クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!

白狼

272話 取り除く方法

 レイルさんに邪神の力を取り除いて欲しいと頼まれてそれをOKしたのはいいものの……どうやって取り除けばいいんだ?
 あの時は、勢い任せで言ってしまったからどうやってやるのか全く考えてなかった。
「………もしかして、竜斗君、どうやってママの体の中にある邪神の力を取り除けばいいのか分からないの?」
 レイルさんから痛いところを突かれる。
 今さっきからなんの話しをしているのか分からないレーネは、今まで目を丸くして俺たちを見ていたが俺がなんの根拠もなくレイルさんのお願いを受け入れたことが分かったのか俺に鋭い視線を刺した。
「………竜斗、ママに希望を持たせたのにまたそこから突き落とす気?」
「……………すいませんでした、レイルさん。俺、なんの根拠もなくあんな適当な事言ってしまいました。」
「う、ううん、大丈夫よ。……もともとこれは私の問題なんだから……簡単に人を頼ろうとした私がいけなかったの。」
「………そ、そんな……男が1度約束したからには絶対にその約束、守ってみせます!絶対にレイルさんを助けます!」
 俺は、今さっきまで少し弱気になっていた心に喝を入れて覚悟を決めた。
 絶対に助けてみせる。
「………でも、方法がないんでしょ?それじゃ、どうしようもないわよ。」
 レイルさんは、どこか諦めたような表情だ。
「竜斗!どうにかならないの!?」
 レーネは、そんなレイルさんの表情を見て、不安になったのか俺を掴んで揺さぶってきた。
「………大丈夫、レーネ。絶対に俺が助けてあげる。」
 俺がそう言うとレーネは、まだ今さっきと同じでなんの根拠もないのにどこか安心したような表情を取った。
 ここまで言ったんだ。絶対にどうにかしなくちゃいけない。それに……もうレーネが泣くところは見たくない!
(どうせ私に頼る気でしょう?)
 おっ、よく分かったな?
(ふふっ、これでもマスターとずっと一緒にいますから。)
 確かにそうだな。………それでなんかいい手段とかないかな?
(…………現在マスターの所持してるスキルや魔法では邪神の力を取り除くのは無理です。)
 っ!む、無理……なのか?
(ですが、マスター、この前、最高神様から新たな力を与えられたでしょう?あれを使うともしかしたら取り除けるかもしれません。)
 っ!マジか!ガルデさんから貰ったスキルって一体なんだったんだ?
(ジ・エンドという超特別なスキルです。)
 ジ・エンド?それってどういった能力なんだ?
(マスター自身の力を消す、という能力です。)
 ……………は?俺自身の力を消す?どういうことだ?
(マスターの現在所持しているスキルや魔法、称号を消すことが出来るのです。)
 ……………それって別にいらなくね?
(いえ、マスターは、完全創造を持っていますよね?それで色々なスキルを作ってきました。もともとスキルというのは自分の体の中にある力を最大限出せるようにするものなのです。ですが、スキルを多く作ってしまうとその人に掛かる負荷は莫大なものです。最高神様は、新しいスキルを作る時に負荷がかからないようにするためにこのスキルを与えてくれたのでしょう。)
 へぇ、スキルってそういうものだったんだな。全く知らなかった。
 でも、そのジ・エンドでどうやって邪神の力を取り除くんだ?
(………これはマスターにものすごい負担がかかってしまうのですが………よろしいでしょうか?)
 ………ああ、構わない。
(一応言っておきます。…………死ぬ可能性もあるのですよ?)
 っ!………大丈夫だ。ナビ、頼むからあんまりビビらせないでくれ。俺が覚悟を決めたんだからそれを揺らさないでくれ。
(…………すいません。では、説明に入ります。)
 それからナビによって簡単に説明された。
 その説明の内容はこうだ。
 まずは、レイルさんの体の中から邪神の力を俺の体に移す。ここは、ナビがやってくれるそうだ。
 そして、ジ・エンドのスキルを使い邪神の力を消すというのがナビの考えたものだった。
 一番危ないのは邪神の力を体に取り入れたあと、その力に呑まれないか……だ。レイルさんは、何とか上手くやっているらしい。
 俺には他の意見がないからそれに賭けるしかなかった。
「………レイルさん、邪神の力を取り除く方法が分かったから来てください。」
「っ!ほ、本当!?」
「ええ、本当です。」
「…………竜斗、危ないことはしない?」
 レーネは、こちらを不安そうな表情で見ながらそう尋ねる。
「大丈夫だよ。だから、安心して見ててくれ。」
「…………分かった……」
 レーネは、まだどこか不安が消えてないがとりあえずは納得してくれた。
「………まずは、レイルさんの体の中から邪神の力を俺の体に移します。」
「っ!竜斗君、それって………」
 俺は、レイルさんの言葉を途中で遮った。
「任せてください。俺は、大丈夫ですから。」
「っ!…………本当にごめんなさい。」
 レイルさんは、小さな声で謝ってきた。
「……………それでは、始めますね?」
 俺は、レイルさんの手を握り優しく抱きしめた。そして、レイルさんの頭に優しく俺の頭当てる。
(マスター、それでは邪神の力をマスターの体に移します。)
 ああ、頼む。
(………それではいきます!)

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