クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

324話 パレード

 間食に用意されたサンドイッチを全て食べ終わり10分ほどゆっくりとしていると扉の方からノックする音が聞こえた。
「竜斗〜、シェレール〜、準備出来たわよ〜。」
 そう知らせてくれたのはユイの声だ。
「分かった、もう出るよ。」
 そう言って俺とシェレールは、椅子から立ち上がる。
 そして、シェレールの方に手のひらを上にして向ける。
「シェレール、行こうか。」
 俺は、エスコートをするよという意志をみせながらそう言った。
「はい、行きましょう。」
 シェレールは、優しく俺の手の上に自分の手を乗せてそう言った。そして、そのまま俺に近づき俺の手から腕に手を動かした。
 シェレールは、ウェディングドレスだからいつもよりも遅く歩いた方がいいな。
 俺は、そう思い、いつもの1歩よりも歩幅を小さくした。
 ドアを全開に開けてシェレールを部屋の外へ誘導する。
「…………シェレール、いいわね。完全に竜斗を独り占め状態じゃない。」
 ユイは、俺たちのそんな状態を見て悔しさ半分、呆れ半分といったようにそう言った。
「えへへ、今日だけは旦那様は私のものですからね。」
「はぁ、全くお熱いこと。さぁ、行くわよ。みんな、待ってるから。」
「そうだな。シェレール、動くぞ?」
「は、はい!大丈夫です。」
 俺は、今さっきと同じ歩幅で動き出す。
 そして、歩くこと10分弱。
 魔王城の門の前には屋根なしの大きな馬車が置かれていた。
「竜斗、シェレール、これに乗ってちょうだい。」
 街の人たちは、外に移されたのか魔王城の中にはいなかった。だが、外からすごい人の声が聞こえてくる。
「ほら、早く乗って。」
「あ、ああ。」
 俺とシェレールは、ユイに急かされるようにして向かわされる。
 そして、馬車へ乗るための階段を1歩登るとシェレールに向けて手を差し伸べる。
「シェレール、ほら、ゆっくりと乗るんだぞ。」
「はい、ありがとうございます。」
 俺とシェレールは、ゆっくりと馬車に乗り込む。
 その様子をユイは、やれやれというような様子で見ていてほかの周りにいた執事やメイドさんは微笑ましそうに見ていた。
 だが、俺とシェレールは、まるでその目を気にしなかった。完璧に二人の世界に入り込んでいたのだった。
「それじゃ、動きますね。」
 俺たちが乗っている馬車を操縦する人からの声掛けでようやく二人の世界から帰ってこれた。
「は、はい、お願いします。」
「お願いします。」
 俺とシェレールが操縦者にそう言うと操縦者は、返事をして馬車を動かした。
 馬車はすごい高級品なのかあまり揺れたりはしなかった。
 そして、馬車で門を出ると大勢の人が俺たちを見て歓声を上げた。
 あちこちから「おめでとう〜!!」という祝福の声が聞こえてくる。
 そんな声を送ってくれる人がいる中で男の人はもちろん、女の人もシェレールに見惚れていた。
「やっぱり、シェレールはみんなから見られるな。」
「そ、そんなことないですよ!旦那様の方が私よりも見られてますよ!」
「いや、それこそない。ほぼみんな、シェレールの方を見てる。」
「う、うぅ……みんなから見てもらえるのは嬉しいですが1番見てほしいのは旦那様です。」
「ははっ、安心して。多分この中の人よりも俺の方が何十倍も見てるから。」
 と、そんな会話を街中のみんなに手を振りながら言っていた。
「で、でも、少なからず旦那様の方だって女性の方から見られてますよ!」
「ん?そうか?全く分からないんだが……」
「旦那様は、女性のそういう目に疎いですからね。まぁ、でもこれで旦那様は私のものっていうことが示せたので狙う人は少なくなってくるでしょうね。」
「狙うって……それが一番心配なのは俺の方なんだけど。」
「私は、旦那様以外の男性は興味ありませんから。」
「いや、それでも狙われたりするからな………それが一番の怖い。」
「ふふっ、それなら旦那様が私をずっと離さなかったらいいんですよ。」
 シェレールは、なんの照れもなくさも当然のように言ってくる。まぁ、確かにずっとそばにいれば不安になることなんてないんだろうけど。
「当然ですよね?私もずっと旦那様のそばにいれば旦那様に変に寄り付く人も居なくなるだろうし。」
「は……はは……」
 俺は、シェレールの言動に乾いた笑しか出なかった。
 街の人が祝福の言葉を送ってくれる中、俺たちは顔をみんなに向けながらそんなことを話していた。

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