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クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

419話 自滅

 男の拳を咄嗟に腕で受け止めそれを弾き飛ばした。
「ほぉ、今のを受け止めそれを跳ね返したか。貴様、なかなかの手練だな。」
「いやいや、そんなに戦闘経験なんてありませんよ?」
「ふんっ、俺の拳を受け止めたんだ。その辺の雑魚がそんなこと出来るわけなかろう。」
「いや、まぁ、確かに力には自信はあるが本当に戦闘経験なんてないぞ。戦闘のための訓練を始めたのが一年ちょっと前だからな。」
「ここまで来ると俺はだいぶバカにされてるようだな。」
 男は額に血管が浮き出るほどイラついている。
 本当のことを言っているのだがこれ以上は言わない方が良さそうだな。
 俺は、そう思いいつでも攻撃されていいように構える。
 だが、こっちからは絶対に攻撃しない。俺が構えるのは自身の保身のためだ。男を傷つけるつもりなんて一切ない。
「ふんっ、戦う気はあるようだな。貴様からの侮辱、全て貴様にぶつけてやる。」
 おお、怖え。すごい迫力だな。
 でも…………シェレールが怒った時の方がよっぽど怖い。
 俺は、シェレールの怒った時の表情を思い出すと背筋に寒気が走った。
 男は、思いっきり俺に向かって突進する。そして、俺との間合いに入ると拳を突き上げ思いっきり振り下ろす。
 俺は、それを左手で俺から逸らすようにして男からの攻撃を外させる。
「っ!?このっ!」
 男は、自分の攻撃が当たらなかったことに驚いたのか自分の拳を一瞬だけ見つめ、すぐにまた俺に向かって拳を振ってきた。
 俺は、今度は体の位置をずらすだけでそれをかわした。
「くっ!」
 男は、怒りのあまりか拳を適当に振り続ける。
 俺は、頃合を見計らい後ろに後退した。
「はぁはぁ……くそっ!くそっ!」
 今さっきまですごい冷静だったが今はそんな様子が全くない。この男は戦闘になると頭に血が上るタイプだな。
「待て待て、少し落ち着けって。俺は、お前と話がしたいだけだって言ってるだろ?別に戦う気なんて全くないんだよ。」
「うるさいっ!貴様が戦う気がなくともこっちはコケにされっぱなしなんだ。このまま、帰れるわけがないだろ!」
 仕方ない。ここは、力の差を明確にさせた方が早いかもな。
 俺は、自分が今出せる最大限の殺気を放った。
「っ!?」
 男は、俺から感じられる雰囲気が変わったのに気づいたのか自らの意思に関わらず、後ずさる。
 いい具合だ。これで最後にしよう。
 俺は、そう思って右手を空へ向けた。
 そして、こちらも被害が及ばない程度の最大火力の火の玉を作った。
「……な、なんなのだ、貴様は!?」
 男は、明らかに俺に対して怖がっている。力にはこうやって恐怖させる効果もあるのだ。
 俺は、作っていた火の玉を消してなるべく威圧するように男を見下ろした。
「これはまだ俺の力の1部だ。これを見ても俺とやり合う気があるのならやろうぜ。」
 俺は、そう言って構える。
「くっ!…………」
 男は、悔しそうな表情を見せ俯いた。
(マスター!早くあの男を止めてください。)
 ナビがそう言った次の瞬間、男が懐にしまっておいたナイフを取り出し刃の部分を自分の首元に向けて思いっきり振り下ろした。
「っ!」
 自滅か!
 男のそばにいき行動を止めていては遅い。なら、俺にやれることはこれだ。
 俺は、右手を前に出して光魔法を使い球体を作り出して男のナイフを握っている手に向かって放った。その光の玉は、日本で言う拳銃が放った弾と同じくらいの速さは出ていた。
 その光の玉は、ナイフを握っている手の甲を貫きナイフが喉に当たる前に地面に落ちた。
「ぐっ!」
 男は、傷を負った手を逆の手で抑える。
「悪い、本当は傷つけるつもりなんてなかったんだが、お前があんなことをするからな。」
 俺は、そう言って男に近づき首の後ろ側をチョップして気絶させた。
「ふぅ、何とか自滅は阻止できたな。」
 俺は、ホッと安堵の息を漏らしその後、男の他の武器も全て取り出した。

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