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クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

321話 ウェディングドレス姿

「ったく!竜斗ったら、どこまで行ったのーーーきゃっ!」
 ナビからの報告を受けすぐに魔物をアイテムボックスに入れて魔王城に転移するとそこには綺麗な淡い赤色のドレスを纏ったユイが俺にぶつかってきた。
「あ、わ、悪い。大丈夫か?」
「もう〜、だれ〜?こんな時に……って!竜斗!」
 ユイは、少し赤くなった鼻と涙目で俺の方を向くと驚いたような声を出した。
「悪い、ちょっとゆっくりしすぎた。」
「も、もうっ!どこに行って……そんなことはどうでもいいわ!早く!来て!もう少しで結婚式が始まっちゃう!」
 ユイは、ものすごい慌てたように俺の手を掴み急いで部屋まで俺を連れて行った。
 元々城の中にいたので別に部屋までに着くまでにそんなに時間が掛からなかった。
「竜斗を連れてきました!」
 ユイが思いっきり扉を開けるとそう言った。
 すると部屋の中にいた人たちが一斉にこっちを見てホッとした安堵の安堵のため息を零した。
「遅れてすいませんでした!」
 俺は、まず遅れてきたことに関しての説明よりも俺が遅れてしまい心配をかけてしまったことへの謝罪をした。
「竜斗殿、無事で安心したぞ。どこへ行っていたんだ?もう少しで式に遅れるところだったぞ?何か大事な用事でもあったのかね?」
 ジゼルさんは、俺の無事を確認しつつそう尋ねた。
「あ、いや、その外に出て散歩をしていると魔物に出くわしてそこで新しいスキルを試していたらつい夢中になっちゃって時間のことまるで気にしていませんでした。」
 俺は、苦笑混じりに頭をかいてそう言った。
「そういうことか、分かった。でも、気を付けれてくれ。時間が大幅にズレてしまうところでした。」
「その点に関しては本当に申し訳ないと思っています。すいませんでした!」
 俺は、もう一度心の底から謝罪をする。
 自分の結婚式だと言うのにこんなに迷惑かけて最悪だ。
「私たちに謝罪するのもいいけど一番心配していたのはシェレールなんだからね。だから、シェレールに謝ってきなさい!」
 ユイは、ため息を吐きつつそう言った。
「えっと、シェレールが居る部屋って……」
「この3つ右の部屋よ。ほら!早く行ってあげなさい!あ、言っておくけどもう式が始まるからそんなイチャイチャする時間はないからね!」
「わ、分かってるよ!それじゃ、行ってくる!」
 俺は、半ば追い出されるような形になり部屋を出ていった。
 そして、俺はユイの言っていた右から3つ目の部屋の前まで行きドアをノックする。
 するとすぐに部屋の方から入っていいよと言う入室許可を聞き部屋に入る。
 そこには真ん中に真っ白なウェディングドレスを身に纏っているシェレールが座っていた。シェレールは、普段しないお化粧も軽くしていていつもとは違う雰囲気を醸し出していた。
「…………」
 俺は、その姿の前になにも言葉が出なかった。
 美しすぎる。ただ、それだけ。それ以上の言葉を付けると逆にシェレールの美しさを悪くしてしまう。それほどにシェレールは、美しすぎる。
 綺麗に整った白銀の髪。綺麗な淡いピンク色の唇。シェレールの全てが綺麗だ。
「………旦那様?」
 シェレールは、俺から何も言ってこないので不安に思ったのか少し心配そうな表情でこちらを見つめた。
「……ぁ……い、いや、わ、悪い。……シェレールのウェディングドレス姿、本当に綺麗だ。ごめんな、俺、どう伝えればいいのか分からないからこんなことしか言えない。でも、本当に綺麗だよ。」
 俺は、途端に恥ずかしくなりシェレールから目を逸らしてしまう。
 シェレールも頬を染めて恥ずかしそうにそれでいて嬉しそうにしている。
「……嬉しいです……旦那様に喜んでもらえて……だ、旦那様もとっても素敵ですよ。」
「あ、ああ、ありがとう。」
 俺とシェレールは、お互い恥ずかしくなり目を逸らしている。
「ねぇ、柊君、ここにはシェレールさんだけじゃなくて私とルビーさんもいるんだよ?」
「っ!」
 俺は、声のする方を向くと白井とルビーがいた。白井は、どこか不機嫌そうに頬をプクーと膨らませていてルビーは、何だか苦笑いをしていた。
「わ、悪い。全く気付いてなかった。」
「もうっ!確かにシェレールさんはものすごく可愛いけど………もういいや。それよりももうすぐ式が始まるよ?何しに来たの?」
「あっ!そうだった!シェレール、それにみんなも時間ギリギリになるまで居なくなって悪かった!ちょっと、夢中になることがあって時間のこと忘れてた!」
「そ、そうなんですか。無事で何よりです。良かったです。」
 シェレールは、ホッと息を吐く。
「ふふっ、師匠、リュウさんが居ないって分かった時の慌てようは凄かったですもんね!」
「うん、今さっきも柊君のノックの後の声を聞いてウェディングドレスのまま飛び出そうとしていたんだから。」
「………そ、そうなのか……」
「も、もうっ!2人とも!あまり余計なことは言わなくてもいいの!」
「ふふっ、別にいいじゃないですか。リュウさんに嫌われるわけじゃないですし。」
「そうそう。逆にそんなに心配してくれたのかって喜ぶんじゃない?」
「も、もういいよ!」
 と、そんなやり取りをしていると扉が開きユイがやって来た。
「竜斗、シェレール、そろそろ式が始まるからね。竜斗は、一旦、こっちに戻ってきて。シェレールは、後で誰かが呼びに来るから。」
「分かった。」
「分かりました。」
 俺は、ユイに言われた通り部屋から一旦出る。
 …………きっと、良い結婚式になるんだろうな。

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