クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

319話 天気

 結婚式。
 それは、新たな家族が出来る儀式のこと。そこから新たに紡がれる人と人の繋がり。きっと、これからの人生は、より一層色鮮やかなものになるだろう。誰もがそう願って疑わない儀式の場所。
 今日、俺たちが行う結婚式だって同じだ。俺とシェレールの新たな家族という関係。
 だが、それは決して綺麗な青空の下で行われるとは限らない。誰かが意図して天気を晴れにすることなど出来ないのだから。
 俺は、空を見上げ月にかかる灰色の雲を見ながら不安の表情をする。隣にいるシェレールも俺と一緒に不安そうな表情をしている。
「………この天気じゃ怪しそうですね。」
「………だな……」
 昼間まで綺麗な青空が出ていたのだが夕暮れ時から少し曇り始めてしまった。
「……晴れます……よね?」
「さぁ?これだけはよく分からないな。」
「そう……ですよね……」
 シェレールが悲しそうに目を伏せる。
 結婚式前にこんな顔はさせたくなかったのだが天気はどうしようもない。
「………あ、そうだ。てるてる坊主でも作るか。」
「てるてる坊主……ってなんですか?」
「俺らの世界で言うところの天気を晴れにしてくださいっていうものだ。……まぁ、気休め程度だがな。」
「気休め程度でも構いません!しましょう!」
 シェレールは、今さっきの悲しそうな目から一転してキラキラとした目で俺を見た。
 俺は、そんなシェレールを見て少し微笑んでから近くにあったティッシュを1枚丸めてそれをもう1枚のティッシュで包む。そして輪ゴムを付けて最後に顔を書いて完成だ。
「まぁ、こんなもんだな。」
「ふふっ、可愛いですね。」
 シェレールは、俺が作ったてるてる坊主を見て微笑んだ。
 俺にとってはシェレールのその笑顔の方が100倍可愛いわ。
「そ、それじゃ、一緒に作っていこっか。数が多い方が晴れやすいとか言われてるからね。」
「はいっ!頑張ります!」
 シェレールは、笑顔で作業を開始していく。
「これで明日は晴れますね!」
「今さっきも言ったけどこれは気休め程度でもだからね。晴れるとは限らないから。」
「大丈夫ですよ!旦那様と私が作るんですから!」
 何が大丈夫なんだろうか。
 まぁ、でも、そう考えた方がもしかしたら晴れてくれるかもしれないかも。
「ははっ、そうだな!」
 その後、俺とシェレールは、眠るギリギリまでてるてる坊主を作った。気づけばもう100個程になっていてそれを吊るす方が大変だった。
「……いっぱい出来ましたね。」
「そうだな、こんなに並んでいるのは見たことないな。」
「……ふぁ〜……」
「そろそろ寝るか。明日が雨でも結婚式はやるんだからな。」
「そうですね……でも、やっぱり晴れてほしいです。」
 シェレールは、再度願い俺と一緒にベットへ向かう。
 そして、結婚式当日の早朝。
 俺とシェレールが作ったてるてる坊主が役に立ったのかどうなのかは分からないが空を見上げると綺麗な青空が出ていた。
「本当に……晴れた……」
 俺は、本当に晴れたことに驚きを隠せなかった。
「やりましたね!旦那様!綺麗な青空です!それに見てください!あそこ!虹がかかっています!」
 雨が少し降ったのか、空には綺麗な虹がかかっていた。
「これは良い結婚式になりそうだな。」
「はいっ!そうですね!」
 シェレールは、結婚式が待ち遠しいというような表情で空にかかる虹を見つめていた。

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