クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

364話 お祭り騒ぎ

「よし、それじゃ衛兵たちの傷も治ったことだし話を戻すぞ。」
 俺は、シェレールが治癒魔法を全員に掛け終わったところでそう言った。
 だが、その瞬間、衛兵たちの方から結構な音量の腹の音が鳴った。
 さすがにそんな大きな音を立ててしまったら俺以外のみんなも気づく。
「まっ、それはご飯を食べながらでもできるよな。まずは食事でもするか。」
 俺は、そう言い終わるとクロムの方を向く。
「今からご飯って用意出来るのかな?出来ないのならせめてキッチンを貸してほしいんだけど。」
「……大丈夫……だと……思う……いつも……多く……作って……余らせてる……から……」
「そうか、なら、クロムは先に行ってメイドの人たちに食事を並べておくようにお願いできないかな?」
「……うん……任せて……」
 クロムは、頼られたことが嬉しかったのか笑顔で部屋から出て行った。
「それじゃ、俺らも行くか。」
 俺は、そう言って部屋を出て行こうとしたが後ろから声を掛けられた。
「あ、あの……ご馳走様になってもいいんですか?俺ら…あんなことして……」
「別にいいよ。危害を加えたのは俺も同じなんだからさ。ほら、もう行くぞ。」
 俺は、今度こそ部屋を出て行った。
 メイドの人たちが準備を焦らせないようにするため少しゆっくりと食堂まで向かった。遠回りもして10分くらい掛かった。
 だが、それくらいでちょうど良かったようだ。メイドの人たちが余った料理を全てテーブルに置いたようだ。余った分とは言っても結構な量はある。
「皆さん、せっかく用意してくださったのですからありがたく全部食べましょう。」
 ミラは、料理を前にギラギラと目を輝かせていた衛兵たちにそう言うとちゃんと席に着くように言った。
「あ、あの……ほ、ほんとうにこんなご馳走貰ってもいいんですか?」
「ああ、いいんだよな、クロム?」
「……うん……大丈夫……」
「だってよ。遠慮はしないでくれ。」
 俺がそう言うと衛兵たちは、料理に手を出した。
「う、美味い!」
「あ、お前!それ俺が狙ってたやつ!」
「うっせぇ!早い者勝ちだ!」
「こんなうめぇ飯、久しぶりすぎる……」
 衛兵たちは、賑やかに食事を楽しんでいる。
「…………お祭り騒ぎだな。」
 これじゃ、話し合いはできなさそうだな。それにたぶんこいつら、飯食ったらすぐに寝そうだ。
「ミラ、飯を食い終わったら風呂に入らせてから寝らせてくれ。部屋は、俺が大部屋を貸してもらうように言っておくから。」
「は、はい、分かりました。本当に何から何まで感謝してもしたりません。ありがとうございます。」
「これくらいのこと、別にいいよ。じゃ、俺はジゼルさんのところに行くから。」
 俺は、そう言って1人で食堂を出て行った。
 それからジゼルさんの元へ行き事情を説明して大部屋を貸してもらうように言った。するとジゼルさんは、簡単にOKを出してくれたので本当にありがたかった。
 俺は、ジゼルさんに感謝の言葉を述べてから食堂へ戻った。俺が食堂を出てから戻ってくるまで30分くらいだろうか。その間に結構な量はあったはずの料理がもうほとんどなくなっている。
「……………そういえば俺、飯食ってなかったな。」
 俺は、少し一息つくと自分も空腹状態でいることに気がついた。
「まっ、1日くらい我慢するか。」
 俺は、そう言って衛兵たちに声をかけようとしたら両手を掴まれた。
「ダメですよ、旦那様。食事を抜かれては健康に支障をもたらすかも知れません。なのでちゃんと食事をしてください。」
「……竜斗の……分は……取ってある……から……大丈夫……」
 シェレールとクロムが真剣な表情でそう言ってきた。そこまで言われてしまうと断ることが出来ないので仕方なく用意してある料理を食べることにした。わざわざ料理を取ってくれたシェレールとクロムに感謝をしつつ俺もようやく夕食を食べたのだった。

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