クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

374話 優先

 俺とシェレールは、空で色々と遊んで楽しんだ後、誰もいないでとても広い草原を見つけたのでそこに着地して昼食をとることにした。
「シェレール、どうだった?空の旅は。」
「とっても楽しかったです!でも、少しはしゃぎすぎてはしたない声を出してしまったので恥ずかしいです。」
「ははっ、可愛かったぞ?」
「も、もう、そういうのはいいですから。」
 シェレールは、耳まで真っ赤にして恥ずかしがっていた。嘘ではないのだが今の照れているシェレールもすごく可愛い。
「そ、それよりもここは気持ちいいですね。近くに川もあって花もいろいろな種類が咲いていて綺麗です。」
「ああ、そうだな。またみんなを連れてここに来るのもいいな。」
「そうですね。旦那様との2人っきりのデートも大切ですけどみんなとの時間も大切ですからね。それにミラは、そろそろ帰るのでしょうからもう少し楽しい思い出を作りたいです。」
「あ、その事なんだけど…………」
 俺は、まだシェレールにミラと一緒に宇宙へ行くことを伝えていないのだ。今回に限ってはシェレールはどうしたって連れて行けない。こんな危ないことをさせるわけにはいかないからな。もう結婚したんだ。俺は、何よりもシェレールを優先したいんだ。
 だから、俺は、まずミラたちについて行くことを伝えてそれを踏まえた上でシェレールは連れて行けないと言った。
 するとシェレールは、少しの間、ずっと下を向いて黙っていた。
 デートの時にする話じゃなかったかなとも思ったけどなるべく隠し事はしたくないので早く言いたかったのだ。
「ごめん、シェレール。急にそんなこと言われて。せっかくのデートなのに。でも、知っておいてくれ。俺は………」
「今、辛い思いをしている人のために行くんですよね。」
 シェレールは、俺の言葉を遮り俺が言おうとしていたことを言った。
「ああ、そうだ。よく分かったな?」
「ふふっ、もう1年以上の付き合いですよ?それに結婚までしたんです。旦那様の考えていることくらいわかって当然です。」
 シェレールは、まだ下を向いたまま、そう言った。
「そうか……なら……」
「分かってます……分かってますよ。そんなことを言われたら止めないで笑顔で送ってあげないといけないってことは分かってます。でも……それでも……私は行って欲しくないです。」
 シェレールは、切実に願うようにそう言った。
 正直に言うと俺は止められることはないだろうと考えていた。もう何度も危険な目にあってきたし何度も命のやり取りをしたことだってある。でも、それでも俺は今生きている。
 だから、俺は大丈夫だってシェレールは信じてくれて送ってくれると思ったのだ。
「旦那様にとって私を優先してくれるのと一緒に私も旦那様を今1番優先しています。だから、死んで欲しくないし死ぬ危険のあることはして欲しくないんです。」
「……………………」
 俺は、シェレールの言葉に何も言い返すことが出来なかった。言い返すことが出来ないくらいにシェレールの言葉は正しかった。
 だから、俺は喋る代わりに右手をぎゅっと握り締め自分の右頬を殴った。
「っ!」
「っ!?だ、旦那様!?な、何してるんですか!?な、なんで自分を殴って……」
 シェレールは、俺のいきなり意味不明な行動に慌てている。
「………シェレール、ごめん。俺、少し図に乗っていた。シェレールなら俺なら大丈夫だろうと思って送り出してくれるって勝手に信じてて………でも、シェレールはそんな俺を優先してくれて………申し訳ないのと同時にそんな自分が腹立たしくて……」
 こういうしんみりした空気はもう作りたくないなって思っていたのに……なんでいつもこうなるんだろう?
 そんなの簡単にわかる。俺がいつも無茶ばかりしてシェレールを心配させるからだ。
「…………旦那様、口から血が出てますよ。」
 シェレールは、俺の傍に来て口から出ている血をハンカチで拭ってくれた。
「………旦那様、このハンカチ覚えてますか?」
 シェレールは、俺の血を拭ったハンカチを見て俺にそう問いかけた。
「ん?ああ、そのハンカチは俺があげたやつだよな?」
「そうです。そして、この指輪は旦那様との結婚指輪です。アイテムボックスの中にも旦那様から貰ったものがいっぱいいっぱい入ってます。」
「そうか……ありがとう、シェレール。」
「…………旦那様、もし、ここで私が旦那様に宇宙なんかに行かないで私と一緒に平和に暮らしましょ。ってお願いしたらどうしますか?」
「…………そんなの決まってるよ。その時は…………シェレールに土下座してでも必ず行く。」
 そう。最初から決まっていた。シェレールから反対されようが俺は、必ず行くってことを。
「………やっぱり……」
 シェレールは、俺の答えが分かっていたのかふふっ、と笑ってそう言った。
「ごめんな、シェレール。俺は、シェレールのことを優先する。でも……それだけは聞けないんだ。」
「分かってます。………はぁ〜、やっぱり、私ってダメですね。こんな時、私も精一杯旦那様を止めなきゃいけないのに……旦那様がかっこよすぎて止めるにも止められませんよ。」
「っ!それって………」
「………旦那様、今この場で約束してください。1つ目、絶対に私を置いて死なないでください。2つ目、絶対に私の元へ帰ってきてください。そして3つ目………絶対にみんなを笑顔にしてきてください!」
「ああ……ああ、もちろん約束するよ。」
「それじゃ、ちゃんと誓うっていう証拠をください。」
 シェレールは、そう言うと目を閉じて少し顎を上げた。
 俺は、それに何も言わずにシェレールの唇に俺の唇を重ねる。
「これでいいかな?」
「もっと……」
 シェレールは、強請るように俺を抱きつきキスの体勢を取り続ける。
 その後は、シェレールが満足するまでシェレールを甘やかしまくったのだった。

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