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クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

416話 お粥

 ミラside
「……………」
「……………」
 ど、どうしましょう、この状況………
 竜斗の看病をしていてつい、竜斗にくっ付いていたら竜斗が起きてちゃって寝たフリしてしまいました。
 それにその後、頭も撫でられて………
 〜っ!う、嬉しい……ですけどこの状況は予想していませんでした。
 きっとシェレールにも悪いですよね、これ。
 素直に起きていると言って謝りましょう。
 私は、そう思って目をうっすら開けたら竜斗が立ち上がるのが目の端に見えてつい、目を閉じてしまいました。
 このまま部屋から出て行くのなら良いのですが………
「さてと、ミラが目を覚ました時ようにご飯でも作って置こうかな。こういう時はお粥だよな。」
 料理ってことはこの部屋を出ますね。それなら料理から帰ってきた後に目を覚ましたと言ってそのままやり過ごしましょう。
 と、そんなことを私が思っていると竜斗は部屋から出て行く様子を見せず何やらゴソゴソとし始めました。そして、程なくして調理の音が聞こえてきました。
 こんなところで料理が出来るはずがないと思い、私はまたうっすらと目を開けて竜斗の方をチラッと見ました。
「ふんふんふ〜ん」
 竜斗は、簡易テーブルを置いてその上で色々な道具で調理をしていました。
 こ、こんなところで調理するなんて……
 で、でも、鼻歌をしている竜斗なんて初めて見ました。これは貴重です。
 ……………ダメですね。こんなコソコソやっていては。
 もう起きましょう。そして、竜斗に謝りましょう。
 私は、そう思い目を完全に開けて上半身を起こしました。
「りゅ、竜斗……その……」
「おっ、ミラ、起きたか?ちょっと待っててくれ。今、料理作ってるからな。」
「え、いや、その、違くて……」
「いいからいいから。」
 竜斗は、そう言って私の話を聞かずに料理をしていきます。
「…………」
 私は、竜斗の料理姿に魅入ってしまってそのままやり過ごしてしまいました。
 そして、程なくして竜斗は調理を終えてお米が少しドロっとした感じの料理を器に盛り付けて私に渡してきました。
「はい、お粥できたよ。熱いからちゃんと冷まして食べろよ。」
「あ、は、はい。」
 私は、それを素直に受け取りました。
「ん?どうしたんだ、ボッーとして。」
「い、いえ、何だか不思議な料理だなと思いまして。」
「あ〜、ミラたちはこの料理は知らないよな。これはお粥って言って胃に良くて具合が悪い時とかに食べるんだ。」
「そ、そうなんですか。」
「はい、このスプーンで食べてね。」
「は、はい。」
 私は、利き手にスプーンを持ってもう片方に竜斗の作ってくれたお粥を持ちました。
「それじゃ、いただきます。」
「わ、私も……いただきます。」
 私は、そう言って竜斗の方をチラッと見てみると1回すくったご飯を冷ますためふーふーと息をふきかけていました。
 それに倣って私もご飯をすくってふーふーと息をふきかけました。
 これくらいで大丈夫かな?と思い、1口食べてみます。
「あちっ!」
 まだ、冷ませていなかったのか舌にご飯が当たった瞬間、熱すぎて口から離してしまいました。
「大丈夫か!?」
「うぅ〜、あちゅいでしゅ。」
 私は、舌がヒリヒリするので上手く喋ることが出来ませんでした。
「火傷してないか見るぞ?」
「ふぇ?」
 竜斗は、私が舌を火傷してないか見るために私の顔を両手で支えて舌を見ました。
 ち、近い!ものすごく近いです!
 わ、私、変な匂いとかしてないですよね?
 あ、でも、竜斗からはものすごくいい匂いが………
「ん〜………火傷にはなってないかな。ミラ、まだ痛いか?」
「………………」
「ん?ミラ?」
「ふぁ、ふぁい!?」
「あ〜、えっと、まだ痛いか?って聞いたんだけど。」
「あ、しゅみません。まだ、しゅこしヒリヒリしましゅ。」
「そうか。ったく、ちゃんと冷ましてから食べてって言ったのに。」
「う、うぅ、ごめんなしゃい。」
 私が竜斗にそう謝ると竜斗は、私の顔から手を離しました。
 も、もしかして、嫌われたのでしょうか………
 私がそんなことを思っていると竜斗は、私のお椀とスプーンを持って1口分くらいすくいました。
 そして、竜斗自らふーふーと冷ましてまず、少しだけ竜斗が口に入れました。
「…………うん、これくらいなら大丈夫だろう。」
 竜斗は、そう言って私にスプーンを向けてこう言いました。
「はい、あ〜ん。」
「ふぇ!?」
「俺が悪かったな。お粥食べるの初めてなんだからどれくらい熱いか分からないよな。まぁ、でも、今回は俺が冷ましてあげたから食べられるよ。」
「…………」
 私、今きっと、顔が真っ赤です。
「どうしたんだ?食べないのか?」
「い、いえ!た、食べましゅ!」
 私は、そう言って口を開けました。
「……………あむ」
 今度、口の中にお粥が入っても熱いとは感じませんでした。
「どう?美味しい?」
「は、はい、とっても美味しいです。」
「そりゃ、良かった。ほら、次だ。」
「も、もう、1人で食べれますよ!?」
「ダメだ。今度こそ、火傷したらどうするんだよ。」
「で、ですが………」
 私が少し反対する言葉を探していると竜斗は、勝手にまたスプーンでお粥をすくって冷ましてから私に向けました。
「はい、今はなんでもいいからご飯を食べなさい。」
「う、うぅ〜、はい。」
 私は、諦めて竜斗から全て食べさせてもらいました。
 なんだか、お腹いっぱいにもなりましたし………心も嬉しさいっぱいになりました。

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