クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

276話 頑張りすぎ

 第三者視点

 竜斗が寝込んでから約1週間が経った。
 まだ竜斗は、1度も目覚めてはいない。
 さすがにそんなに時間が経つとみんなの不安な気持ちはどんどん増えていく。
 その期間でユイや白井、ルビーやほかの人たちにも竜斗がこうなってしまった理由を話し、みんなも早く竜斗が起きてくれることを願っている。
「………おはよ、みんな。竜斗は……まだ起きてないね。」
 竜斗の部屋へとユイが現れ、部屋に残っていたシェレール、白井、ルビー、クロムの4人に挨拶をして竜斗が起きたかどうか実際に見てみる……が、ユイは、昨日と同じようにまだ眠っている竜斗見て落ち込む。
「……俺から魔力が尽きるまで私と白井とルビーさんでずっと治癒魔法を掛けていたのですが……全く効果はありません。」
 シェレールと白井とルビーは、これまでもずっと魔力が尽きるまで最上級の治癒魔法を使ってきたが全く効果がない。
 シェレールの聖女としての力も使ったのだが……治癒魔法と同じように全く効果がなかった。
「………みんな、ずっと竜斗の様子を見て疲れたでしょ?私が竜斗を見てるからみんなは休んできて。」
「私は、結構です。」
「……私も……大丈夫……」
「私も大丈夫だよ。」
「私も大丈夫です。」
 ユイは、そう言ったもののみんな、竜斗を心配して休もうとはしない。
 だけどさすがにシェレールとクロムをそろそろ休ませないといけない。この2人は、ずっと竜斗を見守っていて何度か寝落ちしたこともあるのだがほとんど眠ってない。
「………はぁ、ったくあんたたちは……シェレール!クロム!2人は、今すぐに休憩しなさい!」
 ユイは、声を張り上げて2人にそう言う。
「っ!ゆ、ユイさん!も、もう少し静かに!竜斗が起きちゃいます!」
「……そ……そう……だよ……」
 2人は、竜斗が目を覚ましちゃうんじゃないかと心配してユイに静かにしてと言う。
「別にいいじゃない。竜斗には、起きて欲しいんでしょ?なら、これで起きてくれたらいいことじゃない。………まぁ、起きる様子は全くないけど……」
 ユイは、まだピクリとも動いていない竜斗の寝ている姿を見てそう言う。
「……わ、私はさっきも言った通り大丈夫ですので。みんな、私には気を使わず休んできてください。」
「……私も……全然……平気……」
 2人とも、全く休もうとはしない。
「…………はぁ、仕方ないわね。それじゃ、お茶でも淹れてくるから待ってて。」
 ユイは、そう言って4人分のお茶を作る。そして、ユイは、その中にある魔法を掛けた。
「……これでよしっと。」
 ユイは、淹れたばかりのお茶をみんなの元へ持っていき配る。
 みんなは、ユイにお礼を一言言ってそのお茶を飲む。
 するとみんな、何かの糸が切れたかのように眠り始めた。
 ユイが今さっきのお茶に掛けた魔法は、催眠魔法で睡眠効果を持っているのだ。
「……ふぅ、ようやくみんな寝たわね。」
 ユイは、みんなを見てちゃんと寝ているか調べて寝ていることを確かめるとみんなを風魔法で持ち上げて一応用意していた布団に横に寝かせる。
「全く……みんな、頑張りすぎよ。」
 ユイは、溜息をつきそう言うとドアが微妙に開いていてこちらを見ている人影があることに気づく。
「ん?……あ、もしかして、あなた、前に竜斗が言ってたレーネ?」
「っ!」
 ドアの前でコソコソとしていたレーネは、ユイに急に声をかけられてビクッと肩を震わせる。だが、逃げようとはしなかった。レーネ自身の成長か、それか竜斗をそれほど心配しているのか、それともその両方か、それは分からないがレーネが逃げないのなら部屋に入れてあげようと考えたユイ。
「……レーネ、入ってきていいよ。みんな、眠ってるしここには私一人しかいないわよ?」
「…………………そ、それじゃ………」
 レーネは、恐る恐るゆっくりとドアを開けて部屋へと入る。
 ユイは、そんなレーネを見てくすくすと笑う。
「別にそんなに緊張しなくていいわよ……って言っても無理か。まっ、とにかく私は、ユイ、よろしくね。」
 ユイは、そう言って右手を差し出す。
「………あ、あたしは………レーネ……よろしく……」
 レーネは、ロボットのようにカクカクと動きユイの手を握った。
「う〜ん……やっぱり緊張するわよね。」
「……ごめんなさい……」
「あっ、別に謝らなくていいわよ。まぁ、初対面の人と話すのは緊張するわよね。仕方ないわ。」
 レーネの場合、さらに過去が過去なので人よりも2倍も3倍も緊張してしまうのだろう。
「………あれ?今日は、お母さんのレイルさんはいないのね。」
「……あ……うん……今は……クロムの……両親と……話してる……」
 レイルは、最初は慣れない城生活だったが今は、何とかやっていけている。みんなとの距離もだいぶ近づいていると母親の方はこの生活には全く困っていない。
「そうなんだ、ありがとう。教えてくれて。……あ、竜斗の様子を見に来たんでしょ?ごめんね、邪魔しちゃって。」
 ユイは、そう言ってベットから1歩下がる。
「あ、ありがと……」
 レーネは、緊張した表情と竜斗を心配している表情が混ざっている。
「………あ、あの……ゆ、ユイ……さん!……わ、私と……その……お話しませんか?」
 レーネは、ユイの顔を見てそう言った。
「お話?……別にいいけど……ううん……しようか!お話!」
 ユイも乗り気になって嬉しそうにそう言った。
 それからユイとレーネは、お互いに向き合い話を始める。
 竜斗は、まだ眠ったまま……

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コメント

  • ノベルバユーザー305026

    クロムって睡眠魔法効かないんじゃないの?

    0
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