クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

378話 無視

 シェレールは、まだ怒りがおさまらないのかずっと俺に口を聞かず黙々と何か編んでいた。
「………シェレール、お腹すいてないか?」
「……………」
「じゃ、じゃあ、なにか飲み物は?」
「……………」
 シェレールがこれほどまでに怒ったことはないだろう。
 ま、まぁ、そりゃ当然か。もうこれ、何度目だって話だよ。たぶん誰でも怒るだろう。
「帰るのが遅れたのは本当悪いと思ってる。ちゃんと反省もしてる。だから、少しは口を聞いてくれないか?」
「………………」
 だ、ダメだ。少しは時間を置いた方がいいのかな?
 なぁ、ナビ、どう思う?
(確かに時間が解決してくれることもあると思います。ですがマスターは、それでいいのですか?)
 い、いや、本心は謝ってシェレールから許してもらいたい。
(だったら、少しは謝り方ってのも考えた方がいいですよ。そのことに関して時間を置くことは大切ですね。)
 そ、そうか。なら、ちょっと考えてみる。ありがとう、ナビ。
(いえいえ、私もなるべく早くマスターとシェレールさんには仲直りして欲しいですからね。マスターの幸せは私の幸せでもあるので。)
 な、ナビ……
「シェレール、俺、朝飯食べてくるな。」
「………………」
 俺は、そう言って部屋を出て行った。シェレールは、まだ無言だった。
 俺は、その後、食堂へ向かおうとした。
 だが、その途中で朝食を終えたらしいクロムが現れた。
「クロム、もう朝食食べ終わったのか?」
「……うん……ちょっと……急いで……食べた……」
「ん?この後に用事でもあるのか?」
「……竜斗……今日も……ミラの……宇宙船を……直すの?」
 クロムは、俺の問いかけに答えずそう尋ねてきた。
「ああ、もう修理は終わったからな。」
「ふふっ……やっぱり……」
「ん?分かってたのか?」
「……だって……昨日……帰りが……遅かった……から……竜斗の……ことだから……無理してるんだろうな……って……思ったの……」
「ははっ、そうか。」
 シェレールたちよりかは短いけどクロムも俺と出会って十分に時が経った。そのせいか俺のある程度の行動の意味を理解し始めてきたな。
「あ〜……それでどうして朝食を早く食べたんだ?」
「……竜斗と……お出掛け……したかった……から……この頃……シェレールと……ずっと……一緒にいるから……あんまり……お出掛け……出来てないなって……思ったの……だから……お願い……」
 クロムは何かを訴えてかけてくるような瞳で見てきた。
 まぁ、確かにクロムだけじゃなく他のみんなともこの頃出掛けたりはしてないな。
「………まっ、たまにはいっか。ちょっと時間も欲しかったし。」
「……ホント?……一緒に……出掛ける?」
「ああ、今から街をぶらつこうか。」
「……うんっ!」
 クロムは、キラキラと目を輝かせて頷いた。
「そういえばレーネは一緒じゃないのか?」
「……レーネは……今日……レイスと……一緒に……いるって……」
「そっか。」
 あの2人も結構仲がいいよな。まぁ、家族だから当然なのだろうか。
 俺は、そう思うとなぜ自分だけ家族に暴力を振るわれていたのか悲しくなり、辛くもなった。
「……竜斗……大丈夫?」
 きっと俺の手は震えていたのだろう。その震えた俺の手をクロムは、ギュッと優しく握ってくれた。
「あ、ああ、大丈夫。悪い、変な心配掛けて。それよりも早く行こうか。俺、朝食を食べてないからどっかの喫茶店に寄ってもいいか?」
「……うん……いいよ……」
「ありがとう、クロム。」
 俺たちは、その後、一緒に魔王城から出て行って街へと出た。
 クロムは、俺の手をずっと離すことなく握ってくれていた。

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