クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

269話 感動の再開?

 その扉を開けた先にいたのは……レーネとどこか似たような雰囲気を醸し出している美しい女性の背中。恐らくレーネが大人になったらこのような女性になるだろう。
 俺は、その女性に心当たりがある。
 そう、紛れもなくガルデさんに教えて貰った邪神である。
「………な……」
 俺は、まさかこんな所で会うとは思ってはおらず心の準備も戦う意思も何も無かった。
 まずは、どうにかしてレーネをどこかにやらないと。
「…………」
 ん?どうしたんだ、レーネ?
 レーネの方を見るとレーネも何故か目を見開いていた。
 俺がそんなレーネに声を掛けようか迷っていると邪神と思われる女性がこっちを向いた。
 その姿は、本当にレーネとそっくりだった。レーネよりも少しスッとした顔立ち、それに腰まで伸びている黒い髪やずっと見ていると吸い込まれそうなほどの黒い瞳。その姿に少し俺は、見とれてしまった。
 その女性からは、なんの戦う意思も感じない。今までの敵と違ってビリビリと俺にプレッシャーを感じさせない。
 なんなんだ……これが邪神なのか?まるで普通の人のようにしか見えないぞ。
「…………あなたは………」
 邪神は、俺を見ながら……ではなくレーネを見ながらそうボソッと言った。
「っ!ママっ!」
「っ!レーネ!?」
 レーネは、急に駆け出し邪神の方に向かっていった。それに今、俺の聞き間違えじゃないとしたら確実に………ママといったはずだ。
 どういうことだ………邪神がレーネのお母さん?ってことはレーネは、邪神の子ども……なのか?
 レーネは、そのまま邪神にぎゅっと抱きいた。あれを見る限りあの邪神がレーネのお母さんというのは間違いではないのだろう。
「っ!レーネっ!」
 レーネに抱きつかれた邪神も感極まったような声を出してレーネを優しく抱き締めた。
 ………なんだ?あれは邪神じゃないのか?
(いえ、マスター、あれは最高神様がおっしゃってました邪神で間違いありません。)
 っ!………やっぱりそうなのか………
 ってことは俺は今から………レーネの母さんを殺さなきゃいけないのか………
 ガルデさん、絶対にこの事知ってたよな。
 レーネと邪神の方を見るとまだ感動の再会をして二人とも涙を流してる。
 ………………………無理だ。今のあの状況に手を出すわけにはいかない………
「ママっ!どうしてこんな所に居るの?」
「ちょっと色々と事情があってね。それよりあなたこそ、どうしてここに?」
「えっとね、あそこにいる竜斗って人間の人にね、魔法を教えてもらって今日はその成果を見るためにここに来たんだよ!」
「………人間族の人………ちょっとママにも挨拶させてくれる?」
「うん、いいよ。」
 二人とも、何か話していたのだが急に俺の方を見たと思ったらレーネが俺のほうに駆けてきた。
「どうしたんだ、レーネ?」
「えっとね、竜斗、あそこにいるあたしのママが竜斗に挨拶したいんだって!いい?」
「………あ、ああ、もちろん構わないよ。」
「じゃ、来て!」
 レーネは、嬉しそうに俺の手を握り引っ張った。
「ママ!この人が竜斗!あたしの恩人でもあるの!」
「………………」
 レーネが俺の事を紹介するが邪神は、俺の事をじっと見つめていた。
「ん?ママ?」
「あ、え?な、何かしら?」
「竜斗がどうかしたの?そんなにじっと見つめて……」
「う、ううん、大丈夫よ。えっと、竜斗君だっけ?娘のレーネがお世話になってます。」
 邪神は、そう言ってぺこりと頭を下げた。まるで本当に普通の人のようだった。
「い、いえいえ、こちらこそ、色々と楽しくさせてもらってます。」
「ん?楽しく?………まさかっ!?」
「い、いえ!ち、違いますよ!?あなたの考えてることは絶対違いますからね!」
「私何も言ってないんだけどな〜………まぁ、いいわ。…………ねぇ、ちょっと二人っきりで話さない?時間は取らないから。」
「え?あ、はい、別にいいですが………レーネは、どうします?」
「………レーネ、私たち、ちょっとお話してくるんだけど……いいかしら?」
「なんの話しをするの?一応言っとくけど竜斗には彼女がいるからね?」
「あら?そうなの?ふふっ、それは残念。」
「も、もう、ママったら。いいよ、あたし、ここで待ってるから。行ってきて。」
「……うん、ありがとう。」
 邪神は、レーネのおでこに優しくキスをして俺の方を向いた。その瞳は、本当に吸い込まれそうなほど美しかったが……どこか底知れぬ力を感じた……
「…………それじゃ、ちょっと奥の部屋で話しましょ。」
「…………はい。わかりました。」
 俺と邪神は、レーネを置いてさらに奥の方に部屋へ向かった。

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