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クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

316話 退屈しのぎ

「………はぁ、またお前か。」
「はっはっはっ、俺様は退屈しているからな!」
 今、俺は夢の中にいる。辺り一体は真っ暗で何も存在しない。この場で存在しているのは俺と何故かずっと俺の中で居座っている邪神。
「4日前からずっと予備やがって!めんどくせぇ!」
「仕方ないだろ。5日前まではお前を呼び出そうと思っても何かすごい力のせいで跳ね除けられてしまうんだからな。」
「いや、その前も呼ぼうとしてんじゃねぇよ!」
 5日前と言うと俺が最後に俺を責めたてる声が聞こえた日。それはシェレールのおかげで治まったが今度は邪神がずっと俺を呼んでいる。
「まぁ、俺様の本来の力ならあのくらいすぐに壊せたがな!」
「ったく、いつもいつもうるさいな。」
「うるさいとか言うなよ。こっちはいつも一人ぼっちなんだから寂しんだぞ?」
「………だったら今すぐに消してやる。あの神級スキルがなくても今のお前ならすぐに消せるからな。」
 俺は、そう言って手のひらに黒い炎を浮かばせる。
「ばっ!よ、よせっ!ホントに消えてしまわ!」
「だって本気だからな。」
「わ、悪かったって。今度からは控えるからさ。な、許してくれよ。あ、あと、お前にちょっと俺様の力も渡してやるから!」
「……………はぁ、まぁ、確かに完全に消せなくて一人ぼっちにさせていた俺も悪いんだけど。」
 俺は、そう言って手のひらに浮かべていた黒い炎を消した。
「それでお前の力を渡してくれるって言ってたけど何を渡してくれるんだ?」
「……これを正直人間族のものに渡すというのもあれだが……まぁ、お前ならいいだろう。」
 邪神がそう言うと急に邪神の体から一つの光の玉が出てきて俺の体に入っていった。
「………何をくれたんだ?」
「ふっふっふっ、これは俺様のとっておきのスキルの一つだ。」
「どんなスキルなんだ?」
「これは相手に攻撃を与えるものじゃない。逆に攻撃をしてもらうのだ。」
「攻撃をしてもらう?わざと攻撃を受けるって言うのか?」
「ああ、その通り。このスキルを発動中はどんな攻撃でも受けたら自分に吸収されていくんだ。物理攻撃、魔法攻撃、スキル攻撃、その他もろもろ、どんな攻撃でもだ。」
「へぇ、なら、すごいスキルなんだな。」
「だが、一つだけ言っておく。攻撃を受け続けて自分の力を大幅に超える力が入れば逆に自分の体に負荷を与え、体を壊してしまう恐れがあるぞ。」
「使い過ぎには注意が必要ってことか。……まぁ、サンキュー。いつかは役立ちそうだぜ。」
「当たり前だ。俺様の力なんだからな。役に立たないわけがあるまい!はっはっはっ。」
 褒められて嬉しかったのか邪神は、随分と嬉しそうな声色で笑った。
「あー、はいはい。それよりも今日はこの辺でいいか?少しは休憩を取って起きたいからな。」
「……まぁ、仕方ないな。またいつか呼ぶからな。」
「あ、一つ言っておくが絶対に明日は、呼ぶなよ。大事な用事があるんだからな。」
「その大事な用事ってあのシェレールとかいう娘との結婚式のことか?」
「ああ、そうだよ。だから、絶対に呼ぶな。分かったか?」
「………はいはい、分かりましたよ。」
 本当に分かったんだろうか。
 まぁ、もし約束を破って呼んできたら本当に消してしまえばいいか。
「ちょい、変なこと考えんなよ。」
「考えてないって。」
 俺は、笑顔で答える。
「その笑顔が怖いんだよ!明日は、絶対に呼ばないから!」
「………正直明日だけじゃなく最初の1年くらいは呼ばないで欲しい。」
「それは無理だ。俺様が退屈すぎる。」
「………あ、それならナビと相手をすればいいよ。」
(っ!)
 俺が勝手にナビのことを出したから反応してきた。
「ナビ?ああ、あのいつもお前に手助けをしているやつか。」
(マスター?何勝手に私を売ってるんですか?)
 ははっ、ごめんって。頼めるか?
(………まぁ、私もマスターが寝ている間は暇ですから別に構いませんが。)
「よし、なら、これからお前の相手はナビだからな。」
「うむ、了承したぞ。」
(本当に勝手に決めますね……)
 ナビがすごい不服そうに呟いた。
 それから俺は、少しナビの御機嫌を取り目を覚ました。
 もう夜が明けていて太陽が昇り始めていた。
 結婚式まで残り、1日。

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コメント

  • ノベルバユーザー313447

    予備やがって→呼びやがって

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