クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

275話 1番に

 第三者視点

 気絶した竜斗を連れて魔王城へと帰ってきたシェレール、クロム、レーネの3人と新たに仲間へと加わり初めて魔王城へ訪れたレイル。それと光の球体のナビ。
 みんな、まずは、竜斗をベットへ寝かせ体の具合がどうか調べる。
「………少し呼吸が早いですが……恐らくは大丈夫でしょう。」
 シェレールが竜斗の具合を見てそう判断した。
 みんな、シェレールのその言葉を聞きホッと胸をなでおろした。
「…………本当に良かった……竜斗……本当にありがとね……」
 レーネは、上ずった声でそう言って竜斗の手を握る。
「……竜斗君が起きたらちゃんと私の方からお礼を言わないと……」
 レイルも竜斗の空いている方の手を握り涙を零した。
「……シェレール……いいの?……見てるだけで?」
 クロムは、シェレールに2人が竜斗の手を握っていることが不満ではないのか尋ねる。するとシェレールは、落ち着いた表情でこう答えた。
「仕方ないです、今回ばかりは。」
「……そう……」
「ええ、旦那様が頑張って守った人たちなのですからそこに水を指すのはさすがに私も出来ませんよ。」
 シェレールは、表向きにはそう言っているものの心の中では竜斗に抱きついてずっと看病していたと思っている。
「……竜斗……早く……目……覚まして欲しいね……」
「はい、本当にそうですね。」
 みんな、竜斗に早く目を覚まして欲しいと思いながら竜斗のそばにいる。
 だが、そろそろ夕食どきなので一旦竜斗を部屋に残し食堂へ行きみんなにレイルの紹介を簡単にして夕食を食べる。
 ナビは、もしも竜斗が起きた時、みんなに知らせるために残っている。
「…………旦那様がいない食事なんていつぶりでしょうか……」
「……私も……久しぶり……」
 シェレールとクロムは、お互いいつも竜斗を真ん中にして食事をしていたのでいつも隣にいる人がいなくなって違和感というよりも寂しさが心の奥から滲み出てくる。
「……あ……この……お肉……竜斗が……美味しいって……言ってた……やつだ……」
「……このスープも竜斗、美味しいって言ってましたね。」
 二人とも、どうしても竜斗のことが頭から離れないのかついつい竜斗のことを考えてしまう。
「……やっぱり……竜斗には……隣にいて欲しい……」
「私だってそうですよ!ずっとずっと隣にいて欲しいです!」
「………………もし……竜斗が……起きてこなかったら……」
「っ!そ、そんな怖いこと言わないでください!竜斗は、絶対に起きてきて私たちにいつも通りに接してくれるはずです!」
 二人の寂しいという思いはどんどん竜斗が隣にいなくなるのではないかという不安感に変わっていく。
「………私、もう食事は結構です。竜斗のところへ行ってきます。」
「っ!……シェレール……ダメ……ちゃんと……ご飯……食べなきゃ……」
 シェレールは、不安そうに声を震わせながらそう言って席を立ち竜斗の部屋へ行こうとするがシェレールの腕をクロムがぎゅっと握りそれを止める。
「……もうお腹いっぱいなので大丈夫です。」
 だが、シェレールは、クロムの静止を聞かずに腕を振りほどこうともう片方の手をクロムの握っている手に伸ばす。
「……竜斗が……目覚めた時に……1番に見たいのは……シェレールの……元気な……笑顔だと……思う……」
 シェレールは、クロムの腕に伸ばしていた手を止める。
 それもそのはず。今の今までクロムは、シェレールに対して竜斗を奪ってやるっていう挑発をしていたのだから。そんなクロムからシェレールが1番と言われたのだからそれは驚くのも必然と言える。
「……だから……ちゃんと……ご飯食べないと……いけない……」
「………はい……そうですね……すいません……」
「……別に……謝らなくていい……」
 クロムは、照れたのを隠すようにちびちびとご飯を食べていく。その様子は実に可愛らしい。
 シェレールも一旦落ち着いて席に座り直し食事を続ける。
 そして、ちゃんと食事を取り今さっきの4人で再び竜斗のもとへ行き具合を見る。
 竜斗は、まだ眠ったまま……

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