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クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

292話 もう1人の俺

 シェレールside
 最深部を進ま続けること役30分。
 ここまでは、なんの敵と会うことも無く進み続けられました。
「そろそろ竜斗様の居場所へと着きそうですね。」
 ナビさんがそう言うと私の心は、一瞬ドキッと強く打たれたような感覚を得ました。
「………シェレールさん……私の言った意味がどういうものか……恐らく分かってくれるはずです。」
 ナビさんは、そう淡々と喋りましたが何が分かるというのか私には全く見当もつきません。
 旦那様を殺すなんてこと………私に話しは到底出来そうもありません。
 それなのにナビさんは、私が旦那様を殺さないといけないと言っています。
「……シェレール……大丈夫?……すごい……顔色が……悪い……」
「うん、シェレールさん、やっぱり休んだ方がいいんじゃない?」
 クロムと白井さんは、私を心配してそんな言葉を送ってくれます。
「……大丈夫ですよ。あともう少し先に旦那様がいるんですから早く行って助けてあげないといけません。」
 私は、2人にそう言って鉛のように重たい足を無理やり動かし先へと進みました。
「………シェレールさん、不安ですか?」
 ナビさんは、唐突に私にそんな質問を投げかけて来ました。
「……当然です………」
「………ですが、竜斗様を救いたいんでしょう?」
「……当然です………」
「………なら、私の言ったことを守ってください。」
「っ!……すいません、私、あまり頭が良くないからナビさんの言っている意味が理解出来ません。」
「………大丈夫ですよ、きっとシェレールさんにも分かります。この先へと進めば……」
 私は、ナビさんの言葉を信じて先へと進みました。
 この後、どのような結果になるか私には分かりません。
 もしかしたら、本当に私が旦那様を殺して二度と会えなくなるかもしれません。
 私は、そんな不安を抱えてながら先へとどんどん進みます。


 竜斗side
「おっと、お客さんが来てるみたいだぜ?」
「は?お客さん?」
 俺は、邪神の言葉に小首を傾げた。
 ここは、俺の体の中。誰かが入ってこれるわけがない。
「ほら、見てみろよ。」
 邪神は、そう言うと俺の目の前に大型テレビくらいの四角い画面を出して何かを写し出した。
「ん?これって………っ!?」
 俺は、画面の先にいたのが誰だか分かり目を見開いた。
 画面の中には1つの小さい光の玉と3人の美少女、シェレール、クロム、白井。
「な、なんでここにいるんだ!?」
 俺は、画面をにぎりしめてそう叫んだ。
「さぁな?お前を助けに来たんじゃないのか?」
「た、助けにって……なんで?」
 俺は、助けられる覚えがなくて小首をかしげる。
「お前、現実世界じゃ約1ヶ月くらい寝込んでいてようやく目を覚ましたと思ったら記憶のないお前だったから、それで本当のお前を目覚めようとしてるんじゃないのか?」
「い、1ヶ月も?……俺、そんなに寝込んでいたのか……それに記憶がないって……」
「今のお前がここに居るからな。体だけが動いて本当の記憶のお前がこんな所でいるから記憶がなくなった存在が出てきたんだろうよ。」
「なら、俺がシェレールたちの元へ行けばいいんだな。」
 俺は、そう思い立ち上がる。
「それは無理だぜ。お前がここにずっと居てしまう理由はお前が原因じゃない。」
「……は?どういうこと?」
「今のお前とは違う………もう1人のお前が居るからな。」
「はぁ?何言ってるんだよ?俺は、俺だけだぞ?」
「確かにお前は、1人だ。だが、それは、肉体が1人というわけであって記憶の中のお前は色々なお前がいる。」
「色々なお前がいるって……夢じゃないんだから………」
「ここはお前の体の中だ。夢みたいなもんだろ。だから、お前が複数いても別に困らない。」
「…………まぁ、それは理解したとして……なんで、もう1人の俺が俺を閉じ込めてるんだよ?」
「さぁ?それは、本人に聞いてみてくれ。」
「本人に聞くったってどうやって………」
「ほら、あの奥に扉が見えるだろ?あそこを通ればお前の言うシェレールって子がいる場所だぜ。」
 邪神が指さしたほうを見ると確かに扉があった。あんな所に扉があるなんて初めて知ったわ。
「あそこを通ればいいんだよな。なら、さっそく行ってくる。」
「…………ああ、早くした方がいいかもな。」
 邪神は、シェレールたちが映し出されていた画面を見ながらそう言った。
 俺もその画面を見て何が起こったのかを確かめる。
 すると、そこにはもう1人の俺がシェレールたちと会っていた。
「ほら、早くしないとあいつら殺されちまうかもよ?」
「っ!」
 俺は、邪神の言葉で背中に冷や汗が流れ扉を思いっきり開いてそのまま駆け出した。
 間に合ってくれ!

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