クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

328話 お祝いの品

「ふぅ、やっと一息付けるな。」
 街中のみんなの挨拶を受け終わるとどっと疲労感が押し寄せてきた。
「やっぱり、疲れますね。」
「シェレールは、何だかまだ平気そうだな?」
 シェレールは、俺よりも少し余裕がありそうだ。
「平気という訳ではありませんが前は、姫としてこういうパーティに何度も呼ばれ挨拶で時間を使うことは多かったですからね。多少なりとも慣れていたのでしょう。」
「今日だけでシェレールがやっぱりお姫様なんだなってのを何回も自覚させられたな。」
 挙式での歩き方や今の街中の人の挨拶の対応。全てが完璧だった。俺、ほぼほぼ相槌を打つくらいしかしなかったよ。
「でも、私はお姫様としてよりも今の生活の方が何十倍、何百倍好きですよ。」
「ははっ、そうか。そりゃよかった。」
 俺たちがそんな会話をしているとクロムとレーネが結構大きめの袋を2人で一生懸命に持って俺たちのところへやって来た。後ろにはレイルさんもいる。
「……竜斗……シェレール……お祝いの品……持ってきた……」
 クロムが少し疲れた表情をしながらそう言った。
「あたしとクロムとママで一緒に選んだの。貰ってくれる?」
「ああ、ありがとう。何かな?見てもいい?」
「ぜひ、見てほしいわ。きっと、役に立つと思うから。」
 レイルさんが少しクスッと笑いながらそう言うのでなんだろう?と思いつつ袋の中をシェレールと一緒に見るとその中には乳児用の必要なものやおもちゃが入っていた。
「………」
「………」
「それならいずれは役に立つでしょ?」
「っ!や、や………え、えっと……その……こ、これってその……赤ちゃん用の……もの………ですか?」
 シェレールが顔を真っ赤に日しながらレイルさんに尋ねる。
「ええ、もちろん。ふふっ、ちゃんと使ってね。」
「……竜斗と……シェレールの……赤ちゃん……なんか……すごそう……」
「ええ、そうね。2人の赤ちゃんか……楽しみね。」
 クロムとレーネとレイルさんはなんかすごく楽しそうだが俺たちは、恥ずかしさでそれどころではない。
 結婚していきなりこんなものを渡されるのだ。さすがに恥ずかしい。
 それに俺は、まだ赤ちゃんを作ろうと思うことが出来ない。
「あ……あはは……ま、まぁ、使う時になったら使わせてもらいます。」
 だから、俺は曖昧な返事しかできなかった。
「………」
 シェレールは、そんな俺の返答を聞いて少し寂しそうな表情で俺を見つめていたが俺は何も答えることはしなかった。クロムたちはみんな、はしゃいでいてそんなシェレールの表情には気づいていなかった。
「………ありがとな、クロム、レーネ、レイルさん!」
「……ううん……どうせ……将来……私も……使う……から……」
 いきなりクロムがとんでもない発言をして俺たちの周囲の空気が一気に冷たくなる。主にシェレールが放ち出す冷たい威圧によって。
「…………ふふっ」
「っ!ク、クロム!へ、変なこと言わないの!ず、ずっとここに居ても邪魔だからもう戻りましょ!じゃあね、竜斗!シェレール!」
「そ、それじゃあね、竜斗君、シェレールさん。」
「……バイバイ……」
 レーネとレイルさんは、クロムを抱え逃げるように離れて行った。
「…………旦那様……」
「は、はいっ!」
 俺は、静まった空気の中、いきなり名を呼ばれビクッと体を震わせた。
 だが、シェレールの表情は今さっき見た寂しそうな表情になっていたので別に怖がる必要は無いなって思った。だが、怖がる必要はなくなったが不安要素が次に俺を襲った。
「………シェレール、子どものことなんだけど………まだ、答えは出せてないんだ。」
 俺は、シェレールから何か言われる前に先手を打ってそう言った。
「………そう……ですか………」
 シェレールは、まだ寂しそうな表情だったが納得はしてくれたようだ。
 …………いつになったら俺は、大人になれるんだろうか………

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