クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

293話 突然の再開?

 シェレールside


 最深部へと進み続ける中、それは私たちの目の前に忽然と現れました。


「皆さん!止まってください!」 
 ナビさんがそう叫んだ瞬間、この空間が揺れていることが分かりました。
「な、なに!?」
「……地震?」
 私たちは、慌てて腰を下ろして自身の揺れに対して備えました。
 その揺れは、約数十秒間続き、ようやく収まりました。
「みんな、大丈夫ですか?」
 私は、ゆっくりと立ち上がりみんなの無事を確認します。
「……うん……私は……大丈夫……」
「わ、私も大丈夫だよ〜。」
 2人とも、最初は慌てたようでしたが今は、しっかりと心を落ち着けて自分が無事だと伝えてくれます。
「良かったです。ナビさんは?」
 私は、キョロキョロと辺りを見渡すと地面からひょこっと現れました。
「無事ですよ。皆さんが無事で何よりです。」
 ナビさんは、元々旦那様の一部なのでこういうふうに隠れることも出来るようです。
「今の揺れ、なんだったんでしょうか?地震でしょうか?」
「……っ!シェレール!伏せて!」
 突然クロムが目を見開いていつもの口調とは全く違う慌てたような声で私にそう言いました。
 私は、クロムの声に咄嗟に反応してその場にしゃがみました。
 すると、クロムが魔法を放ち私の上を通り過ぎていきました。
 そして、一瞬何かの爆発音が聞こえ、その後に爆風が私たちのところまで来ました。
「な、なんですか!?」
 私は、伏せていたので何が起こったのかを全く理解出来ずにいました。
 爆風が止むと私は、今の状況がどうなっているのかを確かめるために一旦立ち上がりました。
「……シェレール……大丈夫?」
 すると、今さっき、魔法を放ったクロムが私が無事か確認してきました。
「はい、私は、大丈夫です。何が起こったんですか?」
「……分からない……何か……ものすごい……嫌な……魔力が……見えたから……攻撃した……」
 クロムは、淡々とそう言いました。
 確か、魔族には魔力を見る能力が備わっていると言ってましたからその能力を使って嫌な魔力というものを見たのでしょう。
「今は、どうなってるの?」
「……まだ……煙が……舞っていて……分からない……でも……人の……姿ってのは……分かった……」
 人の姿と言うとまたあの黒い敵のことでしょうか?でも、前まではこんなに慌てていなかったような……
 そして、少しずつ前方に舞っていた煙が消えていくと徐々に人の姿の影が見えてきました。
 私たちは、それを確認するといつでも戦える姿勢を整えました。
 私たちは、全員魔法使いなので近距離が不得意なのです。なので、接近戦に持ち込ませず、すぐに倒す必要があります。
「みんな!いきますよ!」
 私がそう合図するとみんな声を出して返事を返してくれて魔法を放ちます。
 私たちは、それぞれ自分が今出せる最大火力の魔法をぶつけて、一気に蹴りをつけます。
 それを放ち終えると私たちは、一旦呼吸を落ち着けてどうなったのか、様子を見ます。
 煙がモワモワと揺れる中、一人の人型の影を見つけて、私たちは、大きく目を見開きます。
「……だ………旦那様………」
 そう、私たちの目の前に現れたのは紛れもなく旦那様でした。
 ですが、どこか様子がおかしいことにはすぐに気づくことが出来ました。
 みんなも旦那様の様子がおかしいことには気づいたようです。
「……シェレール……どうする?」
「………少し様子を見てみましょう。」
 私がそう提案するとみんな、戦闘態勢は崩さないまま攻撃をせずに目の前にいる旦那様を見ます。
「…………て……………」
 何かを呟いているようですが生憎この距離だと全く聞こえません。
 ですが、これ以上近づくとこちらに被害が及ぶかもしれないので下手には近づけません。
 そうなれば手段は1つしかありません。
「旦那様!私です!シェレールです!分かりますか!?」
 私は、大声を出して前方にいる旦那様に問いかけます。
 すると、ゆっくりと旦那様は、顔を上げました。
「っ!」
 私たちは、その旦那様の表情を見て驚愕しました。
 ものすごく痩せ細っていて目も死んだ魚のような目なのです。
「だ………旦那様………ですよね?」
「…………て…………」
 また何かを呟いているのですがうまく聞き取れません。
 私の目の前にいるのは正しく旦那様。そう思い、ゆっくりと恐る恐る旦那様に近づいていきました。
「………旦那様……何があったのですか?」
「っ!近づくな!」
 私が優しく手を差し伸べると旦那様は、私を手で押して突き飛ばしてきました。
「きゃっ!」
 私は、その拍子にバランスを崩して倒れてしまいました。
「だ、旦那様………」
 私は、目の前でとても悲しそうで辛そうな顔をしている旦那様の表情を見て胸が締め付けられるような感覚を覚えました。
 そして、私がもう一度手をさし伸ばそうとした瞬間。
「シェレールっ!!」
 その声が私の耳へと入ってきました。

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