クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

331話 披露宴後

 俺とシェレールは、みんなと記念の1枚を写真に収め着替える。
 俺は、着替えるのに別に困らないので1人で着替えてるがシェレールは、メイドさんを2人助っ人に着替えている。
「あのウェディングドレス姿のシェレールをもう見られないのか〜。何だか残念だな。」
 俺は、残念な気持ちを吐き出すかのようにため息をする。
「……確かに……シェレールの……ウェディングドレス姿……綺麗……だったね……」
「だろ〜………って、クロム!?」
 俺は、つい返事してしまったもののクロムが急に隣にいることに気づき驚いてしまった。
「ふふっ……竜斗を……驚かせた……」
「そ、そりゃ、急に横に居たら驚くよ。それで何か用なのか?」
「……用が……ないと……来ちゃ……ダメ?」
 おっと、結婚したてホヤホヤの俺にいきなりアピールをするか。ものすごく可愛いけど別に今さらクロムと結婚するという結論には至らないけど。
「まぁ、来ちゃダメってことは無いよ。シェレールと2人暮らしを始めても週に何回かは魔王城に顔を出したいと思ってるし、クロムも暇な時があれば俺の家に遊びに来てくれても構わないからな。」
「……うん……絶対に……行く……」
 クロムは、嬉しそにそう言うと笑顔で俺の腕に抱きついてきた。
「お、おい、クロムさん?」
「……なに……竜斗さん?」
「こんなところをシェレールに見られると結婚したてそうそう激しく怒られそうなんだが……」
「……大丈夫……私も……その時は……一緒に……怒られる……」
 いや、そういう問題じゃないんだけど……
「……それよりも……竜斗……一つ……聞いていい?」
 クロムは、途端に真剣な表情になったので俺は背筋を伸ばしクロムの真剣さに応える。
「別にいいけど……何?」
「……竜斗……シェレールとの……子ども……作りたく……ないの?」
「っ!……な、なんで?」
「……今日……レーネと……レイルで……挨拶を……してお祝いの品を……あげた時……あんまり……嬉しそうな……表情じゃ……なかった……から……」
「…………あはは……バレちゃったか。」
「……最初は……竜斗が……私たちの……プレゼントを……喜んで……くれなかったのかな?……って思っちゃった……けど……竜斗は……私たちが……送るものなら……なんでも……喜んでくれる……はず……だから……竜斗が……喜んでないのは……シェレールと……子どもを……作ること……なのかな……って思っちゃった……」
「すごいな、クロムは。たった数ヶ月で俺の事をよく理解してるな。これならいい魔王様になるだろうな。」
「……まだ……竜斗のこと……だけ……だけど……でも……子どもを……作ることの……何が……嫌なの?」
 俺は、少し顔を俯けてから話し始めた。
「クロムには俺の過去のこと話したことがあるよな?」
「……竜斗が……この世界の人……じゃない……ってこと?」
「まぁ、そこから始まるけど………俺のそこでの境遇も知ってるよな?」
「……うん……すごい……いじめられて……たんだよね?」
「ああ、そうだ。そして、この世界へとやって来た。それも誰よりも力を貰って。この力を持った時、俺は、俺をいじめていた奴ら全て殺してやろうと思った。と言うよりも………殺した。」
「っ!……そう……なんだ……」
 俺の人を殺した発言にはさすがにクロムも目を見開いて驚いている。そりゃ当然だ。いつも優しくしてくれていた人が人殺しをしていたなんて思ってもなかったのだろう。
「この手は、人を殺した感触を今でも覚えてる。俺は、泣き叫びながら恐怖で怯えてるやつをこの手で殺したんだ。クロムは、よく俺の事を優しいとかカッコイイと言ってくれたよな?それ、間違ってるぞ。俺は、人を平気で殺せるような人間だ。優しいわけがない。貰い物の力で人を殺して何がカッコイイんだろうか。何もかっこよくなんか無い。…………俺は、ずっと人間の底辺よりも下にいるんだ。」

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