クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

339話 明かされる思い

「俺は、シェレールのことが好きだ。大好きだ。」
「は、はい……」
 シェレールは、唐突に俺からそんな言葉が出て少し驚いたようだ。俺は、そんなシェレールのことは一旦気にせず話を続ける。
「俺は、この世界に来てシェレールに出会って恋をしてすごい幸せだと思った。いや、今もすごい幸せだと思っている。でも、ずっと怖かったんだ。人を憎み殺した俺がこんなに幸せになっていいのだろうかってずっと怖かった。でも、俺はシェレールを幸せにするって決めた。だから、俺も幸せにならないといけないと思った。シェレールは、俺が幸せだと感じてないとシェレール自身も幸せって感じないからな。」
「ま、まぁ、そうですね。旦那様が嬉しそうな顔を見れるだけで私、すごい幸せですから。」
「だろうね、もう1年もずっと一緒に居るからそれくらいは俺でも分かる。……俺は、今もずっと幸せだ。シェレールがそばにずっといてくれるんだから。だから、もうこれ以上は望んじゃいけないと思った。望む資格なんて俺にはないんだから。」
 俺がそこまで言うとシェレールが誰が見ても分かるような暗い表情になった。
「………でもな、今日クロムに言われた。自分が可愛そうだって。俺自身を認めていない俺がすごい可愛そうだって。そう言われたんだ。その瞬間、すごい電気が走ったような気がしたんだ。俺は、少なからずとも自分の強さには自信があった。神様から授かった力だけどそれを使えるんだから俺は強いんだって自覚はしていた。でも、俺が認めていたのはそれだけなんだ。俺は、自分の力以外全て認めていなかった。認められなかった。それでクロムは俺に言った。可愛そうだって。シェレールは、俺が幸せに感じてないとシェレール自身も幸せに感じない。分かっていた、それくらい。だから、俺は今まで精一杯幸せだと自分の中で思っていた。でも、違った。俺は、今の自分が可愛そうなやつだって心の中でどこか認めてしまっていた。それをズバリとクロムにいい抜かれてしまって俺は少し苦しくなってしまった。俺の手は血で染ってる。人を殺した感覚が残ってる。それが俺を苦しめていた。俺は、クロムにそう言われた時、今すぐにでも逃げ出したかった。でも、クロムが泣いてこうも言ってくれたんだ。竜斗は私の大大大好きな人だって。こんな俺のことを。その言葉を聞いて俺、すごい嬉しかった。そして、それからよく考えて気づいたんだ。俺がこれから笑って幸せになるために必要なこと。それは、自分自身に向き合うことが必要だって。シェレール、俺にとってこうやってシェレールと2人っきりで居られる時間もみんなと要られる時間も俺にとってかけがえのないものなんだ。そして、たぶんシェレールとの子どもと一緒に遊んだり学んだり叱ったりすることも俺にとってかけがえのないものになるって俺は思ってる。」
 俺はそこまでずっと喋ってきたが一旦目を閉じて深呼吸をする。
 シェレールは、何も言わずに俺が再び喋るのを待ってくれている。
 クロムにはあの時、虚勢で笑顔を振りまいた。だけど、今回は俺が笑顔になりたいから笑う。
「俺、シェレールとの子どもが欲しいよ。これは嘘偽りのない正直な俺の気持ちだよ。」
「……………私も旦那様との子どもが欲しいです。」
 シェレールは、一瞬目をうるっとさせたがすぐに服で涙を擦り笑顔でそう応えてくれた。
「よかった、シェレールもそう思ってくれてて。俺がずっと子どもを作ることに嫌がっていたからシェレールも諦めたんじゃないかって思ってた。」
「そんな訳ありません!旦那様との子どもは絶対に欲しいです!正直、今日でなくともいつかは旦那様としっかりと話し合って子どもを作りたいって思っていました!」
「そ、そうか……」
 シェレールのあまりの気迫に俺は、少し尻すぼみしてしまった。
 こんなにシェレールは、ずっと子どもが欲しいって思っててくれていたのに俺はずっとしょうもないことで悩んでいたのか。
「………シェレール、俺、これからはシェレールの夫として頑張っていくから。」
「私も旦那様の妻として頑張っていきます!」
 俺が今、何よりも欲しいのは愛の結晶なんてものじゃなくていい。シェレールと2人で紡いでいるこの瞬間が俺にとって何よりも欲しいなんだ。そして、俺は知っている。その瞬間を作るにはそう簡単なものでないことを。

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