クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!
298話 弱い人
俺は………弱い………
いつまでも過去に捕われ続けて………ずっと、怯えていて………弱くて情けない。
今の世界での生活は、楽しい。楽しすぎる。でも………俺は、ずっと過去から逃げて……逃げて逃げまくって………それじゃ、ダメなんだ。
「過去」から目を背けて「今」だけを見ていても………
きっと、いつか楽しくない時間は訪れる。
過去のように生きるのが辛くなる時だってあるかもしれない。
その時……俺は、また逃げるのか?
その場所から逃げ、関わっていた人から逃げ、自分の気持ちから逃げて……それでまた一人ぼっちになって……そんな状態でまた俺は、生きるのか?
嫌だよ、俺は。
だから、俺は俺を殺さなくちゃいけない。そんな気持ちを抱いている自分を。
俺にとって今、一番大切なのはみんなと過ごす時間なんだ。過去なんかに邪魔されてたまるか。
「俺にはお前は不要だ。」
俺は、尻もちをついている過去の俺を見下ろしてそう言った。
そして、様々な感情を全て捨て、拳を振り上げる。
「終わりだ………じゃあな。」
俺は、最後にそう言うと拳を振り下ろそうとした……その瞬間。
背中に何かの衝撃が来た。
俺は、何が起こったのか分からなかったのでそのまま足元が崩れてしまい転んでしまう。
その際、俺に抱きついているのがシェレールだと分かったので咄嗟にシェレールを抱きしめて背中を地面に向けてシェレールへの衝撃を軽減させる。
「くっ!………」
俺は、地面に当たった衝撃を堪えて今、俺の腕の中にいるシェレールを見る。
「しぇ、シェレール!?」
「旦那様!今度は、私が助けますね!」
シェレールは、満面の笑みを俺に向けてそう言った。
「は?え?しぇ、シェレール?ど、どうしたんだ?急に。」
俺は、シェレールの言ったことが理解できず困惑してしまう。
「言葉通りの意味です!旦那様が何だか辛そうな顔をしていたので今度は私が助けてあげる番です!」
「え?お、俺が!?辛そうな顔を!?そんな顔した覚えなんてないぞ?」
「旦那様は、気付いてないだけですよ。」
シェレールは、唇を少し尖らせて言う。
「いやいや、まず、なんで俺が辛そうな顔をしなくちゃいけないんだよ?」
俺がそんな顔をする理由が分からなかった。
「………旦那様は、弱い人………」
「っ!?………」
シェレールからいきなり弱い人と言われてすごい心臓が痛くなった。
「………バレてたか?」
俺は、ある程度シェレールやみんなの前では強くあろうとした。
「………なんだ隠してたんですか?」
「みんなが俺を信用なんてしてくれないから。シェレールが俺から離れていってしまうと思ったから。」
俺は、弱々しく呟く。
すると、俺の手になにか水のようなものが垂れてきた。
「………シェレール?なんで泣いてるんだ?」
前を見るとポロポロと涙を流してるシェレールがいた。
「………なんで………なんで………信用してくれないんですか………」
シェレールは、涙を服の裾で拭いながらそう言う。
シェレールの涙は、拭っても拭っても止まることは無かった。
「………私……旦那様のこと………好き……大好きなのに……どうして………信じてくれないんですか………」
シェレールは、目を真っ赤にさせながらそう訴えてきた。
俺に抱きつき服を引っ張って子どもが駄々をこねる時のように泣く。
「………俺は、弱いから………だから、誰も信用なんて出来なかった………」
「っ!」
俺がそう言うとシェレールは、さらに涙を流す。
「………私は………信用してました……いいえ………信用しています………これまでも………これからも………ずっと信用してます!だから………だから、旦那様も私のことを信用してくださいよ!」
「………………今の俺にはきっとそれは出来ない。」
俺がそう言うとシェレールは、絶望したような表情をした。
きっと、今の俺、すごい酷い事言ってるな。
でも、シェレールに嘘はもう吐きたくない。
「俺は、シェレールのことが好きだ。大好きだ。だから、俺は過去の俺を殺さないといけない。」
「…………」
シェレールは、俺の胸に顔をうずめたまま、ずっと黙っている。
「シェレールは、言ったよな。俺が弱い人って。全くその通りだよな。好きな人をこんなに泣かせて………」
俺は、そう言いながらまだ泣いているシェレールの頭を撫でる。
ちなみに過去の俺は、今さっきの俺の攻撃のおかげで死んではいないものの気絶はしている。
「…………旦那様がレーネちゃんのお母さん、レイルさんを助けて今は、約1ヶ月が過ぎました。」
と、唐突にシェレールがそんなことを語りだした。
「この1ヶ月の間、私は、ものすごい辛かったです。恐らく、今までの一生の中で1番辛かったです。」
「ははっ、そんなにかよ。」
俺は、乾いた笑みを向けてそう言った。
「………私………もう嫌です………旦那様と離れるのが………」
「俺も嫌だよ………でも………」
「でもとか言わないでください!」
俺が言葉を続けようとするとシェレールが遮ってきて怒鳴る。
久しぶりシェレールが激怒している。
「私、色々と考えたんです。これからの生活のこと。………これから旦那様と結婚して……子どもを作って………いっぱい子どもを作るんです。男の子、3人と女の子、4人。」
「ははっ、そりゃ多いな。俺、大丈夫かな?」
「大丈夫ですよ。旦那様なんですから。」
「なんだ、そりゃ。何も大丈夫とも思えないな。」
「………そして、その子どもたちが成長するまで私と旦那様で支えて………子どもたちが大きくなって………その子どもたちが結婚して………孫ができて……いつかおばあちゃんって呼ばれるんです。」
「じゃあ、俺は、おじいちゃんか。」
「そうですね。…………私、これからの生活のことを考えるとものすごく楽しそうだなって思うんです。」
「これからの生活か………そう言えば考えたこと無かったな。」
それもそうだ。俺は、今まで「今」を生きるのに必死だったんだから。
「…………シェレールとの未来か〜。楽しそうだな〜。」
「はいっ!絶対に楽しいです!楽しくないわけがありません!」
シェレールは、今まで俺の胸に顔をうずめたが急に顔を上げてそう言った。
「………だから………だから、過去のことなんてどうでもいいんです。」
「っ!」
俺は、シェレールの言葉を聞いてゾクリと背筋が凍えるような感覚を覚えました。
「…………シェレール………それは無理だ………」
「いいえ、無理ではありません。」
俺の言葉にシェレールは、すぐに返答してきた。
その目は、真っ赤だったが覚悟が決まったような目をしてある。
「………シェレール………」
「私は、旦那様の恋人です。旦那様がこれからの道を迷っているのなら私が助けてあげます。今まで、ずっとずっと助けてもらってきたんです。これくらいじゃまだまだ足りませんが………せめてもの恩返しです!」
そうしてシェレールは、俺に優しくキスをしてきた。
「………ふふっ、久しぶりです。旦那様とのキス。旦那様の温もりも柔らかさも……全て久しぶりです。」
俺は、胸がどんどん高鳴ってきて………
「………シェレール……目が覚めたら………結婚してくれ………」
「っ!………はいっ!」
俺とシェレールは、共に涙を流しながら結婚の約束をした。
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