クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

370話 帰るために

「さてと、まずは昨日聞いた話をまとめるけど……ミラは自分の星のお姫様でサラサはその星の衛兵ということでまず間違いないよな?」
 俺は、今知っていることを簡潔にまとめてそう言った。
「はい、確かに私は姫という肩書きはありますね。肩書きだけですけど……」
「ん?どういうこと?」
「姫様には5つ上の姉と3つ上の兄がいるのです。一番下の姫様には王になるための継承権が最も低いのです。」
「ですので私に価値があるとしたらどこかの貴族と結婚して少しでもその家の地位を上げることくらいですね。」
 ミラは、少し悲しそうな表情でそう言った。
「………今はそういうことを考える時期ではありませんよ。まずは戦争の終止符を打つべきです。」
「………ええ、そうですね。」
 サラサが少し気まづそうになりながらも今最もしなくてはいけないことを告げた。
「まず聞くがサラサや他のみんなはあの星での衛兵なのだろう?ミラも昨日言っていたがその星は今大丈夫なのか?」
「大丈夫ですよ。この星へ来たのは私たちだけです。まだ星には数千といった衛兵が残っていますので。」
「そうなのか。なら、安心だな。」
「いえ、そういう訳ではありません。私たちは今、ものすごく脆い状態です。戦争で街の人は怯え、圧倒的な戦力に衛兵たちも少なからず不安を覚えています。恐らく今、星を攻撃されると数ヶ月も経たないうちに我々は負けるでしょう。」
「そんなにやばいのか。それなら一刻も早く帰らなきゃいけないんじゃないのか?」
「確かに星のことは不安です。ですが私たちが帰ったところで戦況をひっくり返すなんてまず出来ません。ですので一旦避難してもらった姫様の安否を確認して連れて帰りみなに一言貰いたいのです。継承権が最も低い姫様ですが信頼は王様よりも大きいのです。」
「そんなに信頼を得ているのか。そりゃ、ミラが死なれたら街の人の希望も薄くなるだろうな。」
「はい、ですから一旦避難してもらいました。」
 サラサたちがここに来たことはよく分かった。だけど、一つ問題があると思う。
「サラサたちだけでミラを送って帰れるのか?俺が見た限りだとミラ、すごい追いかけられていたけど?」
「やはりか。あの宇宙船を見た限りだいぶ直されていたけどそれでもまだ壊れた箇所はあったからな。やっぱり攻撃されていたんですか。」
「いや、そこまで詳しくは分からない。どうなんだ、ミラ?」
「え〜っと………ここに到着する3日くらいからずっと追いかけられてましたね。」
「み、3日も!?だ、大丈夫だったんですか!?」
 サラサがミラの発言に驚き安否を確認する。
「もちろん大丈夫ですよ。そうじゃなきゃ今、ここに私はいないんですから。」
「ま、まぁ、そうですが………」
「ですが、本当は竜斗に助けて貰っていなくちゃきっと危ないところでしたでしょうね。」
 と、ミラが本音を打ち明ける。
「もうお礼はしなくていいからな?」
 俺は、ミラがまたお礼を言う前にそう言っておく。
「うっ……分かってますよ。竜斗にはどんな良くしてもらってばかりですからね。今は存分に甘えさせてもらいお礼ができる状態になればさせてもらいます。あ、この時は絶対にお礼は受け取ってもらいますからね?」
「分かった、分かった。ミラも強情なところがあるってことはこの1週間でよく分かったからな。」
「ふふっ、お褒めの言葉として受け取らせてもらいます。」
 おっと、こんな談笑をしている場合ではなかった。
「すまない、話がそれたな。それで結局どうするんだ?ミラが帰れなきゃ意味が無いだろ?」
 俺は、話を戻す。
「はい、その通りです。ですが、誰かがやらねばなりません。なら、それをやるのは私たちです。姫様を安全に送れるようにこの命を捧げるつもりです!絶対に守ってみせます!」
 サラサの目は、本気だった。だから、俺も真面目な表情で言う。
「少し辛いことを言うよ。………俺みたいなたった1人のガキに勝てなくてなにが絶対に守る、か?そんなんじゃお前みたいな命が何個あっても足りないぞ。」
「………………………ご最もです。」
 サラサは、悔しそうにだが納得しているのか否定はしなかった。
「………ミラ、お前はどうするんだ?こいつらと帰ってこいつらの命と引き換えに自分の星に帰るつもりか?」
 今度はミラに話を振る。
「それは………………」
 ミラは、言葉に詰まってしまう。ミラは、優しい子だ。絶対にサラサたちを見殺しにするなんて出来ないのだろう。
「………なぁ、ミラ、サラサ、お前らはどうやって帰るつもりだったんだ?サラサは、自分の命を捧げるとか言ってたけど今さっきも言った通りそんな命じゃ何個あっても足りない。と言うよりもそもそもそんなやり方でミラはどう思う?星にもし帰れたとしてもミラは、絶対にそのことを引きずるに決まってる。それでもそんなやり方で帰るつもりか?」
「………………ですがこれしか………」
「これしかない?本当か?俺にはそうは思わないけどな。」
「………どういうことです?」
 俺は、そこまで言うとニッコリと笑ってこう言った。
「俺がいるだろ?」

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