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クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

399話 片付け

「それじゃ、これでパーティは終わりとする。」
 俺は、そう言ってパーティの終了を告げた。
「よしっ!みんな、帰るから手、繋いでくれ。」
 俺は、そう言ってまず隣にいたシェレールとクロムの手を繋いだ。するとみんな、後に続いてどんどん手を繋いでいく。
 俺は、最後の人がちゃんと手を繋いでいるか暗視スキルを使い確認した後、転移のスキルを使って魔王城の庭まで転移した。
 そして、俺が解散の合図を告げるとみんな、魔王城に帰っていった。ミラは、今日は最後の夜とあって俺たちのメンバーでも特に仲の良かったルビー、白井、ユイ、と寝るようだ。シェレールも誘われていたが俺とも当分会えないので俺の方を優先したらしい。
「……………本当に良かったのか、シェレール?」
「ん?何がですか?」
「ミラたちと一緒に寝なくて。」
「………私にとって旦那様が一番大切な人なんです。ミラとの別れも悲しいですが……旦那様と当分会えなくなる方がよっぽど辛いので………旦那様と寝たいです。」
 シェレールが笑顔でそう言った後、誰かから袖を引っ張られた。
「ん?クロム?」
「……竜斗……私も……一緒に……寝ていい?……今日だけでも……」
「あー、えっと………」
 俺は、すぐに返事はせずにシェレールの方に視線をちらっと向ける。
「………分かりました。」
 シェレールは、ため息をついたあと、渋々と言った感じで許してくれた。
「……おお……」
 クロムは、少し驚いた声を出す。
「何を驚いているんですか。」
「……まさか……本当に……許して……もらえる……なんて……ダメもとで……言ってみて……良かった……」
「んなっ!?わ、私はそこまで酷くはありません!」
 そこから2人の口論が始まってしまった。
 俺は、それを苦笑しながら止めつつ質問してみた。
「そういえばなんで2人は、ここにいるんだ?」
「「え?」」
 2人とも、目を点にして首を傾げた。
「いや、だからなんで2人とも残ってるの?みんな、もう帰ってるよ?」
「それは………」
「……決まってる……」
「「どうせ旦那様(竜斗)1人で後片付けをしようとするからそれの手伝い。」」
 …………………何故こうもバレるんだろうか。
 俺ってもしかして、ボーカーフェイスが苦手なのだろうか。俺、自身は上手くやっているつもりなんだが………
「ということで早く行きましょ。」
「……竜斗……早く……ゲート……開いて……」
「………はい…」
 俺は、言われるままゲートを開きパーティ会場の後片付けを行った。
 テーブルとかはまた使うかもしれないのでそのままこの空間に残しておく。なので片付けるのは使った皿やその他もろもろだ。
「3人だとやっぱり早く終わったなぁ〜。」
 俺は、片付けが終了したあと、休憩中にそう呟いた。
 片付けは、1時間もかからなかった。
「ですよね、やっぱり、この3人でやるべきなんですよ。」
「……そう……だから……竜斗……いつも……遠慮……しないで……私たちを……頼って……」
「…………ああ、そうだな。と言うより、何今さら1人でしようとしてたんだろうな、俺。2人は、途中で投げ出したりしないって分かってたのにな。」
「ふふっ、そうですよ。私たちは、ちゃんと最後まで役目を果たしますよ。」
「……うん……絶対に……果たす……」
 2人は、そう言って笑顔を俺に向けてくれた。
 俺は、それから少し考え込むように下を向く。
「ん?旦那様、どうかしたんですか?」
「……大丈夫……竜斗?」
「…………………2人とも、聞いてくれ。」
 俺は、小さくそう呟くと2人に視線を向けた。
 俺は、今まで言おうとして言わなかったことをちゃんと言おうと決めた。
 …………………もしかしたら、それを言えるのは今日だけかもしれないのだから。

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