クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

411話 空洞

 俺たちが歩いていると時々、誰かの姿がちらほら見える。
「姿が見えないといってもやはり意識しちゃいますね。」
「まぁ、緊張感を持たないより持った方がいいと思うからそのまま進もう。」
「はい、そうですね。」
「ちなみに今のところ、全員ミラの敵なのか?」
「はい、私たちの星の住人ではありません。」
「そういうの分かるのか?」
「はい、あんな物騒な武器は私たちは保持してませんから。」
 確かに今のところ、見た人たちは全員武装していた。
「この星には武器がないのか?」
「争いが全くありませんでしたから必要としなかったのです。だから、今、こんな状態となっているんですよね。私の責任です。」
 ミラは、今までの自分の行動に後悔しているかのようにグッと握り拳を作った。
「落ち着けって。今、後悔したって仕方ないだろ。」
「………はい、そうですね。今は、自分の出来ることを最大限にやります。」
「ああ、そうだ。もう起こってしまったものは仕方ない。守ろうぜ、みんなを。」
「はい、もう絶対に何も失いません。」
 ミラの瞳に強い意志を感じる。
「それで目的地にはあとどれくらいで着くんだ?」
「あと少しです。ここから、少し分かりにくい道を通るので離れないでくださいね。」
「ああ、分かってる。」
 それからミラは、街道から外れたところを通った。そして、そこに合ったのは大きな滝だった。
「ここの隙間を通ります。」
「ん?隙間?…………ああ、確かにあるな。」
 最初は、隙間なんて分からなかったがよく見てみると滝の後ろが空洞になっていることが分かる。
「こんな空洞、よく見つけたな。」
「自分の身を守るのですからバレやすいところは意味がありませんからね。」
「まぁ、それはそうだな。」
 そんな話をしながら俺たちは、空洞へ入って行く。
「うわっ、だいぶ暗いな。」
「まだ、ここは外の明かりが少し入ってるから良いですが奥に行くともっと暗いので…………手を繋ぎましょうか。」
 ミラは、そう言って手を差し出してきた。俺は、少し照れながらその手を繋いだ。ミラの表情は暗くてよく分からないがなんの躊躇もなく出せたのだ。こんなことでいちいち照れないのだろう。さすがだ。
「………そ、それでは行きましょうか。」
 あれ、一瞬声が上擦っていたような………
「どうしたんですか?」
 あ、普通だった。俺の聞き間違いかな?
「ああ、悪い。」
 俺は、考え事をやめてすぐにミラに合わせて歩いた。
 ミラは、俺の手を繋いでいる逆の方の手を壁に当て壁に沿って進んで行く。
 10分ほど、進んで行くと1つの小さな光が見えてきた。
「おっ、あれか?」
「そうです。どうやら、もうサルサたちは来ているようですね。」
 俺たちは、その光のもとへ行った。するとそこには扉が設置されていた。
 その扉をミラは、ゆっくりと開けて中の様子を伺った。
「あっ!姫様!それに竜斗さんも!良かった、無事で。」
 サラサたちは、俺とミラの無事を確認するとホッと安堵の息を漏らした。
「すいません、遅くなりましたね。」
「いえいえ、こちらも先程着いたところ…………で………」
 サルサの言葉が途中で途切れた。
「どうしたのですか?」
 ミラは、不思議そうに首を傾げてサラサを見ていた。
 サラサたちの視線は、俺たちの顔から少し下に落ちていった。
 俺とミラも必然的にそれを追い掛け視線を落とした。
 そして、俺はようやく理解が出来た。
 ミラも顔を真っ赤にしているので理解が出来たようだ。
「こ、これは違いますよ!?手を繋いでいたのは竜斗がこの暗い空洞ではぐれない様にと思ったからです!」
「あ、は、はい、分かってますとも。大丈夫です。別に変なことは考えていません。」
 ミラの言葉にサラサが首を縦に振って分かっているそぶりを見せた。
「………ミラ、そろそろ手、離そうか。もう別に繋いでいる意味もないしな。」
 サラサは、ああ言っているものの視線がまだ完全には上に行ってない。手を繋いでいることに意識が行っているのだろう。
「は、はい、そうですね。…………」
 俺とミラの手が離れるとミラは、少し寂しそうにさっきまで俺の手を繋いでいた手を見つめた。
「…………そ、それじゃ、早速作戦会議といこうぜ!すぐに作業に取り掛かりたいからな!」
 俺は、妙な恥ずかしさを誤魔化すためみんなにそう言った。
「そ、そうですね。それでは、一旦席に座りましょうか。」
 ミラがそう言うとサラサたちも席に座っていった。
 俺は、ミラに手招きされミラの隣に座り作戦会議が始まった。

「クラス転移で俺だけずば抜けチート!?」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く