クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!
271話 レイルさん
レイルさんは、覚悟している目とは裏腹に声は完全に震えていた。
「………なんで………俺がレイルさんを………殺さないと…………」
俺は、声を絞り出すようにしてそう言った。
「………私は、邪神。この世界にいるとそれだけで災いをもたらすの。…………だから、死んで当たり前なの………」
「………すぅ〜…………はぁ〜………」
俺は、一旦深呼吸して落ち着きを取り戻す。
「…………俺は、今さっきも言った通り悪い人じゃないのにその人を殺すなんて出来ません。だから、レイルさんを殺すことはできません……」
「…………竜斗君は、私が悪い人じゃないって言うけどね………私、実際は本当に悪い人なのよ?そうじゃなきゃ邪神になんてなれないわ………」
レイルさんは、どこか必死になってそう言った。
「……………竜斗君、お願い………もう生きてるのが辛いの………」
「っ!」
俺は、レイルさんの「生きてるのが辛い」という言葉を聞いて一瞬、なにか衝撃が来た感じがした。
「………レイルさん………ただ……生きてるのが辛いからって………俺に殺してと頼むんですか?」
「………いいでしょ?生きていたって今の私には…………何も無いから………」
俺は、その言葉を聞いた瞬間、レイルさんの頬を叩いていた。
「っ!?………っ!自分に何も無いとか言うな!あんたにはまだまだ生きるために何かあるだろうが!」
俺は、怒りを爆発させて今さっきまでの敬語口調を崩して怒鳴っていた。
「……あんたには……まだレーネもいるのに………勝手に人に押し付けたまま……死ぬとか……ふざけるな!あんたにはレーネがいるんだろ!?今さっき、レーネと再会した時、お互いすごい嬉しそうだったじゃねぇか!レーネは、時々寝ている時に寂しそうにあんたのことを呼ぶんだって俺は聞いたことがあるぞ!あんたは、またレーネを悲しませるつもりか!あんたは、レーネと一緒に暮らしたくないのか!?レーネと一緒に笑ったりしたくないのか!?邪神の力が邪魔するっていうなら俺がその力を奪ってやる!あんたに生きたいと思わせるような人生をやるよ!だから、生きるのが辛いとか言わないでくれ!」
俺は、こんなことを大声で熱弁してしまった。だけど、別に後悔とか恥ずかしさとかそんなものはない。
「…………竜斗君………」
レイルさんは、今にも泣きそうな目をしていた。
そして、レイルさんがまた口を開こうとした瞬間、部屋の扉が開いた。
「………竜斗?どうしたの?今さっきまであんな大声で叫んで……」
レーネがどこか不安そうに俺とレイルさんを見ながら尋ねる。
するとレイルさんが今さっきまで耐えていた涙が溢れるようにして零れていった。
「マ、ママ!?どうしたの!?な、なんで泣いてるの!?」
レーネは、レイルさんが涙を流していることに気づくとすぐにレイルさんのそばに近づいた。
「どうしたの?どこか痛いの?あ、ちょっと右の頬が赤くなってる……も、もしかして竜斗が!?」
レーネは、俺をレイルさんを泣かせた犯人と決め睨んできた。
「……ち、違うの……レーネ……竜斗君からは……ちょっと怒られちゃっただけ……泣いてるのも目に少しゴミがはいちゃったからよ。」
レイルさんは、そう言うと涙を拭う。
「ふふっ、ありがとね、レーネ。私のためにそこまで怒ってくれて。」
「う、ううん、だって、ママだから当然だよ!」
「ママ………ねぇ、レーネ……………こんな私と一緒に暮らしたい?」
「っ!も、もちろん!ママと一緒に暮らしたい!」
「………本当に?私、レーネを一人ぼっちにして……辛いこともいっぱいあったんでしょ?」
「っ!そ、それはそうだけど………でも、今は楽しいもん!友達もできたし……それに……竜斗もいてくれるし………」
レーネは、そう言うとチラッと俺の方を見た。
全く、今さっきまで俺を睨んでいたのに。まぁ、レイルさんが庇ってくれなきゃ普通に俺が犯人だったんだけどね。
「ふふっ、あなたとの生活……楽しそうね。」
「うん!絶対に楽しい!だから、ママ……一緒に暮らそ!私からクロムにお願いして魔王城に住めないか頼んでみるから!」
「あら?あなた今、魔王城に住んでるの?ふふっ、いいわねぇ。」
「でしょ!?だから……一緒に行こ?」
「………………………竜斗君、今さっきはありがとう。私を助けてくれて。私を怒ってくれて。」
レイルさんは、レーネの話を一旦置いて俺の方を向きぺこりと礼をした。
「い、いいんですよ。別に謝らなくても!それに……あの言葉は………レイルさんへと言うより………」
昔の俺に送ったって感じだな。
昔、俺もよく生きるのが辛いとか思っていたからな。
俺は、レイルさんに昔の俺の面影を当ててあんなことを言ったんだろう。
「そ、それよりも、頬の方は大丈夫ですか!?け、結構強く叩いたんですが……」
俺は、今さっきレイルさんを叩いたことを思い出し腫れてないか確かめる。
「大丈夫よ。………なんだって私は、一応神なんだから。」
レイルさんは、少しニコッと笑ってそう言った。
「……………ママ?神ってどういうこと?」
レーネは、レイルさんが邪神ってことを知らないらしい。
「ふふっ、まぁ色々とあるのよ。………それよりも竜斗君、今さっきの言葉、私覚えてるからね?」
「ん?今さっきの言葉?」
「……………邪神の力が邪魔するっていうなら俺がその力を奪ってやる………っていうあの言葉。」
あ、俺、そんなこと言ったんだな。すっかり忘れてたわ。
「…………それでお願い。私の中にある……邪神の力を………取り除いて欲しいの!」
レイルさんは、必死な様子で俺にそう頼んできた。
「………任せてください!」
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