クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

280話 これは夢?

 シェレールside
 レイルさんの謝罪の後、私たちは少し雰囲気が和み会話も少しずつ出てきて食事をすることが出来ました。
 そして、そろそろ食事も終わろうとしていた時に光の玉にナビさんが扉を開いて慌てたような口調で私たちに話しかけました。
 私は、ナビさんを見た瞬間、心臓がドクンと強く跳ねたようた気がしました。
「ど、どうしたんですか?」
 私は、まず状況を把握しようとナビさんに尋ねました。
「りゅ、竜斗様が起きました!」
「「っ!」」
 私とクロムは、その言葉を待っていたとばかりに勢いよく席から立ち上がり食堂から飛び出ました。
 食堂から飛び出る際、ナビさんが何か言いかけていましたが私とクロムは、無視して旦那様の部屋へと向かいました。
 そして、旦那様の部屋の扉を勢いよく開けてベットの方に目をやるとそこにはずっと目にしたかった光景が広がっていました。
「っ!……だ、旦那様!」
「っ!……竜斗!」
 私は、感極まったように手を口元に当てて泣きそうになりました。
 クロムは、本当に嬉しそうに目元の端に涙を溜めて笑顔を向けました。
 だけど、そんな私たちの喜びを消し去る一言が旦那様の口から出てきました。





「…………君たち………誰?」






 私は、その言葉を聞いた瞬間、時が止まったように感じました。
「………い………今………なんて……言ったの?」
 クロムは、今聞いた言葉理解できなかったのかもう一度改めて聞こうとする。
 確かにもしかしたら聞き間違いだったかもしれません。
 いいえ、絶対に聞き間違いです。それかもしくは寝込みすぎて意識が朦朧としていたんです。
 そうです、絶対にそうです。
 だから、旦那様、言ってください。悪い、ちょっと寝ぼけていたって……
「……えっと……君たちは一体誰なんですか?」
「「っ!」」
 私たちは、二度目のその言葉を聞いて間違いではないと確信してその場に膝をつきます。
 ………これは……夢なんでしょうか……そうです、夢ですよ………
 こんな夢見てないで早く起きて旦那様の様子を見ないと……
 私がそう思い始めた頃、再び旦那様の部屋の扉が開けられた。
「シェレール!クロム!大丈夫!?」
 扉を開けたユイさんが部屋に向かってそう叫びましたが今の私たちの様子を見て全てを悟ったらしい。
 恐らくユイさんたちは、私たちが部屋から出て行った後にナビさんから旦那様のことを言われたんでしょう。それで私たちのことが心配になって急いできたという所でしょうか。
「………ユイ……さん………心配しないでください……こんな夢……すぐに起きますから………」
 私は、震えた声でユイさんにそう言いました。
「……シェレール………」
 みんな、どこかすごい悲しそうな顔をして下を向きました。
「なんでそんな顔をするんですか?大丈夫ですよ、すぐに目覚めればいいだけのことなんです。そうです!旦那様がこんなに寝込んでいたのもきっと夢なんでしょう!私が起きたらきっといつもの旦那様がいるはずです!」
 私は、なんの根拠もないのにユイさんにそう言う。
「…………あ、あの………皆さん………大丈夫ですか?」
 ユイさんがどこか悲しそうな顔をして私に話しかけようとした瞬間、旦那様の方から声が掛けられました。
 みんな、一斉に旦那様の方を向くとさらに悲しそうに下を向く。
 白井さんやルビーさんは、泣いているようです。
 全く、これは私の夢なんですから泣かないでくださいよ。
 ふふっ、大丈夫です。すぐにみんなが笑顔でいられるような世界にしてあげますから………
 私は、早く目覚めろと思いますが全く目覚める気配がありません。
 はぁ、私の夢、ものすごくタチが悪いですね。こんな悪夢……早く終わりにしたいです。
「………シェレール、ちゃんと聞いて……」
 ユイさんは、私の方を見つめたまま声を発する。その声は微妙に震えていて………
「………シェレール………これは夢なんかじゃないわ。竜斗は、本当に………記憶を無くしちゃったの………」
 その言葉を聞いた瞬間、私の心にピキっとヒビが入ったような気がしました。

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