クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

310話 家探し

 今日は、セレスさんの約束で紹介された二人で暮らす家を見に行く日だ。
 シェレールは、今日のことを昨日伝えるとずっと嬉しそうにソワソワとしていた。
 昨日の夜もあまり眠れていなかったのではないだろうか?その様子は、まるで遠足前の子どもだった。まぁ、俺としては久しぶりそんなにソワソワとしたシェレールが見れたので良かった。
「旦那様!早く行きましょう!」
 そして、セレスさんとの約束の時間の20分前になるとシェレールは、俺の手を引いてセレスさんの部屋まで向かった。
「あらあら、二人とも随分と早いわね。」
 セレスさんの部屋に着いたのは部屋を出てから5分も経っていなかった。
「楽しみだったのでつい、早く来ちゃいました。早すぎたでしょうか?」
 シェレールは、嬉しそうにそう言った。
「ふふっ、別に大丈夫よ。それじゃ、行きましょうか。と、ちょっと待ってね。」
 セレスさんは、そう言うと部屋の中へと入っていって1分もせずに手にいくつもの鍵を持って現れた。
「重要なものを忘れてたわ。これで大丈夫。それじゃ、行きましょ。」
「はい!」
 俺たちは、セレスさんを先頭に魔王城から出てまず1番近い1件目に向かった。
 1件目は、魔王城から歩いて約15分と言ったところ。家はそこそこ大きめの家だ。2人で住むには少し大きいような気がする。
「………素敵………」
 シェレールは、家を見て第一声はその言葉だった。恐らく意図して言った訳では無いだろう。ポロリと思わず出てしまったと言うことがシェレールの表情から見て取れる。
「ふふっ、気に入ってもらえてよかったわ。まぁ、でも、まだ家の中に入ってないし他にも家は5件ほどあるからゆっくりと見て決めてね。」
「は、はい。」
 その後、俺たちは、セレスさんをまた先頭にして家の中を案内してもらった。
 家の中もものすごく綺麗で広かった。家の中は、キッチン、リビング、トイレ、洗面所、お風呂、そして10ほどある全く同じ部屋。家の中から見える外の景色には目を見張った。太陽の光を受けてキラキラと光る海が絶景できるのだ。
「すごい綺麗ですね、あの海。」
「ふふっ、ありがとう。………元々、あの海はゴミや魚の死骸ですごい汚かったの。それで私とジゼルで綺麗にしようと思って海の掃除を始めたの。それで私たちが掃除をしている姿を見た街の人々はその掃除を手伝ってくれた。そして、誓ったの。もう絶対に海を汚さないようにしようって。」
 セレスさんは、海を眺めながら過去のことを振り返るようにそう言った。
「………やっぱり、この街の人たちはいい人ばかりなんですね。」
 俺は、つくづくそう思った。最初は、俺のことを怖がって近づこうとはしなかった。でも、何度もこの街に通うことによって今では結構仲良くなれた気がする。
「ええ、そうなの。私は、この国の元王女として誇らしいわ。」
 今は、肩書きだけはクロムにほぼ任せているのでセレスさんとジゼルさんは、元王女と元魔王になる。こんなに若いのにその肩書きを手放すのは早いんじゃないだろうかと思ったがセレスさんやジゼルさんよりクロムの方が才能があるとかで早めに引き継がせて色々な経験を積ませて優秀な魔王にすると言っていた。
「…………旦那様、私、この家でいいです。」
 と、そこでシェレールがそう言った。
「え?ここでいいの?」
 セレスさんが少し驚いた顔でそう言った。
 俺も少し驚いた。
 シェレールは、昨日からずっとソワソワしていたのだ。だから、いっぱい見て色々と考えて家を決めるんじゃないかなって思ってた。それがここでいいと言ったのだ。それはさすがに驚く。
「………ごめんなさい、旦那様。勝手に決めちゃって。………でも、私、何だかここがいいなって本当に思えたんです。」
「………そっか。なら、ここでいいです、セレスさん。」
 俺は、シェレールの意見を尊重してセレスさんにここでいいと答えた。
「………分かったわ。それじゃ、この家の資料は今度渡すわね。」
 セレスさんは、特に言及してくることなく頷いてくれて了承してくれた。
「「ありがとうございます。」」
 俺とシェレールは、お互いに頭を下げてお礼を言った。
「気にしないで。ふふっ、大事に使ってね。」
「「はいっ!」」
 俺たちは、セレスさんの言葉に元気よく頷いた。
「それじゃ、契約したらもうここに住めるけど……いつから住む?明日には契約するとして明後日から?もう必要なものはこの家の中にあるし……」
「…………いえ、結婚してからでいいです。シェレールもいい?」
「はいっ!大丈夫です!旦那様の2人っきりの生活はとても楽しいでしょうけど……今は、みんなとの生活を楽しみたいので。」
「そう。分かったわ。それじゃ、あと約3週間後くらいね。」
 セレスさんは、そう言って嬉しそうに頷く。
「ふふっ、それじゃ今日はもうこれで終わりね。そろそろ帰りましょうか。」
「そうですね。」
 俺たちは、今度新しく住む俺たちの家を出てまたセレスさんを先頭にして魔王城へと帰って行った。
 今度からは、あの家に帰るんだな……
 結婚式まで残り、20日。

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