クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

385話 早朝にて

 シェレールと仲直りをした次の日の朝。日差しが窓から入ってきてその明るさに目覚めてしまう。
「ふぁ〜……」
 ナビ、今何時かな?
(朝の5時ですね。)
 随分と早く起きちゃったな。
 俺が二度寝をしようか迷っていると隣で寝ているシェレールがモゾモゾと動いている。
 シェレールも起きてるのかな?
「シェレール、起きてるのか?」
「えへへ、バレちゃいましたか。」
「まぁ、あんなに動いたらな。」
 シェレールは、今も少しモゾモゾと動いている。
「シェレール、今さっきから動いてるけどどうかしたのか?」
「い、いえ……その………今さっきまで旦那様が抱きしめている形で寝ていてくれたのでそれがなくなった今、少し寂しいなって思ってしまって……」
「そういうことか。…………朝食までもう少し時間あるから抱きしめてあげよっか?」
「あ……迷惑でなければ……お願いします……」
「ははっ、迷惑なんて思わないよ。シェレールを抱きしめられるんだ。ご褒美だと思うくらいだよ。」
「そ、そういうことは言わなくていいですから!」
 シェレールは、恥ずかしがって真っ赤になった顔を手で覆う。俺は、そんな照れているシェレールを可愛いなって思いながらギュッと抱きしめてあげる。
 するとシェレールの動きがやっと止まり恥ずかしさ半分、嬉しさ半分といった表情をしていた。
「これで満足?」
「………ん……」
 シェレールは、満足とは言わずに顔を少し上げて目を閉じて唇を少し突き出した。
 満足じゃないです。もっと愛して欲しいです。というシェレールの意思表示だ。
 俺は、そんなシェレールの気持ちに気づきそっとシェレールと唇を重ねる。
「……………これでいいか?」
「じ、時間はあるんですよね。そ、それなら朝食までずっとこうしていて欲しいです。」
「ははっ、分かったよ。」
「すいません、私だけわがままを言ってしまって。」
「いやいや、シェレールとこうしたいって俺も思ってるから気にしないで。」
「ありがとう……ございます………」
 シェレールは、お礼を言うと今度はシェレールの方からキスをしてきた。
 不意打ちのキスに少し驚いたすぐに平常心を取り戻す。
「不意打ちはずるいな。」
「ふふっ、旦那様を驚かされたのなら嬉しいです。」
「おっ?そんなこと言うシェレールにはお仕置かな?」
「キャー」
 俺たちは、きっとはたから見たらバカだなと思えるくらいに恥ずかしい事をやっているのだろう。でも、俺たちにとってはこういうことをするのがもう当たり前になってしまっているのだ。
 シェレールとそんな幸せな朝を過ごしたあと、朝食の時間になったので少し名残惜しいがイチャイチャを切りあげ、食堂へと向かう。
 少し部屋に居すぎたのか、もうみんな揃っていた。
 そんなに遅れたかな?と思いつつ急いでクロムがいつも通り取っておいてくれた席に着く。
「なんだ、やっぱりもう、仲直りしたのね。」
 席に着いたと同時にユイがそんなことを言ってきた。
「み、みんな、私たちが少しいざこざを起こしてるってこと知っていたんですか!?」
 シェレールが驚きの声を上げる。
「当たり前よ。まず一緒に朝食を食べに来ないって時点で分かっていたわ。」
「ははっ、やっぱりな。」
 まぁ、みんな、気づいてるよな。
「で、でも、もうちゃんと仲直りしたので大丈夫です!……………ところでクロム?なんか旦那様との距離がだいぶ近くなってませんか?」
 シェレールがみんなに向かって大丈夫と宣言した後、今、俺の腕にくっ付いているクロムに冷たい声でそう尋ねた。
「ふふっ……シェレールが……昨日……いなかったから……だいぶ……距離が……縮まった……」
「………………そうなんですか、旦那様?」
 怖いっ!怖いよ、その笑顔!
「い、いや、まぁ、確かにクロムには色々と相談にも乗ってもらったし昨日はいい所に連れて行ってくれたからな。正直に言うとだいぶ助かったんだ。」
「むぅ〜」
 シェレールは、昨日のことを持ち出されるとあまり強く言えないのか頬を膨らませていた。
「…………も、もう、クロム、いい加減に旦那様から離れなさい!旦那様が困ってるでしょ!」
 シェレールは、そう言うとクロムがくっ付いている逆側の腕にくっついて来た。
「……竜斗……迷惑?」
「あ〜、いや〜、べ、別に…………」
「……竜斗は……いいって……言ってる……」
「もうっ!旦那様!はっきり答えてください!クロムが変に勘違いしちゃいます!」
 俺は、2人に腕を取られているせいで持ってきてもらった朝食も2人のいざこざが終わるまで食べられなかった。

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