クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

380話 夕暮れ

 俺たちは、昼ご飯を食べずに先に進む。
 日は、だいぶ傾いていてそろそろ空がオレンジ色になる頃だろう。
「……あともう少しで……着く……」
「そうか……なら、ちょっと急ぐか?もう時間も時間だし。」
「……ううん……このままの……速さで……ちょうど……いい……」
「うん?そうなのか。なら、別にいっか。」
 俺とクロムは、特に歩く速度を変えずそのまま突き進む。
 昼ごはんを食べる気を失ったと言ってもさすがにこんな時間になるとお腹がすいてくる。でもまぁ、こんな時間に食べたら逆に夜ご飯が食べられなくなるからさすがに食べるのはやめておく。
 そんなことを思っていると少し前で俺のことを案内してくれるクロムからお腹が鳴る音がした。
「クロムもお腹すいたか?」
「……うん……すいた……竜斗も?」
「さすがにな。でも、そろそろ夜ご飯だ。もうちょっと待とうな。」
「……夜ご飯……今……行ってる……場所で……食べようと……思ってるの……料理……する時間が……あるから……少し……食べるのが……遅れるかも……」
「あっちで食べるのか?まぁ、別にいいけど。料理しよう時はそれに夢中になってお腹すいてること忘れるからな。」
「ふふっ……竜斗って……なんでも……夢中に……なって……やるから……好き……」
「な、なんだよ、きゅ、急に褒めて……」
「……好きだから……好きって……言ったの……」
「はぁ〜、ったく、クロムは変わらないな。」
「……竜斗が……好き……それは……絶対に……変わらない……」
「………」
 そういうこと言われると反応に困る。
 好きと言われて嫌な思いはしないが今の俺にはその想いに応えることが出来ないからな。
「……竜斗……着いたよ……」
 と、そんなことを思っているとクロムがそう声をかけてきた。
 その声を聞いて俺は顔をゆっくりと上げた。
「おお………」
 目の前に広がるのは正面にオレンジ色の太陽がありキラキラと輝いている。ここからだと海も見えるのでなおさら綺麗で美しく見える。
「……すごいでしょ?」
「ああ、すげぇ綺麗……」
 俺は、クロムの方を向かずにそう答える。それほど見入ってしまっていた。
「……気に入って……くれたんだ……」
 クロムが隣で嬉しそうにそう呟いた。
「当たり前だろ?こんなところに来たら気に入るに決まってる。」
「ふふっ……嬉しい……」
 クロムは、そう言うと俺の手を握った。
「……あのね……本当は……もっと……前に……竜斗と……ここに……来たかったの……まだ……誰にも……教えてない……私だけの……特別な場所……」
「そうなのか?それなら早く言ってくれれば良かったのに。」
「……竜斗と……2人で……行きたかったから……シェレールや……レーネが……居たから……誘えなかった……」
「…………そっか。」
「……この場所を……私が……初めて……見つけた時……絶対に……私の……好きな人と……見ようって……決めてたの……特別な場所を……特別な人と……共有したかった……から……」
「……………クロムってすごいよな。」
「……え?」
「その歳でそんな風に考えて。と言うよりも一国の王になっていて。俺には到底無理だよ。」
 だって、自分の好きな人をずっと心配させて怒らせてばかりなんだから。
「……竜斗……やっぱり……シェレールと……喧嘩……したんだ……」
「まぁ、喧嘩ってより俺が一方的に悪かっただけなんだけどな。」
「……なら……シェレールと……別れるの?」
「それはないな。もう、結婚もしたんだ。少しもめたくらいで別れ話が上がってたらキリがないよ。これからもきっと、何度も喧嘩とかあるだろうからな。」
「……じゃあ……もし……ここで……竜斗に……告白したら……受け入れてくれる?」
 日が落ちる寸前、クロムは真剣な顔でそう告げた。

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