クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

334話 お別れの挨拶

「竜斗、シェレール、迎えが来てるわよ。」
「「迎え?」」
 俺とシェレールは、ユイの言葉に首を傾げた。
「あんたたち、これから前もって買っていた2人の家に行くんでしょ?それを送るための馬車が来てるのよ。」
「ま、マジで!?そんなのが来てるのか?」
「ジゼルさんとセレスさんが気を利かせてくれたんでしょ。」
「後でお礼言わないといけませんね、旦那様。」
「そうだな。それじゃ、すぐに行った方がいいよな。シェレール、準備出来てるか?」
「はい、ある程度荷物はもうあっちの家に移しているので。」
「まぁ、そうだな。じゃあ、行くか。」
 俺たちは、ユイを先頭に進んで行った。
 そして、着いたのは城門前で目の前にはやたらと大きい馬車が止まってる。
 俺とシェレールは、その馬車に乗る前にみんなの方を向き改めてお別れの挨拶をする。
「これまでお世話になりました。本当にありがとうございました。」
 俺がそう言うとシェレールは、俺に合わせて頭を一緒に下げてくれる。
「いや、こっちも色々とお世話になったからね。こちらこそありがとう、竜斗殿、シェレール殿。」
「今度、2人の家に遊びに行くからね!絶対に。」
 ジゼルさんとセレスさんは、お別れの言葉にそう言ってくれる。
「はい、いつでも歓迎します。」
「ふふっ、なら、いつか驚かせに行こっかな。」
「ははっ、お手柔らかに。」
 セレスさんとの話が一段落着くと次にユイ、白井、ルビーが前に出てきた。
「2人とも、元気でね。」
「リュウさんと師匠に毎日会えなくなるのは寂しいですけど2人が幸せなら私は、すごい嬉しいです!」
「まぁ、楽しむのもいいけど……あまり羽目を外しすぎて近所の人に迷惑を掛けちゃいけないのよ?これから周りにいるのは私たちじゃなくて一般の人たちなんだから。」
「ははっ、自重します。」
 白井とルビーは、応援の言葉を送ってくれるがユイだけはやはり最後まで手厳しかった。
 そして、次にクロム、レーネ、レイスさんが俺とシェレールの前に来てくれる。
「……竜斗……シェレール……またね……」
「竜斗、シェレール、あなたたち2人には本当に恩をいっぱい作っちゃったわね。いつか必ずその恩を返すから。約束するわね。」
「私も竜斗君のおかげで娘とまた一緒に暮らすことが出来たわ。本当にありがとう。シェレールさんがこんな強くて優しい夫が居るのは羨ましいわ。なにか躓くことがあったら何か声をかけて。一応これでも私、既婚者だからね。」
「はい、きっとこれから困難なことが多くあると思うのでいつか声を掛けさせていただきます。」
「私からもいいでしょうか?」
「もちろんよ、シェレールさん。力になれることならなんでも聞いて。」
「嬉しいです!ありがとうございます!」
 シェレールとレイスさんが話しているとクロムとレーネが俺の前へさらに1歩踏み込んできた。
「……遊びに……行く……って言ったけど……やっぱり……毎日……会えなくなるのは……寂しい……」
「クロム、そんなこと言って竜斗にあまり迷惑をかけちゃダメよ。竜斗にはこれからの生活があるんだから。」
「……うん……分かってる……でも……でも……」
 クロムは、話しているとどんどん涙声になり始めた。
「……ずっと……一緒に……居たい……」
 そう切実そうに願う。
「だから……ダメだって……クロムぅ〜……」
 レーネも涙声でクロムを止めようとする。だが、言葉では止めていてもレーネは、俺の服を掴んで離さなかった。クロムも俺の服を掴む。
「………2人とも……」
 俺は、膝をついてそんな2人を抱きしめる。
「ありがとう、2人とも。俺の事をこんなに思ってくれて。」
「……好き……大好き……竜斗……」
「あたしも好きよ、大好きよ、竜斗。」
 俺の服には2人の涙でまたぐっしょりと濡れている。だが、別に気になったりはしない。これでもう、二度と会えなくなるわけではない。だが、ものすごく悲しくなる。だって、俺も2人のことが
「ああ、俺も2人のことが大好きだよ。」
 そう、俺も2人のことが大好きなのだ。別に恋愛感情というわけではない。だが、なんだろうか。会えなくなるのは本当に寂しい。
「俺も魔王城に会いに行くよ。その時はみんなでまた遊んだりしような!」
「……うん!……絶対に……来てね?」
「ああ、もちろん。」
「絶対の絶対よ、竜斗?」
「分かってるよ、俺だって2人に会いたいからな。」
「えへへ……私も!」
「あたしもよ、竜斗。」
 そこまで言うとさらに俺かクロムかレーネか分からないがさらにぎゅっと強く握りしめた。
 それから2人と離れほかの人たちからもお別れの挨拶を受けたのだった。

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