまででいいので手を繋いでくれませんか?」
 ミラは、少し恥ずかしそうに顔を真っ赤に染めてそう言った。
「そ、その、たぶん私、1人になるとまた不安になると思うんです。でも………竜斗が隣にいてくれると心強いと言うかなんというか心が安らぐんです。」
「そ、そうか?まぁ、そう言うのなら………分かった。まぁ、ミラがちゃんと寝るか不安だったしな。」
「そ、それでは、お願いします。」
 ミラは、そう言って寝室の方へ向かった。俺もそれに付いて行った。
 ん〜、なんかこう、女の子の寝室に入るって少し悪いことをしているみたいで気が引けるな。まぁ、ミラからの要求だから仕方ないけどな。
 俺とミラは、寝室に入るとまずミラがベットで横になる。
 そして、そっと手を布団から出す。
「それじゃ、握るぞ。」
「は、はい、お願いします。」
 俺は、そっと手を掴み優しく握った。
「〜っ!」
「大丈夫か?顔が真っ赤だけど……」
「は、はひ!大丈夫です!」
 明らかに焦ってるように見えるけど……
「すぐに眠れるようにいつもの魔法、掛けるか?」
「い、いえ、なんだか、すぐに眠れそうですので大丈夫です。」
「そっか。…………ミラ、さっきは怒鳴ったりして悪かったな。」
 俺は、そう言ってミラの頭を優しく撫でた。
「さすがに怒鳴ることはなかったって反省している。だから、許してくれないか?」
「そ、そんな、私こそ、周りが何も見えていなかったのに竜斗に反抗してしまって……こちらが申し訳ないです。」
「俺、正直人にあんな風に怒鳴ったことなんてあんまりないんだよ。今は、全くないんだけど昔、よくイラつくことがいっぱいあったんだ。でも、怒ることなんてできなかった。自分が怒っていいのかって少し不安だったから。俺って結構臆病なんだ。でもな、それでも、ミラには怒鳴ったんだ。無理して欲しくなかったから。ミラは、俺にとって大切な仲間だ。それが倒れたりなんかしたらきっと後悔する。だから、ミラ、これからはあまり無理をしないでくれないか?」
「…………恐らく私は、またずっと無理をしちゃいます。竜斗に何度止められても。それほど私は、この星の人たちを助けたいと思っているんです。ですから、多少の無理は認めてくれませんか?」
「………それを許してしまうとミラは、ずっと無理をし続けるだろ?」
「…………はい。」
「まぁ、みんなのことが心配なのは分かるよ。でもな、それを見て不安になるのは周りなんだ。ミラが焦っているとみんなも心のゆとりがなくなる。だから、人の上に立つミラは、どしっと構えてみんなの心の不安なものを減らしていく必要があるんだ。」
「………元々、私なんかが皆さんの上に立つなんて出来なかったんですよ。竜斗みたいな力も何も無いのに………」
「ミラ、それは違うぞ。」
 俺は、そう言って握っているミラの手に力を込めた。
「ミラは、誰よりもこの星のみんなのことを心配している。そんなミラだからこそ、みんなはミラの指示に従って動くんだ。みんなを信頼させるその力、きっと今の俺にそれが出来るとしたらごく1部の人くらいだろう。でも、ミラならこの星の人たち全員にそれが出来る。ミラは、誇っていいぞ。自分の力を。」
「……竜斗にそう言って貰えるとなんだか心がホッとします。今の私は、無意味な存在なんかじゃないって思えますから。」
「当たり前だろ。もっと、自分を信じろ。…………分かっただろ?ミラには人の上に立つ力がある。だから、どしっと構えていろ。それだけでみんなは安心するんだからな。」
「………分かりました。もう少し、落ち着くとします。………ですが、もし、たま私が無理をしていたら竜斗、その時も私を止めてくださいね。」
「ああ、何度だって止めてやる。何度だって助けてやるよ。」
「ふふっ、お願いしますね。」
「って、結局ミラ、寝てないな。」
「あっ………ですが、今の竜斗の話はとても私のためになりました。もう安心できたのできっとすぐに眠っちゃいますね。」
「そうか。………まっ、念の為、魔法も掛けておくな。」
 俺は、そう言ってミラに魔法を掛ける。
 すると、ミラは、すぐにウトウトとし始めて5分も掛からずに眠ってしまった。
「さて、みんなが寝てる間に料理を作っちゃいますかね。」
 俺は、ミラの手を離して厨房へと向かった。

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