クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

286話 番人

 扉や先に入ってから約一時間ほど経ちました。
 その際に何度も旦那様の過去の嫌な記憶が私たちの目の前へと現れました。
 そして、また私たちの目の前に旦那様の記憶が光の粒となって出てきました。
「……竜斗……嫌な記憶……多い……」
 クロムは、また新たに出てきた光の粒を見てそう呟きました。
「確かに1時間くらいでもう何十個も見てきたもんね。」
「……うん……」
 白井さんもクロムに賛同して続いてそう言いました。
「クロムさん、白井さん、今、そんなことを言ってるとこの先はもっと大変ですよ。まだ今までに出てきた過去の嫌な記憶はマシな方の部類に入ります。ですが、竜斗様にはあまりマシな方の記憶はないのでここから先はもっと嫌な記憶が出てきます。それに数も今までよりも多いですよ。百以上出るのは確かでしょう。」
「……そんなに……」
「柊君ってそんなに前の世界で嫌なことがあったの!?」
 2人がこれから先のことをナビさんに聞くと目を見開いて驚いていました。
「はい、ここが皆さんの世界のダンジョンだとするとここはまだ1階層くらいですかね。」
「まだ1階層って……ちなみに何階層くらいあるの?」
「そうですね……まぁ、一応これは例えなので詳しいことは言えませんが百階層くらいでしょうかね。」
「……ひゃ……百って……」
 クロムと白井さんがさらに目を見開いて驚きを表しています。
 正直に言うと私は、そこまでは驚いていません。
「あれ?シェレールさん、全く驚いてないね。やっぱりそんなことより柊君の方が心配?」
 白井さんが私が全く驚いていないのに気づき声を掛けてきました。
「う〜んと……まぁ、それもそうなんですが………旦那様に過去のことを聞こうとした時になにか尋ねてみるとすごい嫌な顔をされましたからね。それだけで……まぁ、結構辛いことがあったんだなって分かったんです。だから、少しは覚悟をしてきたので。それよりも早く行きましょう。白井さんの言ってた通り旦那様もすごい心配ですので。」
 私は、そう言って先に行こうとみんなを促します。
「そうだね、早く行こうか。」
「……うん……急がないと……」
 2人もそう言って私の意見に賛同してくれました。
「それじゃ、皆さん、ちょっと急ぎましょうか。」
 ナビさんは、そう言って今さっきよりも少しペースを上げて動き始めました。
 私たちも遅れないようにナビさんに急いでついて行きます。
 それから10分程歩いてから異変が起こり始めました。
 突然地面が揺れ始めたのです。
「な、何これ!?」
「……揺れてる……何が……あったの?」
「皆さん、敵が来ますよ。注意してください。」
 ナビさんがそう言うと黒い粒が多く現れてどんどん人型の形へとなっていきました。
「人……なの?」
 白井さんがたった今できた黒い人型の何かを見てナビさんに尋ねるように聞きました。
「あれは……ここの番人みたいなものですね。この場所に勝手に入ってきた侵入者を追い出そうとしているみたいですね。」
「…………やばいかな?」
「分かりません。あれは、私もどれくらいの強さなのか分からないので。」
 私たちは、ナビさんの言葉を聞いてゴクリと唾を飲み込みあの黒い人型を見つめました。
 ナビさんが分からないということは相手の敵の強さは未知数です。油断なんて出来るはずがありません。
 私がそんなことを考えているとあの黒い人型が突如動き出してきました。
「っ!任せて!」
 クロムは、そう言うと右手をこっちに向かってくる人型の何かに向けてなんの詠唱もしないで魔法を放ちました。
 その攻撃は、黒い人型に当たると爆発を起こしました。
 私たちは、次の攻撃に向けて3人で魔法の準備を行いました。
 そして、爆発の煙が消えるとそこには誰もいませんでした。
「どこに行ったの!?」
 白井さんがそう言うと私たちは全員で辺りをキョロキョロと見渡しましたが誰もいませんでした。
「倒せたようですね。」
「……あれで……終わったの?」
「そのようですね。お見事でした、クロムさん。」
 私たちは、あれで終わらないと思っていたのでなんだか少し緊張が解けました。
「皆さん、倒せたことはいいですがまだ先は続くんですから気は抜かないでください。」
 ナビさんは、私たちの緊張が解れたのを分かったのか注意をしてきました。
「すいませんでした。まだまだ、先は続きますもんね。」
 私は、そう言って頬を両手でパンパンと叩いて気合を入れ直しました。
 それからも私たちは、順調に進んで行きました。

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