クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

391話 危険

「あ………危なかった………」
 俺は、今さっきまで俺たちがいたところを見る。今、そこにはシェレールが放った氷の魔法が巨大な氷として具現化している。あれに飲み込まれていたらまぁ、まず無事じゃ済まないな。
 俺は、魔力を盛大に使って肩で呼吸しているシェレールのところに降りる。そして、そこにクロムを下ろしてあげる。
「しぇ、シェレール、大丈夫か?」
「はぁはぁ………っ!あ、わ、私………」
 シェレールは、我に返ったのか自分が放った氷を見て目を大きく見開いている。
「す、すいません!わ、私、怒りで力をコントロールするのを忘れて……」
「は、ははっ、大丈夫だよ。何とか逃げ出せたからな。ほら、クロムも無事だよ。」
「……う……うん……竜斗……助けて……くれて……ありがとう……」
 クロムは、いまさっきまで驚きのあまり、意識が飛んでいた。俺が声を掛けると同時に我に返ったが。
「……シェレール……やり過ぎ……」
「うぅ、すいません。」
「……でも……私も……シェレールを……挑発……し過ぎた……私の……せいでも……ある……ごめんなさい……」
 クロムは、自分の過ちをちゃんと理解して頭を下げて謝罪した。
「ほ、ほら、2人とも、そろそろ頭上げて。」
 俺は、ずっと頭を下げ続けてるシェレールたクロムにそう言って頭を上げてもらった。
 2人とも、渋々といったような表情だった。
「こうやって謝らなきゃいけないことをしないように2人とも、これからちゃんと仲良くしてくれ。いいか、2人とも?」
「「……………はい……」」
 2人は、お互いの顔を見会いながら嫌々そうに返事した。
「まっ、それよりもこの氷はどうしようか。」
「そ、それは、私がやったんですから私が片付けます!」
「……私も……手伝う……」
 ……………
「いや、別に片付けなくていいぞ。」
 俺は、早速作業に入ろうとしていた2人をそう言って止めた。
「え?いいんですか?」
「ああ、なんか綺麗だし。」
「……確かに……綺麗……」
「作った人が綺麗だったら必然的にこうなるのかな?」
「っ!も、もうっ!旦那様ったら!」
 俺が冗談交じりにそう言うとシェレールが照れながら怒ってきた。でも、表情は嬉しそうだった。
「……ほら……そっちだって……私の前で……イチャイチャ……してる……」
 すると次は、クロムの方が不機嫌な表情で言ってきた。
「あ、あはは、悪い悪い。なるべくこういうのは人前じゃしないようにするから。」
「……………」
「いや、シェレールさん?ダメだよ、そんな目をきらきらさせて今さっきの仕返しをしてやろうなんて考えてたら。」
「な、なんで分かったんですか!?」
「そりゃ、もう1年以上の付き合いなんだし分かるって。って、本当にダメだからな。クロムの魔法は、逃げられる気しないから。」
「わ、分かってますよ。」
「……ん……良かった……あと少しで……本気……出すところ……だった……」
 いや、まじで危ないから。
「そ、それじゃ、そろそろ戻るぞ。ミラたちと会えるのはもう本当に今日含めて3日だけだからな。悔いのないようにな。」
「ええ、分かってます。伝えたいことは全部伝えます。」
「……私は……そこまで……話したりは……してないけど……それでも……少しは……一緒に……いたから……伝えたいことは……ある……」
 2人とも、そう言うと寂しそうに顔を伏せた。
「……………それじゃ、戻るぞ。」
 俺は、そんな2人を見て一刻も早く帰ってミラたちと合わせてあげようと思った。
 それから俺たちは、ゲートで現実世界へ帰り、もう夕方だったので夜ご飯を食べに食堂へ向かったのだった。

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