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クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

421話 強くなりたい

 男と別れたあと、俺は、もう一度ミラのお父さんとお母さんに異常がないかを調べ何も無いことが分かるとミラが眠っている部屋に戻った。
 ミラは、まだぐっすりと眠っている。
 俺は、もう眠気が去っていたのでアイテムボックスからコップを取りだし水魔法で水を注ぎそれを飲み干す。
「……ふぅ」
 俺は、一呼吸置く。
 もう眠たくはないので少し魔力を高めるための練習をする。
 練習といっても走り回ったり筋トレしたりするのとは違い全く場所を取らず体全身に魔力を巡らす感じにするだけ。
 今の俺の魔力は、元々あった魔力の半分もない。
 それほどに前使った神スキルの影響が強いのだ。
 今日だって、正直だいぶ無理をした。苦手分野の治癒魔法だったが前みたいな魔力があれば気絶はしなかった。それにもっと良く治せていた。
 俺がそう出来ないのはこの頃、練習を怠っていたからだ。シェレールたちとの日常に満足して何もしてこなかった。毎日毎日コツコツ練習していこなかった怠け者の俺だからシェレールは不安だったんだ。
「………こんな俺じゃ、誰も救えない。」
 俺は、握った拳に力を入れつつ体全体に巡らす魔力のスピードを上げた。
 場所を使わないとはいえ魔力をスピードを上げればやはり体力は使う。体力もだいぶなくなっている今は、これだけで息が上がり汗もかく。
 だが、こんなことで止めるわけにはいかない。
 俺は、時間も忘れて魔力トレーニングに没頭した。
「………と………うと…………竜斗!」
「っ!」
 魔力トレーニングをしているとミラが俺の肩に触れて俺の名を呼んだ。
「はぁはぁ……どうしたんだ?ってか、もう起きた………の………か………」
 俺は、ミラの方を向くと同時に目に光が入ってきた。
「あ、あれ?もう朝?」
 俺は、そう呟くも目に汗が入ってきて景色をあまり見ることが出来なかった。
「そうですよ。それよりもこんなに汗まみれでどうしたんですか?」
 ミラは、そう言って自分が持っていたハンカチで額の汗を拭ってくれた。
「いやぁ〜、魔力トレーニングに集中していてミラに声を掛けられるまでこんなにあ時間が経っていることに気づかなかった。」
 俺は、そう言ってあははと笑った。
「そうやって集中することはいいことですがあまり心配させるようなことはしないでくださいね?竜斗は、私にとっても………その………大切な人……じゃなくてっ!……恩人!そう恩人です!私にとって大切な恩人なのですから心配になるようなことはあまりしないでくださいね。」
 ミラは、頬を真っ赤に染めて慌てたようにそう言った。
 なんか、途中で言葉を濁していたけど……なんだろう?
 でも、なんかそこを追求して欲しくなさそうだしな。スルーしておこう。
「分かってるよ。誰にも心配されない人になる。それが今の俺の目標だ。もちろん、ミラたち全員を笑顔にさせるのも俺の目標の一つだよ。」
 そのためにも力が必要だ。強くなってもっともっと強くなって、みんなを笑顔にするんだ。
「………そうですか。」
 ミラは、今さっきまで赤かった顔がすっかりと戻り俯いていた。
「どうかしたのか?」
「い、いえ、なんでもありませんよ。少し考え事をしていまして。」
「ん?そうか?なら、いいけど。」
 俺は、そう言って立ち上がる。
「それじゃ、そろそろサラサたちの元に戻るか。いっぱい飯を食わせてやろうぜ。」
「は、はいっ!そうですね。」
「それじゃ、手を繋いでくれ。1度あの場所に行ったから転移が使える。それで行くぞ。」
「分かりました。」
 ミラは、そう言うとおずおずと手を差し出してきた。
 俺は、ミラの手をしっかりと掴みサラサたちのいる空洞へ行き、みんなに料理を振舞ってあげた。

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