クラス転移で俺だけずば抜けチート!?

白狼

266話 ピクニック

「………………」
「………………」
 太陽の光が差し、ほどよい風が吹いてとてもいい天気な今日この頃。
 そんな気持ちいい天気とは裏腹に俺の隣にいるシェレールとクロムが眉間にシワを寄せイライラとしていた。
 そんな二人を知ってか知らないのか、レーネは、俺の胸元でご機嫌そうな表情だった。
「……レーネだけ……ずるい……」
「本当です。旦那様、レーネちゃんにだけ甘いような気がします。」
「そんなことはないぞ。二人にもよくしてあげてるだろ?」
「……まぁ……確かに……」
「あれ?おかしいですね?なぜ、クロムにもそんなことをする必要があるのでしょうか?今度じっくり聞かせて頂く必要があるようですね。」
「しまった!つ、つい口が……」
「ひゃっ!?……もうっ!竜斗!あまり大声出さないで!」
「あ、悪い。」
 俺は、大声を出してレーネを驚かせてしまったことに謝る。
 今、なぜ俺がレーネを抱きかかえているのかというと………
 俺たちは、この前シェレールと一緒に考えたピクニックをしているため少し遠出している。転移のスキルを使えばすぐに到着できるのだがそんなのは面白くないので使わない。今は、城を出て1時間程度休憩を入れつつ歩き続けた。
 城を出るとすぐに街やら市場やらがあるので人が大勢いる。レーネは、そこで少し気分を悪くしてしまった。人に酔ってしまったのだろう。レーネは、結構頑張ってこのピクニックに参加してくれたのでこんなところで帰らせたくないと思い、レーネにも帰るかどうか尋ねてまだ帰りたくないということを聞いてから俺が抱っこしている。
 そして今に至る。
「……竜斗……今度……私を……抱っこして……」
 クロムは、可愛らしくお願いしてきた。
 そんなに可愛くお願いされたらダメって言えないじゃないか。
「ま、まぁ、抱っこくらいは…………」
「ふふ」
「っ!」
 い、今、一瞬、ものすごい殺気を感じたんだが………主にシェレールのほうから。
「や、やっぱり、クロム、1人で歩こうな。」
「……む〜……」
 クロムは、頬を大きく膨れあげている。その姿もめちゃくちゃ可愛い。
「っと、そろそろ目的地に着いたな。」
 俺たちが訪れたのは魔大陸にある魔物が少ない穏やかな山の頂上だ。
 ここに来るまでに城から休憩を入れながら1時間半くらいか。結構近いんだな。
「さてとレーネ、そろそろ下ろすぞ。」
「え?も、もうっ!?」
「だって、もう着いたしな。なんだ?レーネは、俺に甘えたいのか?」
「っ!ち、違うわよ!は、早く下ろしなさいよ!」
「ははっ、分かってるって。」
 俺がレーネを地面に下ろすとすぐにシェレールとクロムが俺の腕にべったりとくっ付いてきた。
「むっ、クロム、竜斗に迷惑です!離してください!」
「……そっちこそ……その無駄に……大きい……脂肪を……竜斗に……くっ付けたら……竜斗が……動きづらい……」
「なっ!な、何が無駄に大きい脂肪ですか!?」
 2人は、俺の腕にくっ付きながら口論する。まぁ、毎度のことだからもう慣れたが。
「ほら、2人とも、ここで喧嘩はしない。せっかくのピクニックなんだから。」
「む〜………旦那様がそう言うなら………で、でも、旦那様の隣は私だけですからね!?」
「……むっ……それは……容認できない……竜斗は……シェレールの……恋人……だけど……シェレールの……ものじゃない……」
「人の恋人を奪おうとする人よりマシだと思いますが?」
「おいおい、注意したのに早速喧嘩してるじゃないか!」
「む〜……」
 はぁ、この2人が仲良くする方法ってないのかな………
「ねぇ、竜斗、そろそろお昼にしましょ。あたし、お腹空いちゃった。」
「あ、ああ、そうだな。」
 俺は、アイテムボックスからレジャーシートと弁当を取り出して用意する。
「よしっ、こんなもんでいいだろ。それじゃ、早速お昼にするか。」
 俺たちは、レジャーシートの上に弁当を囲んで丸く円になる。
「……竜斗……これ……食べて……」
 クロムは、自分の皿に乗せた肉巻きを俺に差し出した。
「別にまだいっぱいあるから遠慮しなくていいぞ?」
「……ううん……別に……遠慮……してない……これ……私が……作ったから……食べて欲しい……」
「ああ、そういう事か。なら、遠慮なくいただくよ。」
 俺は、そう言ってクロムの皿から肉巻きを取って俺の口に入れる。
「…………っんく……うんっ!美味い!」
「……良かった……まだ……いっぱい……あるから……食べてね……」
「ああ、ありがとう。」
 クロムは、そう言うと嬉しそうにしながらお弁当を食べていった。
「旦那様、これはは私が作ったんです。食べてみてください。」
 次は、シェレールの方からそう言われ皿を見てみるとそこには俺が前に作ったことのある魚の煮付けが乗っていた。
「おおっ、魚の煮付けじゃん。シェレールか作ったのか?」
「はいっ!昨日の夜から味付けしてますのでたぶんすごい味がついていると思いますよ。」
 俺は、シェレールの皿に乗っていた魚の煮付けを取り口の中へ。
「…………おおっ!しっかりと味が滲みてるし美味い!」
「良かったです。まだ他にもいっぱい作ったので食べてくださいね。」
 確かにお弁当を見ると結構シェレールの得意料理やら俺の好物やらが多く入っておりシェレール中心に作られたことが分かる。
 だけど、所々にシェレールっぽくない料理があるのでそれはクロムとレーネが作ったんだろう。
「竜斗、これ、私が作った肉団子なんだけど…………食べる?」
 レーネは、少し不安そうな表情を浮かべて自分の皿に乗せた肉団子を俺の方に向けてくる。
「ああ、レーネがいいなら貰っていかな?」
「うんっ!食べて!」
 俺が肉団子を貰いたいと言うとレーネは、嬉しそうに顔を明るくさせた。
 レーネは、立ち上がり俺の方に来ると俺の隣に座り肉団子を箸で持ち上げ俺の口元に寄せた。
「はい、竜斗、あ〜ん。」
「お、おう………あ、あ〜ん……」
 まさかレーネにされるとは思ってなかったな。
 俺は、てっきりクロムかシェレールがしてくるものだと思っていたけど………ってなんか2人の眉間にシワが出来ているのだが………
「レーネちゃん!なんであ〜んしちゃうんですか!?今さっき、旦那様に怒られたのでせっかく我慢してしなかったのに!」
「……そうよ……私だって……竜斗に……あ〜ん……したかった……」
 2人は、レーネにそう言い放つがレーネは、完全に無視している。
「竜斗、どう?美味しい?」
「ん?あ、ああ、美味いよ。」
「ふふっ、良かった。」
「む、無視しないでください!」
「……レーネ……私……怒るよ?」
「あ、あはは、ごめんね。……ついしたくなって。」
 レーネは、少し恥ずかしそうにしながらそう言うとそれからすごい口論が始まり俺は、残りの弁当のおかずを1人で食べているのだった。

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